「心の弱さとの向き合い方 対処法」
「心の弱さとの向き合い方 対処法」
「ここで、一つ、コレを読んでいる『心の弱さジャンキー』に言っておこうか」
そこで、センは、あなたを指さして、
「あんたが、もし、仮に『心の弱さジャンキー』で、かつ、仮に『薬のジャンキー』を下に見ているなら、ここでハッキリ言っておく。あんたも、薬のジャンキーも、依存症という意味では何も変わらない。薬やっているヤツよりは、まだマシというだけで、結局のところは、目クソ鼻クソだ」
「正直、目クソの方が、鼻クソよりもはるかにマシやと思うから、ワシ的には、その慣用句、本質的な意味で破綻してると思うんやけどなぁ」
「お前の感想なんか、どうでもいい!」
そう叫んでから、センは続けて、
「おそらく、こういう話をすれば、確定で『本当の依存症をナメるな』という反論がくるだろうが、そんなマヌケに対する反論は一つ。心の弱さも立派な麻薬だ、ボケ。『今日はもういいや』という弱さを受け入れた瞬間、脳内麻薬があふれ出る。そして、その快楽を、脳は求め続ける。ホメオスタシスという機能は『向上心』すら『害悪』だと捉えてしまう。『今日はもういいや』という弱さは、『本気で乗り越えよう』と努力しない限り、永遠に消えてくれない。それを依存と言わずになんという?」
人体には『全力で現状維持に努める』という機能がある。
それを、ホメオスタシスといい、
体温が上がれば、下げようとして、
体内ホルモンが出すぎていた場合は、抑えようとする。
そのホメオスタシスという機能は、
『頑張って、昨日よりもいい人間になろう』という感情に対しても、
『いや、昨日のままでいい』という抑制として働こうとする。
その結果、
『頑張ろう』という理性に対し、
『今日はもういいや』という強い抑制機能が働く。
そして、実際に、『もういいや』と『その日の課題』をほっぽりだして、
『昨日までの自分を維持することに成功』すると、
ご褒美として、『ドーパミン』がドバドバとあふれ出し、
次の日も、その状態を維持させようとする。
人体の『機序』という観点でいえば、
他の中毒症状と、『流れ』的には何も変わらない。
依存度が強いか弱いかの差でしかない。
「言っておくが、俺は、聞きかじった情報を口走っているんじゃねぇぞ。クッソガチンコの体験談を口にしている」
「お前ほどの根性の鬼が、『今日はもういいや』なんて口にしたことがあるのか?」
「ああ、お前に負けた日、俺は自分の弱さに溺れた。もう無理して勉強しなくていいんだと思った瞬間、全身が、痺れるような快楽に包まれた。今でも覚えているよ。この上なく胸糞悪い記憶だ」
「胸糞悪いのに快楽? トンチか?」
「あの快楽は、俺が『弱さに負けた』という何よりの証拠だ。俺は、一時の快楽なんか欲しくねぇ。俺がのぞむのは『どんなに苦しくても逃げなかった』という誇りだけだ」
センは、英語のテストで、トウシと全力で張り合い、
そして『当たり前のように負けた』という過去を持つ。
『この天才には絶対に勝てない』と思ったことで、
センは、『トウシに勝つための努力』を放棄するようになった。
「あの日、俺は、お前に負けたことで、誇りを一つ失った。お前みたいな天才は、誇れる宝物を山ほどもっているから、何個か失ったところで、たいした痛手じゃないだろうが……俺みたいな無能は、意地とプライドをなくしたら終わりだ。あの瞬間、俺は、どちらも失った。自分で自分が許せねぇ。俺は、その『許せない』という苦悩を、ずっと抱えて生きてきた」
『負けた事』よりも『逃げてしまったこと』に対し、
センは、その後の生涯で、ずっと苦しむことになる。
「――心の弱さについての解説はこの辺にして、そろそろ、向き合い方を伝えようと思う」
「そうやな。心の弱さがいかに怖いかを熱弁するだけでは、なんの益にもならへん」
「心の弱さジャンキーから抜け出すための方法は、大きく分けて5つ!」
・太陽が出ている朝20分歩け!
・深呼吸しながら目を閉じろ!
・死ぬ気で眠れ!
・五分でいいから筋トレしろ!
・なんでもいいからタンパク質をとれ!
「以上の5つをこなせば、セロトニンが出てくる。セロトニンは、ストレスを叩き潰してくれる効果を持つ最強格のホルモン! 数少ない、『うつ』を殺してくれる脳内物質!」
精神の安定、平常心・安心感の向上。
脳の活性化と回転率上昇。
不眠、慢性疲労、意欲の低下にも効果がみられる。
「現代社会に生きる人間は、多かれ少なかれ、全員、『うつ』の症状を持っている。正式に『うつ』と診断される患者の絶対数は、そこまで多くないが、『うつ系の症状』を『一ミリも持っていないヤツ』は、本格的なサイコパスだけ。不眠、倦怠、首肩こり、頭痛、やる気がでない、能力低下、不安――これらの症状がわずかも出ていない人間など、幼稚園児の低学年を探してみても、一人たりとも存在しない」
というか、むしろ、
神経系統が成熟していない幼児の方が、
不安系の症状は出やすい、
……のだが、まあ、そういう話は置いておいて、
「とにかく、現代社会に生きる者は、全員、程度の差はあれ、必ず『うつ系統の症状』を抱えている。ソコを殺せれば、『ジャンキー御用達のドーパミン』とも距離をとれる。それだけでも、人生は大きくイージーモードに傾く。逆に、『うつ系症状』との向き合い方を知らないと、基本的に、すべてが悪い方向に傾く。『ゲスなドーパミン』に惑わされず、セロトニンの分泌量を支配しろ。そうすれば、世界との闘い方が見えてくる! 一言で言えば、『努力』が出来るようになる!」
『マイナス系統のホメオスタシス』と、
『ストレスによる、うつ系症状』、
この二つが『やる気』を殺すツートップ。
「セロトニンを増やすと、過度なドーパミンを抑えてくれるようになる。そうすれば、ホメオスタシスに対して抵抗できるようになる。やる気を根性でカバーしようとするのも悪くはないが、体のメカニズムを理解して対処した方がお手軽だし確実性が高い!」
そこで、センは、一呼吸おいて、
「さっき、5つほど、セロトニンを増やす具体的な行動を述べたが、別に、全てを完璧に実行する必要はない。できそうだと思ったことだけ、軽くやってみるのが一番いい。すべてを実行しようとして、『ああ、今日は朝、歩けなかった。俺はなんてダメな人間なんだ』みたいに考えるのが一番マズい! というか、それも、ホメオスタシスの一つだ! それを『言い訳』・『理由』にして、『続ける』のをやめようとする。そういう『弱さ』の発現に他ならない! だが、この事実を知っていれば、『あ、今、やらなくていい言い訳を探している。これは、体のダメな機能だ。引きずり込まれてはいけない』とあらがうことができる! 戦うべき相手を知り、闘い方を覚えろ! それが勝つための第一歩!!」
本日の総括!
『精神論も大事だが、それだけでは超えられない壁の方が多い!』
『体のメカニズムは、出来るだけ知っておいた方が、いろいろと得!』





