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僕とゾンビじゃない彼女  作者: 松戸京
チャプター26
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突如の異変 3

「アイツら……なんなんだよ……」


 紫藤さんがイラ付いた様子でそう言う。


 さすがに俺達も突然の状況変化に対応できていなかった。


 突如として表れた謎の集団……


 見た感じ……ゾンビ病感染者ではないように見えるが……


「あの人達に接触して……大丈夫なんでしょうか?」


「え? 古谷さん……」


 と、俺は古谷さんが口にした意外な言葉に驚いてしまった。


「だって……彼らは私達よりも多い人数で行動しています。おそらく、この近くに安全な避難場所があるんじゃないですか?」


 古谷さんの言っていることは最もである。大勢の人間が避難できる安全な避難場所……やはり、どうにも夕樹さんの言葉がずっと引っかかっているのだ。


「あれ……そういえば、夕樹さんは?」


「あ? あんな奴どうでもいいだろう? そんなことより今はいきなりで出てきたアイツらにどう対応するかだよ」


 紫藤さんの言うことも最もだった。しかし、確認したかったのだ。彼らが「学校」からやってきた者達なのかどうか、を。


「せっしょく、きけん」


 と、小室さんははっきりとそう言った。


 俺は小室さんの方に顔を向ける。


「……どうしてそう思うの?」


 俺が訊ねると小室さんは少し考えこんでから、俺の方をまっすぐに見る。


「おんなの、かん」


 俺は一瞬小室さんが言った言葉の意味が理解できなかったが、今このデパートに着た謎の集団が安全であると言い切れないのも事実である。


「……そうだね。俺も危険だと思う。少なくとも……デパートの中にいるのは危険なんじゃないかと思うんだよね」


「え……じゃあ、デパートから出て行くって言うんですか?」


 古谷さんが目を丸くして俺を見る。


「いや、そうじゃない。一度デパートから離れるんだ。さっきあのボサボサ髪の女の子は探索開始、って言っていた。つまり、このデパートをあの学生たちはくまなく探索すると思うんだ。探索が開始されれば俺達と彼らは接触する危険がある……それなら彼らが引き上げるまで、一度デパートから離れていた方がいいと思うんだよね」


 俺がそう言うと紫藤さんも古谷さんもなぜか感心したように頷いていた。


「え……俺、なんか変なこと言った」


「いえ。さすがですね、赤井君」


「ああ、状況把握っていうの? それがちゃんと出来ているじゃねぇか」


 なぜか古谷さんと紫藤さんの2人に同時に褒められる。小室さんもなぜか満足そうに俺のことを見ている。


 なんだか、逆に調子が狂ってしまう。


「あ……ま、まぁ、なんでもいいや。とにかく、今持っている食料を持って一旦デパートを離れよう。出て行くにしても非常口からだ。さっそく行こう」


 そういって俺達はさっそくデパートを一旦離れるために、食料を持って二階の非常口へと向かったのだった。

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