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課外授業初日② 軋轢と理解者

「う、狼だ。小さいが」

「小型狼の魔獣ね。単体は強くないけど、群れになると強いわ」

「でも3匹だ」


「そうか。ならいける。俺が2匹、マルクが1匹、レオナは俺の補助に入ってく」

「いや、マーク。俺が2匹、マークが1匹で、レオナはマークの補助だ。マークが怪我したり、気を失うとやばい。あいつらを回復しきれないかもしれない。俺が2匹相手に時間を稼ぐから、早く1匹を倒して俺のところに来てくれ」


「マルク、俺を信じてないのか」

「違う。信じているから、少し時間を稼げば、マークが助けにこれると思っている」

「そうか。わかった」


「レオナはマークが倒した後で、あのバカらに回復薬をかけてやってくれ」

「わかったわ」


「う?」

「小型狼か」

「本当に来やがった。マルクめ。知ってて嵌めたな」


「無能らしい。嫉妬か、この無能め」

「マルクは無能だからしょうがない」

「やるぞ」


「ああ。ルークス。お前はあの1匹を仕留めろ。俺はこっちの1匹だ」

バカ、後1匹隠れている。

「おい、気をつけろ。1匹隠れているぞ」

「「うるさい」」


そしてルドルフが先に襲いかかる。遅い剣筋で、しかもへなへなの剣筋で。しっかり避けられる。そこに隠れていた1匹が出てくる。ルドルフは尻餅をつき、倒れる。今度はもう1匹が襲いかかる。しょうがないので石を投げ、牽制しておいた。流石に死ぬかもしれない。


「俺はいく。頼むぞ2人とも」

「ああ」

「ええ」


もう一方のルークスも剣を避けられて、体当たりをくらい、木にぶつかる。なんとか踏みとどまったが、再攻撃をくらい、苦しそうだ。


俺は2匹の前に出る。何とか、槍で相手の動きをいなし、時間を作る。多分倒せるが、ここでやると面倒だ。まだ、時間をかけさせたい。ルドルフは戦意をなくし、尻餅をついたまま動けない。


くそ、連携がいい。なかなか、強い。時間をかけさせる方が大変だ。1匹だけでも倒せば楽だが。


3分が経った。まだ、マークは来ない。しかし、キツイな1匹は倒すか?これは本当に1匹は倒さないとまずいか。しょうがない。1匹は倒す。少し隙を作って、来た。隠れていた方だ。こいつが意外にやりづらかった。気配を隠すのがうまく、結構困っていた。


流石に前のやつに集中しながらこいつの気配を探すのに苦労したし、疲れた。よし、飛び込んでいきた。ラッキーだ。


バカが、そこは俺の間だよ!


狼が一歩踏み込んだ瞬間に一気に切り上げる。やつの右足を切れた。これでやつは無力化できた。


「マルク、ごめん、遅れた」

「ああ、何とか怪我なく時間は稼げた。1匹は何とか無力化できた。後1匹を倒す。マーク、俺が隙を作るから一気に身体強化で頼む」


「わかった」

「行くよ」

俺は一気に突きを足元に一撃を入れる。これで足元の土が削られ、狼は一瞬足を取られる。隙ができた。マークが切りかかった。

マークの剣が狼の首に刺さった。狼が息を引き取った。


「ふう。何とかなったね」

「ああ。マルク、ありがとう」


「いや、こっちがだよ。マークのおかげで何とかなった。ルドルフは大丈夫だけど、ルークスは?」

「大丈夫、怪我したけど、レオナに回復薬をもらって回復したよ」


「そうか。ルドルフ、一度ここを離れる。用意しろ」

「ああ」

俺はもう1匹の狼にとどめを刺して殺す。そして2匹をバックに入れ、運ぶ。小型だから何とか入れられる。


レオナたちのところに行く。ルークスは大丈夫そうだ。まずは森を出よう。

「森を出よう。血の匂いで、他の魔獣が寄ってくるかもしれない」

「ああ。そうしよう」


「ちょっと待て、俺は活躍していない。お前たちがそれを言えば、ただじゃおかないぞ」

「何をするんだ?」

「あ?」


「言う必要がないが、お前に何ができるんだ?魔獣相手に何もできない者が何ができるんだ?」

「そうね。ガリシアン家でも何もできないわ。誰も相手にしていないわよ」

「う」

「まあ、いいや」


森の出口に来た。トーラス先生がいた。

「先生、小型狼が3匹群で襲いかかって来ましたが、何とか倒しました。ここに出していいですか?」

「ああ。すぐに商人が来る。それらが見聞して金を払う。それを受け取って終わりだ」


「あのもう少し、入ってもいいですか?」

「何を言っている。俺は入らないぞ」

「俺もだ」

ルドルフとルークスが拒否した。さっきのが怖かったんだな。


「私はいいわ。何もしてないもの」

「俺もせっかくの授業だ。もう少し頑張りたい」

「そうか。お前たちならいいだろう。3人でいいぞ」


ルークスが騒ぐ。

「おい、そいつらは俺たちを嵌めたんだ。そいつら森に放てば、他のやつに迷惑をかけるぞ」

「お前な。森の中にいる先生から聞いているぞ。お前らが勝手な行動をして迷惑をかけたところをこいつらが助けたんだろう?教師をなめるな。お前らぐらいの者らの言っていること、やる事ぐらいは見抜けるぞ」


「んあ?」

「お前らは不合格だ。マルクとレオナとマークは合格が決定だ」

「そんなことが許されるというのか!」


「ふん!ザンゲルドはさっき、この授業から外れた。あいつはダメだ。学院長から問題行為の指摘を受けていたところに今回のお前らのことがある。あいつは謹慎か退職かもな」

「そんな」


俺たちは、商人さんとお金の話をして、金をもらって森に入った。

「いい気味ね」

「まあどうでもいいけど。お金は三分割でいいかな」

「ああ。いいよ。それで」


「私は倒してないから悪いわ」

「いや、レオナは面倒な事をしたんだ。倒さなくてもチームのためになったら、分けるべきだよ」

「そう。じゃあもらうわ」


「じゃあ、マーク。今日は様子を見て、寝場所を探して、水場と食べ物を見つけておこう」

「そうだな。戦って怪我するより、その方がいい。時間は後3日はある」

1日は帰りに使う。早めに帰ることも大事だ。


そうして、少しして水場を見つけた。それから、南に行ったところに広い所があり、そこを寝る場所にして、食材を探す。食材は魔獣じゃない兎とキノコと木の実が取れた。


キノコと兎を水で煮て、香草を入れて、塩を入れて食べた。まぁまぁだった。レオナの料理だが、レオナの料理の腕が良かった。


「ふう。やっぱり疲れたね。ルドルフたちのフォローは大変だった」

「ああ。あいつらは口だけだな」

「ええ」


「そうならないように頑張らないとね」

「ああ、祖父もそうだったんだろう。貴族派になっても意味がないな」

「まあ、マークはそうならなかった。それでいいんじゃない。俺達は慢心しないことが大事だね」

「そうね。慢心しないことね」

「ああ」


この後も色々と話した。大変だが。いい話を聞けた。マークは祖父の元公爵からは見放されていたらしい。父親がお婿さんだからだ。しかし、貴族派はいい所がないな。


本日は昼の投稿が間に合わせられずにすみません。明日は時間通りに投稿します。

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