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入学試験 出会いと筆記

ここから学院編の始まりです。

あれから、半年以上が経ち、俺は11歳になり、半年後には、12歳になる。学院の試験は明日に迫っている。このひと月ほど、勉学が中心だ。王立学院に受かるには試験を突破するしかない。他の人々は、優秀なスキルがある。魔法を撃てる。それで受かる。試験内容が悪くても貴族は大抵いいスキルを持つから関係ない。


俺はスキルが優秀じゃないことになっている。それは父上から、

「マルク、お前のスキルも、魔法理論も、聖国に知られたら大問題となる。学院に入り、ある程度力をつけるまでは、黙っておくんだ。もし知られれば、お前を殺すために暗殺者が雇われたり、聖国がお前を渡せと言ってくる可能性がある。自分である程度守れるくらい強くなるまでは公言しないように」

と言われたからだ。


12歳を超えるまでは槍術を使えることはいいが、武闘オーラと魔法といったスキルについては沈黙を保つ必要がある。槍術も基本技を学んだ程度ということにしておく。もし俺の魔法やスキルに関する理論がもし世に出れば、一心不乱にその事を消そうとするだろう。そうなったら、確かに今のままではダメだ。


だが、これはかなり難しい。筆記だけで受かるとなると、点数はかなり取らないといけない。

学院の試験は、筆記が4割、実技が6割だ。しかも合格が決まっていて、受験するだけというものが大半だ。そうじゃない者は合格率10%だ。ゆえに、筆記と少しの槍術で入るのはかなりの困難だ。ただし、筆記の上位20名は実技が悪くても入れる。学術の特待生ということらしい。


そのために筆記は満点しかダメだ。かなり難しいことだが、レア先生に教えてもらってきたんだ。その後も兄上と必死に試験の対策はした。大丈夫だ。可能なはずだ。


明日は実力が発揮できなきゃダメだ。よし今日は寝よう。



朝になった。昨日はよく寝れた。疲れもない。

よし、頑張る。


「やあ、マルク、よく寝れたか」

「はい、兄上。兄上とした対策を生かして、合格を取ってきます」

「緊張しているな、レアも教えたんだ。大丈夫。マルク自信を持て」

「はい。兄上」


「マルク、早いわね。寝れたかしら」

「はい、母上」

「そう、これメルとエルカから、お守りよ」

「ありがとうございます。夜に、メル姉とエルカ姉様にはお礼を伝えておきます」

「そうね、それがいいわ」


「マルク、調子はどうだ?緊張していないか?」

「はい、大丈夫です。緊張はしていないと言えば嘘になりますが、兄上やレア先生に教えてもらったのです。これぐらいならやれます」


「そうか、頑張るんだぞ」

「はい、父上」

こうして朝食は終わり、試験に向け準備もできている。絶対に合格を取ってきてやる。


「マルク様、学院に向かう準備ができました。馬車が来ています。試験会場に向かいましょう」

「ああ、ゼル」

馬車に乗る。ゆっくりと息を吐く。


「マルク様、緊張しているならば、良い方法があります。口を尖らせ、その後笑います。こうすると顔の筋肉がほぐれ、頭に血が行きます。そうすると、緊張もほぐれます。試験会場でやると、変な目で見られるでしょうから、馬車の中で存分に行い、緊張をほぐしてください」

「ありがとう。ゼル」


「はい。それと会場で色々と言われるでしょうが、言ってきたものは喋る木だと思ってください」

「わかった」

俺はゼルに言われた方法で、緊張をほぐす。確かに顔の筋肉がほぐれ、緊張が解けていく。


そんな風に緊張をほぐすために表情を変えていたら、学院についた。

「マルク様、ここからはお一人で行ってもらいます。どうぞお気をつけてください。忘れ物のないよう」

「うん。ゼル、ありがとう」


受験番号を確認し、試験会場に行く。すると在校生だろう方が案内に立っている。あれは?


