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僕とゾンビじゃない彼女  作者: 松戸京
チャプター20
111/204

ただいま 3

「え……紫藤さん、今……」


「ああ。……ったく、ゾンビってのは喋るのにも苦労するんだな」


「……喋れるの?」


「当たり前だ。いつまでも『あー』とか『うー』じゃ面倒臭くて仕方ねぇだろ?」


 ニカッと歯を剥きだして笑う紫藤さん。俺も思わず笑顔になってしまった。


「ぞんび、しゃべるの、こつ、いる」


 と、その隣で相変らずのしゃべり方をする小室さん。


「えっと……小室さんは?」


 俺が思わずそう訊ねると、小室さんはキョトンとした顔でこちらを見る。


「わたし、もともと、こんな、しゃべりかた」


「あ……そうなんだ」


 そう言われてしまって、俺は納得するしかなかった。


「……なんだ、喋れるようになっちゃったんですか」


「あ? なんか言ったか? そこのゾンビモドキ」


「はぁ? あ、アナタだってゾンビモドキでしょ!」


 と、なぜか喋れるようになった瞬間、いきなり喧嘩を始める二人。


「ちょ、ちょっと……喧嘩はやめてよ。ね?」


 すると、古谷さんはキッと俺のことを見る。


「え……どうしたの? 古谷さん」


「……赤井君の、ばか」


 そう言ってなぜかそのまま古谷さんはリビングを出て行ってしまった。


「え……なんで?」


 思わず小室さんと紫藤さんを見る。紫藤さんは何も言わずにニヤニヤしているだけである。


「あかいくん、どんかん」


「え……小室さん、鈍感……え?」


 小室さんの言葉に俺は疑問を感じることしか出来なかったのであった。

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