右足
寒い!
今日は。
異様に寒い!
ぬくい。
お布団から。
出たくないけど。
土方さん。
起きちゃったしなぁ……
こんな。
寒い日。
私には。
重要な。
お仕事がある。
確り。
勤めないとね。
なので。
身支度を終えて。
部屋を出る。
土方さんの。
後に続いた。
「すげぇな、外は真っ白じゃねぇか」
廊下の窓から。
外を見て。
呻く土方さん。
今日は。
寒いうえに。
猛吹雪。
嫌過ぎる……
「まあ、こんな感じかな?」
午前中の会議。
武さんがしめて。
一段落。
「ところで土方くん、それは……?」
と、大鳥が。
テーブルの下を覗いて。
呟く。
正確には。
土方さんの。
右足に。
へばりつく私を見て。
「あぁ、何だか知らねぇが冷える日はいつもこうなんだよ」
「おや、居たんですか」
本多さんの。
言葉に。
合わせる様に。
武さんとタロさんも。
テーブルの下を。
覗き込む。
「お前は何してんだ?」
渋い顔で。
私を見下ろす。
土方さん。
うぅ……
お仕事ですっ
「いつもは会議になんて、ついて来ないのにね」
「別に大人しいから構わないけど」
口々に。
私をネタに話し出す。
むぅ……
「冷えると、古傷が痛むと良く言いますからね」
ぽつりと。
書類を纏めていた。
タロさんが呟く。
「え?」
みんな。
不思議そうな顔をしたけど。
タロさんは構わず。
お昼を食べに。
部屋を出る。
他も。
それぞれ片付けて。
部屋を出た。
けど。
なぜか動かない。
土方さん。
不意に。
私を。
目の高さまで。
抱上げて。
びっくりいぃ!?
「もしかして、足が痛まない様に温めてるつもりか?」
私の目を見て。
囁く。
土方さん。
ゴロゴロと。
喉を鳴らしたら。
膝に抱いて。
撫でてくれた。
幸せぇん!
そう。
土方さんの右足を。
温めるのは。
私の。
大事なお仕事。
えっへん!
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