表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゲーム風異世界でハンターライフ  作者: クドウ
兼業ハンター生活一年目
92/110

家②

 



 翌日も二人に迷宮へ行ってもらい、オネエと二人で作業の続きだ。

 本棚を買い持っている本はすべて書斎に詰め込み、それぞれの部屋を整えていく。客室も質素ながら一応整えた。いずれ貴族になったらそれらしくすればいいだろう。しなくていいならこのまま行きたいけど。


「あと改造が難しいのは和室、ダーツの部屋、浴室くらいか。あとはゆっくりやればいいよね」

「そうですね。草取りは平日の空き時間にしておきます」

「あ! それだ、庭。せっかく庭が出来たんだし何か飼いたいよね。家庭菜園も欲しい」


 この世界はドラゴンも飼えると聞いている。ぜひ飼いたい。


「そうですね。移動手段にもなりますし馬が良いと思います。馬番と馬舎も必要ですね」

「馬……もっと強いのがいいんだけど」

「……馬は無税ですがその他騎乗の出来る生物は税金が掛かりますからね?」

「そうなの!? ドラゴンも!?」

「……ドラゴンなんてどうやって飼うつもりですか」


 呆れられたが私は本気だ。

 

「飼えるって聞いたんだけど」

「種類によりますが家の数倍高いですよ」


 なんだと……でもそうだよね、ドラゴンだし安いわけない。


「拾うとか」

「卵を拾えれば可能かもしれませんけど、命が一つじゃ足りないですしそもそも竜の巣へ行くだけの実力もありません」


 ほほう、竜の巣か。楽しそうなところだね?


「今すぐは無理でしょう。ドラゴン以外の他のモンスターも、サイズが大きければ税金というか契約料が掛かりますからね。考えて拾って来てください」


 拾ってくること前提で話されてる気がする。まぁ落ちてたら拾うかもしれないけど。


「契約料って?」

「モンスター用の首輪の契約料です。街中で暴れては困りますからね、首輪が魔道具になっています」


 忠誠の指輪のモンスターバージョンか。


「クラウドたちはいいの?」

「一メートルないですからね。これから大きくなったら必要ですけど、外に出さないならこっそり飼っている人も多いですよ」


 ほー。そんなもんか。ペット禁止のマンションで犬飼ったり猫飼ったりしてる人いるって聞くもんね。私が住んでたアパートは壁薄いしさすがにいなかっただろうけど。


「ともかく後先考えて拾うようにしてください。餌代もかかりますから」

「はーい」


 まぁ早々拾うような機会はないだろう。

 餌代もいるし、飼うのは一先ず卒業してからがいいかな。それまでは交通手段になりうる馬がいいかな? でも魔動車が手に入った必要なくなるよね……。売るのは嫌だしなぁ。




 ご近所へ挨拶回りの習慣はあるのかどうか聞いてみると、そういう習慣はないと言われ、午後からは四人で迷宮へ潜った。

 翌日からゴーレムの迷宮へ向かい、出来るだけ稼ぐ。出来るだけ残りの春休みで稼いでおこう。そしてもちろん帰りは買い物である。


「石鍋! 石板!」

 

 家も買ったしようやく買えるからね! これでさっそくバーベキューにしよう!

 二人のレベルが上がったお祝いだと称して、春休み最後の夜はバーベキュー。色んな肉をどっさり買い込んだ。もちろんモンスターの肉もあるよ。東ノ島通りでコジローとアカネにばったり会ったので、二人も誘って合計六人。

 

「じゃーん」

「お酒買い過ぎじゃない? これ……」

「そう? まぁ今日は全員飲むかなと思って」


 アルコールは十五歳からだけど、普段はオネエしか飲まない。今回は花見を兼ねたバーベキューだから用意しただけだ。なんとこの家、桜があったのだ! って別に桜は大体どの家にもある。理由はたぶん、この期間の背景のためだと思う。毎年四ノ月十五日まで満開の桜が背景と、ゲームの仕様で決まっている。

 

「肉焼けたよー! 食べるよー!」


 ビールをぐびぐび飲みながら肉を焼く。今日の私は肉焼き係。


「いっぱい食べて大きくおなり」


 スケッチの取り皿に肉を乗せる。


「大きく……なれるかなぁ……」


 うーん、なれないかも。スケッチの家族、皆そんなに大きくないよね。どっちかっていうと小柄な方。しかもスケッチは明らかに母親似。うん、諦めておいた方がいいかも。変に期待してあとで落胆したくないよね。


「野菜も焼けたよー」


 あ、魚介も買えば良かった。すっかり忘れてた。

 おにぎりと〆に焼きそばも用意してある。こっちは忘れなかった。

 

「この石板はおもしろいな」

「東ノ島にも鉄板はあるでしょ?」


 鉄が石になっただけで、用途は同じだ。


「あるが、大人数でこういう風に食べるのは初めてだ」


 まぁ普通、焼くのは料理人だよね。コジローは一応上位の貴族だし。

 ラーメンは食べるのにバーベキューは経験ないってちょっと不思議だけど。


「気に入ったんならまたやろうよ。次は魚介も欲しいね」


 おにぎりも焼いちゃえ。焼肉のタレで焼くのが好きなんだよね。

 あれだけあった肉も野菜も、おにぎりも食べ尽くした。さすがにアルコールは余ったけど。


「〆は焼きそばだよー」


 焼きそば美味しいよね。焼うどんも好きだけど。


「セリカ上手いわね……」

「ふふーん。やってたことあるからねー」


 父親が屋台やってて手伝ったことあるしね。糞親父はすぐ抜け出すから大半は私がやってたし。

 出来上がった焼きそばを取り分けて、頂きます。

バーベキュー、またやりたいなぁ。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