「こっちが試験会場です。受験生はこちらの階段を上がり、進んでください」

「ライル様、お久しぶりでございます」


「おう、マルクか。試験頑張ってね。まぁマルクなら大丈夫だよ。私よりできる」

「はい。ライル様。ありがとうございます。頑張ってきます」

「うん、じゃあね」


ライル様は、ルイン様の長男だ、俺とは従兄弟甥、従兄弟叔父になる。まぁ甥の方が年上だが。そんなライル様と離れ、会場に向かう。


「ここか、試験会場は」

「おい、邪魔だ。俺はガリシアン家四男のルイーズだぞ。入り口の前に立ち、邪魔をするな」

「ああ、申し訳ありません」

「ふん、どこぞの貴族の子息だろうが、何と礼儀知らずだ。無礼だ。この・・。」


一瞬、拳を振り上げたが、急に、止まったな。

「ガリシアン家の邪魔をするなど。しかも俺は優秀なスキルを持つ身だ。お前などとはこの国への必要さが違う。理解して、端を進め」


はあ、また、いたよ。このタイプの貴族子息が。しかもガリシアンだ。軍務大臣の子で、三家の一つだ。この国は大丈夫か?去年、あれだけ身分を傘にしたらよくないという例があったのに。しかも王族に。それでもこんなのがまだいるんだから貴族は業が深い。


「大丈夫?ガリシアン家に逆らったら、面倒よ」

「ありがとう。受験生だよね」

「そうよ。君も受かったらいいわね」

「ああ。君もね」


声をかけてくれた子と別れ、俺は席に向かう。

ここか、俺の席は。


ふう。大きく息をして。よし大丈夫。ゼルに教えられた緊張をとく方法がいい感じに効いている。十分に力を発揮できる。


「皆、これから試験用紙を配る。全員に試験用紙が行き渡るまで、用紙を裏返さぬよう。試験が始まったら、まずは名前を書き、それから試験を始めるように」


「よし、試験始め。皆、もう一度言う。名前を先に書け」

念入りに名前を書けと言うなぁ。前に書き忘れた人がいたのだろう。


よし、名前を書いてと、計算の内容は、やっぱり簡単だ。えーと。ザイル君は銅貨7枚を持ち、一つ50アルクのりんごと70アルクのみかんを二つ合計12個を買いました。さて、りんごは何個買えるでしょうか。銅貨は一つ100アルクだから、700アルクと。りんごは7個だ。簡単だ。計算は簡単だから、やっぱりいけるな。他のは・・・難しくない。

・・・・・。

よし計算は完璧、


次は言語だ。うんうん、これはレオは・・・・で、これを選ぶ。簡単だ。問題なく解けるな。他は、・・・・・。

よし言語も大丈夫だ。


次は地理だ。ここは魔族国家でランブル、ここは商業都市国家群、ここは有角族国家ラムオレで、ここはアルガレス帝国と、ここはエルフの里だ。

・・・・・。

よし地理も完璧だ。


あとは歴史だ。最後だ。うん。ああ。これはアルクード大帝国で起きた独立戦争だ。初代国王の名はレオナルク・ティン・アルクード様から王国独立後にアルサレス・ティン・レオナルク様になった。で2代目国王様はアルファレス・ティン・レオナルク。現陛下はラインバッハ・ティン・レオナルク様だ。そしてティンはアルクード大帝国の後継者という意味を残すためにつけたと。レア先生に習ったところだ。

よし、いいぞできる。完璧だ。もう少しでできる。

・・・・・・。

よし、できた。見直そう。


・・・・・。うん問題ない。終わった。


あれ、みんなまだやっている。うん時間はまだ、30分ほどがたったぐらいだ。それしか掛かってないのか。兄上の対策は難しすぎたのかな。本番はもっと簡単だっだ。こんなものなのか?


あ。あれは確か、さっきのガルシアン家の奴だ。何か難しそうな顔をしている。あ、諦めた。寝たよ。スキルで合格できるやつか?まぁ軍務大臣の子だしな。


あ。あっちはルイン様の子のルドルフだ。あれ、あいつも唸ってる。これって難しいのか?皆んなまだやってるな。あとは寝てる。多分、名前さえ書けばいいって奴らか?大丈夫か、この国?


「おい、そこの、キョロキョロするな。まだ終わっていないだろ?」

「いえ、終わりました」

「な、何?」


「見せてみろ」

「はい」

「・・・・・・う、わかった。これを前に出して、出て行っていいぞ」

「はい」


金銭の説明


レオナルク王国の貨幣は旧大国の物を使っている。

銅貨100枚=銀貨1枚 銀貨10枚=金貨1枚 金貨1000枚=王貨1枚となる。

銅貨の下には銭貨がある。


アルクにすると銭貨一枚が1アルク、銅貨一枚が100アルク 、銀貨1枚が10000アルクであり、金貨1枚が100000アルク。


日本と王国の貨幣価値の差は大体日本円が10分の1である。10アルクでパン一個が買える。

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