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ゲーム風異世界でハンターライフ  作者: クドウ
兼業ハンター生活一年目
67/110

三連休②

 



 さて、三回目のゴーレムのいる迷宮だ。

 スケッチのお古の杖はゴーレムには不向きなので、今回はハンマーで行くことにした。本当は鉄球を使いたかったんだけど、マイナーすぎて取り扱いがなかった。とりあえず注文は出したけど、時間が掛かるらしい。まぁ今回は仕方ないね。


 今回は五階からスタート。今回はEランクの試験対策と私の体術の訓練がメインだ。よって同じフロア、近い場所にいるけど二手に分かれる。

 私は一人で黙々とゴーレム相手に体術訓練。動きは鈍いし一応人型だし、技をかけやすい。

 対人はソロランクEの試験に必要だ。ハンターや凶悪犯相手ではなく、一般人に毛が生えたような素人を捕縛出来る程度の実力があればいいらしい。なのでもちろん体術限定ではなく、魔法でもいい。護身術程度はスケッチにも覚えてもらいたいんだけど、魔法の方が向いていることは分かりきった事だし、今回は見送りかな。本当は絡まれても逃げられるくらいの体術は覚えて欲しいんだけどね。送っていく必要がなくなるくらいにはさ。

 ソロランクは私が受かってからスケッチを鍛えた方が要領が掴めそうだし、レベルが8になったらすぐに受けるつもりだ。

 軽業と体術を駆使してゴーレム一体を仕留める。時間は気にせず訓練重視だ。合間に三人の様子を窺う。

 うーん……。改めて見てもパーティランクはレベルさえ規定の8になれば、すぐ受かりそうなんだよねぇ。多少バランスは悪いけど、実力はあると思う。まぁEランク程度で行き詰るわけにはいかないんだけどね。

 問題はやっぱりソロランクなんだよね……。サオンとオネエは本業じゃないのでソロランクを上げる必要性はない。多少の訓練と相性はあるけど、すぐに受かると思う。でもスケッチはなぁ……。大きな問題は持久戦不可と躱せないこと。素早い敵には対応できないし、連戦も苦手。相手が鈍ければ攻撃も躱せるし、魔法で防御も出来るけど素早かったらどっちも無理。

 体力と敏捷性を上げるスキルがあればいいのに。

 ダッシュとかステップとかあるんだけど、スケッチの場合、中々上がらないんだよね。これ上がらないとソロはやっぱり厳しいだろうなぁ……。試験官の採点があるし、魔法を上げて一発で仕留める、とかいう単純な話ではないらしい。

 



「どうだった?」


 夕食をとりながら反省会。

 二日連続だけど石焼き料理だ。今日は違う店で違う料理を注文した。丸ごとの鳥の腹に野菜が詰められたスープ。セットのもちもちした一口サイズのパンも石板で焼いてスープに入れて食べる。


「これもちもちしてて美味しい。何か挟んで食べたい」


 ソーセージとかいいんじゃない? 王都にもないかなぁ。


「東ノ島通りにばっかり行ってますからね。他の通りに行けばあるかもしれませんよ」


 確かにね。たまには違う通りに行って新しい店を開拓してみるか。


「ゴーレムって頑丈だよね……。試験のモンスターとどっちが頑丈かな?」

「頑丈さだけでいうならゴーレムでしょ。でもスピードがない分、スケッチにはゴーレムの方が相性いいんじゃない?」

「そうだね。時間は掛かるけど、ゴーレムだと危険が少ない気がする」

「体力もつくと思いますよ」


 なるほど。体力作りにゴーレムはいい相手かもね。


「わたしはゴーレム苦手ですけど、スケッチさんはゴーレムの方がいいような気がします」


 サオンとは相性悪いからなぁ。何か重いものを投擲すればいいかもしれないけど。


「これからも三連休はこっちに来たいね。サオンはまぁ……蛇の処理とか」

「出来ればわたしもゴーレムに使える武器が欲しいです……」


 鉄球が来たらハンマーを渡してみようかな?




 翌日も前日と同様のスタイルで、結果十二階まで潜ることが出来た。今回は採掘体験や買い物でお金を使っているけど、それでも黒字。しばらくはゴーレムだね。

 昼食をとった後で馬車に乗り込む。帰りはスケッチとサオンが御者だ。私とオネエは後ろでのんびりぐだぐだ。


「あー石板! 石鍋! 欲しかったなぁ」


 諦めきれなくてぐだぐだやっているとオネエに呆れた視線を投げかけられた。


「今買っても必要ないでしょう? 二年後でもなくなるような商品じゃないですし」


 わかってるよ。でも今欲しいんだよ。そういうのってない? 使わないし、邪魔にしかならないけど今欲しい! みたいなさ。


「邪魔を承知で買うなら別に良いですが。セリカ様の部屋が狭くなるだけですし」


 おっしゃる通りです。狭くなるのは私の部屋。武器防具でいっぱいなのにさらに狭くなる私の部屋。


「ううう……武器はこれからさらに増える予定だもんね……わかってるんだけどさぁ」


 すでに鉄球の注文出してるし。防具もさらに色々作ってもらう予定だし。今回の素材でベルトにブーツ、ポーチにバッグも作ってもらうしね!


「あ。鉱石よりも魔石で鍋作ったらさ、自動加熱とか出来ないかな」

「出来るかもしれませんが……嵩張ることに変わりありません」

「そうだけどー! どうせ魔道具制作で何かは作らないといけないわけだし。それなら欲しいものが作りたいじゃん?」

 

 まだレールも完成してないけどね。講師に相談してみようかなぁ。


「早く家欲しいなぁ。卒業前にお金貯めて家買っちゃう?」

「貯まるならそれでも良いですが。貯まりますか?」


 武器とか防具とか欲しいものは買ったり作ったりしてるし、あんまりお金の貯まる生活はしてないんだよね。色んな武器スキルを覚えようと武器を変えてるけど、それをやめればちょっと早く貯まりそう。


「いくらくらいかかるかな。維持費も必要よね」

「浪費してますからそれを押さえれば小さな家くらい一年後には買えると思いますが」


 浪費っていっても必要経費だと思ってるしなぁ。その分ドレス代とかは使ってないし、社交もしてないし。


「ただ家を買って生活の場を変えれば、生活費も掛かりますし、あまりお勧めは出来ません」


 寮だったらほとんど生活費要らないもんね。要らないっていうか実家持ちだし。

 えー何がいるかな。食費と水道光熱費?


「税金ってどうなってるの?」


 税金は三年生で選択すれば講義を受けることが出来る。入試に必要なかったので、この世界の税金について、私はほとんど何も知らない。


「詳細は調べてみないとわかりませんが、税は家の広さによって変わるはずです」


 広さによって変わるなら必要以上に広い家にするともったいないのかな。でもトレーニングルームとか欲しいよね。クラウドとレインの部屋も欲しいし。


「出来るだけ貯金しておいて、手が届く範囲になったら情報を集めましょう。今情報を集めても売れてしまっている可能性が高いですから」

「そうだね。ちょっと節約してみるわ」


 超レアな魔石とか出ないかな?




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