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自己表現と承認欲求の話

「(頑張って・気持ちを込めて)作った作品が全然見てもらえない、伸びない、評価されない」

「得られる数字を目的に創作活動をするのは間違っている。自分が満足出来る作品を作るのを優先すべき」


 小説だけでなく絵や配信(動画)など創作事においてよく目にする二項対立ですが……個人的には悪い意味でどちらも極端だなあ(煽り目的でなければ拗らせてるなあ)としか思えないですね。だって人によって割合は違えど自己表現も承認欲求も誰しもが必ず持っているものですから。


 そしてこの手の対立における意見の相違を見る度に、創作という同じ舞台に居ながらもそこに立つに至った経緯が違うんだろうなあとも思わされます。どちらも最初は「作ってみたい」という地点から始まっているはずだと思いますが、そこに至るまでとそこからの心の動きが大きく異なると言いますか。

 具体的には、


『自己表現重視派』

 ・創作物または創作者の活動を見て楽しそう・作ってみたいと感じて創作を始めた。

 ・創作を行ってみて作る過程の作業または完成させることによる達成感に喜びを感じられた。

 ・最初は後述する評価重視派だったが評価を求める過程で自己表現の重要さも認識した。


『評価重視派』

 ・創作物や創作者へ寄せられる賞賛や評価を見て楽しそう(羨ましい)と感じて創作を始めた。

 ・創作を行って完成させた作品を褒められる(ランキング入りなど何かしら結果が得られた)ことに喜びを感じられた。

 ・最初は前述した自己表現重視派だったが感想や評価を得る内に反応を得ることの重要さも認識した。


 といった感じでしょうか。

 こまごまと書きましたが、要はその人の創作の原体験において自己満足と実益どちらを重視していたかがその後の創作へのスタンスに大きく影響しているのではないか? ということですね。

 もちろん上で触れているように、成功体験や失敗体験など創作活動を続ける過程で起きた出来事によってそれまでスタンスが大きく変わることも往々にしてあると思いますが。


 ちなみに自分が初めて作品を書いたのが「このアイデアを形にしたい」という思いを抑えきれなくなったからだったこともあり、自分は自己表現重視派ですね。それはそれとして作品で表現したかったことを読み取ってもらえたり同意してもらえるのは嬉しいので評価も大事だと思っていますが。


 創作行為である以上他者の反応に左右されず自分の満足のいく作品を作るのはもちろん大事ですが、各種小説投稿サイトを始め作品を発表できる場が充実している現在、発表することで生じる反応や評価を完全に気にしないというのもまた難しいと思うのです。

 だからこそどちらかを切り捨てるのではなくどちらも認識した上で自分なりのバランスを築くのが大事だと思う訳で。


 読まれようが読まれまいが構わないとばかりに自己表現を追求していても、読まれて褒められたら嬉しい。創作によって得られる何かしらの数字を重視していても、満足のいく作品を書ければ達成感は得られる。どちらも認めてあげて良いと思うのです。

 創作活動によって得られた嬉しい気持ちや達成感を否定して得することなんて何も無いのですから。

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