売れる作品とは2。
・売れる作品とは2。
「ここで、一つ、売れる作品の金型を紹介したいと思う。それは『ももたろう』だ」
「売れる作品の例で『ももたろう』を出してくるとは、逆にシュールやな」
「シュールでもねぇだろ。ももたろうは、物語の金型としては完璧だ」
――『桃から生まれた』という『人目を引く個性』を持つヒーローが、
バラエティ豊かな仲間たちと、悪い鬼をやっつけてハッピーエンド。
「これでいい。売れている作品は、だいたいシンプルだ。逆に、どれだけ出来がよくても、ストーリーが複雑で、哲学的説教が満載だと、奇妙なウケ方をすることはあっても、大ブレイクはしねぇ」
「なんか……自虐に聞こえるのは気のせいか?」
「いーや、自虐じゃないね」
「しかし、お前が主役を張っとる作品『小説センエース』なんかは、まさに、お前が今言った『大ブレイクしない作品』の典型のような……」
「アホウめ。『にわか』のような勘違いをしやがって。ハッキリ言うが、小説センエースは極めてシンプルだ。複雑なのは『世界の構造』だけ。世界観だけなら、いくら複雑でもいい」
『ストーリーの濃さ』と『世界観の質』は反比例するのがちょうどいい。
『プロット(設計図)』は過剰なくらい丁寧に
『シノプシス(あらすじ)』は、見栄え重視で大胆に。
それが鉄則。
「確かに『小説センエース』のプロットはイカれている。魔法の使い方ひとつとっても、バカみたいに膨大な設定がある。『キャラクターの心情』を『完璧に理解』しようとすると、『無限の読み込み時間』が必要となる。――しかしシノプシスは極めてシンプルだ」
『読者の反感を買いそうなキャラが、センエースにボコボコにされる』
「――以上だ。その『反感を買いそうなキャラ』のプロフィールや感情指数が激烈に複雑であることは認めるものの、『流れ』は常に一本だと断言できる。『センエースが敵に勝つ』――それ以外の流れはない」
「ふむ……つまり、お前の視点でいうと、『複雑な作品』の定義は、『結末』までの流れの『本数』が多いモノ……みたいな感じか?」
「まさに、その通りだな。例えば、読み終えた後に『結局、どういう話だったのか?』と考えさせられるのが複雑な作品。『小説センエース』にそれはない。『設計図の構造』に対して疑念を抱くことはあっても、『どういう話だったのか』という点で悩む者は一人もいない。『センエースというアホな主人公が、イカれた敵を倒しました』――以上。なんなら『ももたろう』よりも単純だ」
「まあ、そう言われたら、確かにそうやけど……ただ、なんか『視点のごまかし』みたいな気もせんではないというか――」
などと、たわけた事をほざくトウシの事をシカトして、
センは続けて、
「ここで、改めて言っておくが、見終えたあとに『結局、どういう話だったのか』と困惑する作品が『悪い』とは言わない。あえて、一つ、作品を上げるが、『20○1年宇宙の旅』なんかは、その典型だな。ぶっちゃけ、あの作品は、事前知識なしで見たら、最初から最後までワケが分からん。ただ、あれは、間違いなくスケールのデカい作品であり、不思議な魅力があって、ちゃんと売れている。しかし、『作品の質』と『興行収入』が適正であるかといえば、やはり、そうではない。売れるか否かという点でいうと、やはり、難解さは足を引っ張る要員だ」
「……『小説センエース』は、むしろシンプルな作品である……というコトにしたい『お前の意見』はよぉ分かった。けど、哲学的説教が云々という点に関しては、結構、ド直球な問題点やと思うんやけど?」
「それも勘違いだな。小説センエースに出てくる哲学的表現というのは、たいてい『難解さの誇張』というギャグであって、本質を突くような『哲学的説教を読者に理解させようとする展開』が繰り広げられたことは一度も無い」
あくまでも『なんか難しいことを言っている』という『ネタ』であって、
読者サイドが『難解なこと』を理解する必要性は皆無。
もちろん、だからといって『意味がない』というワケではない。
テキトーを並べているだけでは、
『ネタ』として成立しないから。
『本気の悲鳴』を吐き散らかすからこそ、
高次のギャグとして正式に成立する。
「作品の器となっている『設計図』の部分に関しての複雑怪奇ぶりはガチンコだが、しかし、そういう部分は、あくまでも骨組みであって、読者の目に直接的に触れる『肉付け』の部分は、いつだって、徹底してシンプル!」
『悪いヤツ』が、センエースに叩きのめされる。
以上。
「ヤバいことをしているアホを『お前、迷惑だし、嫌いだから、死んでろぉ!』と叱りつけることはあっても、『ダラダラとウザったい説教』をしたりはしない。基本的に、俺は、自分のやりたいことを叫び続けているだけ。あえていうなら、俺はずっと、最初から最後まで『海賊王○俺はなる!』と叫び続けているだけ。きわめてシンプル」
「つまり、『小説センエース』は、ブレイクする作品やというとるわけか?」
「売れるかどうかは、『100%運』だ。問題なのは運をつかんだ時に『どういう売れ方』をするか。そういう意味でいうと、『小説センエース』は、『大爆発をする可能性』を秘めていると言える。なんせ、『正しく幼稚』で、かつ『きわめてシンプル』な作品だからな」
「……ものは言いようやな……」
ここまで毎日投稿してきましたが、
以降は不定期となります(*´ω`)





