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獣人族国家 国都

そして、途中の村にて休憩しながら。国都に着いた。丸3日、馬車に揺られ、昼前に到着だった。ここが国都か。でかいな。あそこに見えるのが王宮かな。


そして俺は王宮の門で、マリアの招待状を見せる。また、警備の兵は招待状の匂いを嗅ぐ。彼らは鼻がいいため、招待状に残るガウラン族特有の匂いを嗅いでいるようだ。


そして俺は王宮の中に入れてもらい、案内されて、客間に入る。そして俺は王宮の客間で待っていると、従者が来て、謁見の間に案内される。俺は案内係に言われた獣人族の国王への挨拶の時のポーズをして待つ。


「陛下、御成〜」

「ふむ。皆、顔を上げよ」


皆が顔を上げる。獣人族国家では一度で顔を上げていいようだ。

「ふむ。マルク殿、お越しいただきありがとう。歓迎をする」

「はっ」


「ふむ。マルク殿は客人じゃ。しかも獣人族国家の恩人である。どうか姿勢を緩めてくれ。それと、マルク殿にこのような臣下の礼をさせたもの、あとで罰を与える。儂はマルク殿がいらっしゃる場合は主従のように扱うなと言ったであろう」

「はっ」


「ふむ。すまぬな、マルク殿」

「いえ、私は王国の貴族、このようなことは当たり前のこと。むしろ、陛下の御言葉や御歓迎が有難きこと、感謝を申し上げます」


「そうか。この後は儂の執務室にて話そう」

「はっ」


「陛下、どこぞの人族などを執務室に入れれば、陛下の身に何かが」

「おい、ガイザ。どういうことだ。儂らの友人である王国の、しかも獣人族国家ガウランの恩人をどこぞの人族?儂に何かをする?だと。失礼だ。身の程を知れ。お前ごときが出しゃばっていい場面ではない」


「な。私は王太子です」

「うん?お主を王太子と言ったことはないが?」


「な、王太子が決まっておらぬ以上、長子の私が王太子でしょう?」

「くだらん事をぬかすな?王太子は儀式を持って決める。マリアが帰ってきたら、儀式をする。それで勝てたら王太子にしてやる。ただ、先程の発言は許せぬ。お主は謹慎を申し付ける。出て行け」

「な!」


「連れて行け」

「「はっ」」


「すまない。マルク殿」

「いいえ。構いません」


「うむ。ではこれで歓迎の式を終わる」


「陛下、ご退場〜」

ガウル様が退場なされた。何故か睨んでいる人が数名いる。さっきの王子の派閥か?


そして俺はガウル陛下の執務室に案内される。

「マルク殿、昼飯はまだであろう。こちらで用意した。存分に楽しんでくれ」

「はっ」


机には料理が並ぶ。面白い料理が多い。なんかパンみたいだが、違う平べったいパン、前世でもの記憶ではナンとかいう物に似ている。食べたことないから知らないが。さらにカレーのようなスープ。そして肉だ。肉が多い。さすが虎族の獣人族であるガウラン族の長であるガウル陛下だ。


「マルク殿にお会いしたのは3年前になるか?マリアも今年で学院の3年だ。時が経つのは早い」

「ええ、こちらに来るのが遅くなり、申し訳ありません」


「いいや。来てくれただけで十分だ。それに王国も色々とあった。しょうがないことだろう」

「ありがたきお言葉」


「ああ、それで今回は何故来たのだ?」

「はい。ガウル陛下への挨拶と魔闘の本場を見たいと思いまして。武闘会があると」


「ああ、2ヶ月後だ。マリアが来月に戻って来る。その時に王太子を決める武闘会と、国の最強を決める武闘会を行う。両者の勝者がそれぞれ、王太子と騎士団長になる」

「そうですか。是非見たいですね」

「ふむ。出てみるか?」


「いいえ。大事な儀式に外の者が出れば問題です。是非、最強の者と戦ってみたいですが」

「ははは。そうか。それは面白そうだ。大会後にやってみよう」

「はっ」


「それとさっきはすまぬな」

「いえ、色々とありましょう?」


「ああ、最近なハーフを認めるよう改革をしているが、それを気に入らぬ者らがいてな。それらにさっきのバカ息子が担がれておってな」

「そうですか。ハーフを。それは素晴らしいことです。まあ、改革は認めぬ者もいましょう」

「ああ、そうだ。なかなかな」


「ですが、ご英断はきっと数百年後に評価なされる時が来ましょう」

「そうか。マルク殿に言われると嬉しいの」

「はあ。私でなくてもきっとそう皆が言われます」


「そうか。これもマルク殿のおかげだ。マルク殿がしてくれたことのおかげで、人族への嫌悪感が減った。この前の有角族国家での戦いでも多くの者が友人となった。これは獣人族国家の改革を促してくれる」

リリアがこの国にこれる日も近いかもしれない。


そして昼食を食べながら、他の話をして楽しんだ。

「では、陛下。これで失礼します」

「ああ、また、ご飯を食べながら話そう」

「はい」

こうして、俺は王宮を後にして、宿に泊まる。陛下が最高の宿を取ってくれた。王宮に止まることを勧めてくれたが、さすがにそれは良くないので、宿を取ってもらった。


翌日


俺は国都レオナルクガウランを見て回る。この国は王国より暖かい。王国の西側だが、気候は暖かく、王国との間にデカイ山脈がある。そこの手前で雨雲ができるため、この国は雨が多い。特に多い季節を雨季という。それ故に、腐りにくくするためにも香辛料が多く、辛い料理や香り高い料理が多い。一番多いのは肉に香辛料を塗った料理と辛いスープだ。


香辛料の匂いが立つ道を進む。誰かがついて来る。ああ、昨日の王子の派閥の連中だろう。もしくは、そいつらに頼まれた暗殺者あたりだろうな。


俺も強くなった。こんな連中に追跡されるほど甘くはないし、戦えば負けない。とは言え、面倒だ。撒こう。俺は路地に入り、そして壁を登り、建物の上に行く。奴らは俺はいなくなったのを見て、焦っている。


俺は奴らがいなくなったのを見て、下に降りる。そして、また街を見て行く。いい匂いだ。入ってみよう。ああ、いい匂い。スープとお肉、そしてご飯だ。ご飯がある。これにスープをかけて食べるようだ。ああ、カレーだよ。病院で食べた時は感動したのを覚えている。あまり食べれなかったカレーがこの世界で。ああ違う。俺はマルクだ。忘れちゃダメだ。


そしてカレーもどきを食べ、そして今度は武器を見る。拳闘が多いから、グローブのような物が多い。マリアも使っていた。これで殴り合うのか。すごいなぁ。他にも色々な物を見て、それから冒険者協会に来た。移動願いを出すと、受付は騒ぎになった。まあ、人族だしね。


「あの〜。マルク様ですか。握手をしていただいても?」

「はぁぁ。そうですね。いいですよ」

「きゃ〜」

喜んでいるのか?なんだか変だ。冒険者協会でも人気があるのか?


「おい、おめえはなんだ?マルク?人族が偉そうに」


あ、テンプレ。

「いえ、偉そうにしてませんが。移動願いを出しただけです」

「あん?てめえ、生意気だな。俺はCランクだぞ」

「はぁぁ。俺はAランクだが」


「な、な。王国の冒険者が弱えんだろ」

「じゃあ、訓練場に行きますか?試してみましょうか?」


そして、訓練場で絡んで来た奴を倒した。楽勝だ。これでもAランクだし、師匠と戦って来た。それに魔獣をたくさん倒して来た。


「で、ええと。何さんでしたっけ?」

「いや、あの、すみませんでした」


「まあ、人族に思うところがあるのでしょう。それを否定もしませんし、それを許せとも言いません。でもね。関係ない人に逆恨みして絡むのは違うでしょう?」

「はい」


「人族に何をされたの?」

「いえ、俺は何も。ただ人族がモテるのが許せなくて」


「そうか。嫌いな人族がモテて、嫉妬したと。何故、自分を変えないのかな?」

「ええっと」


「自分を変えて、モテるようにすればいいんじゃない?」

「はい」


「そうだよね。じゃあ、もういいかな?」

「はい」


そして、俺は冒険者協会にある依頼書を見てみる。レオナルク王国の王都よりはすごいな。うん。牛の魔獣は見たことない。トカゲも。そして、国都より南の未開地域の近くにはもっと強い魔獣がいるらしい。そっちに行くかな。俺はそんなことを考えて、依頼書を見ていた。


俺は協会の会館を出て、宿に戻った。宿ではのんびりして、中庭で訓練して夕食を食べて寝た。


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