仲間ですから
数日後
さらに人数が増えて140名が仮入部届を出してきた。すごい数だ。今日から免除試験が始まる。それが終われば、部員の様子を見て、入部者を決める。
俺は教養科目の全ての免除試験を受ける。これに受かれば、あとは実技一科目、専門が3科目だ。もう授業はほぼない。よし頑張ろう。
俺は朝から訓練をして、学院に行く。門前は今日も人が多い。それを抜けると、
「よお、マルク」
「カリウス先輩」
「もういいんですか?」
「ああ、帝国と聖国の諜報連中と彼奴は捕まったぞ。これで自由だ。とりあえずは今日免除試験を合格しないと卒業がまずいからな」
「あぁ。去年休みましたものね」
「ああ、学院長が特例で三年に進ませてくれたが、教養一科目と専門がな。実技はトーラス先生がうまくごまかしてくれたからいいが。これもガルド様のおかげだ」
「そうですか。じゃあ今日は重要ですね」
「ああ、進学はしないと決めているからな。領地は他の者に預けるし、姉貴の進学は決まっているからな。やっと姉貴の洗脳も解けたよ」
「そうですか。サリー先輩が。良かった」
「姉貴も記憶を辿ると、マルクに酷いことを言ったって、申し訳なさそうだから、今度、ミリア先輩とマルクに謝る時間を取ってもらいたいんだ」
「わかりました.」
「ああ。頼むな」
「進学しないでどうなさるのですか?」
「ああ、ガルド様の元で諜報をするさ」
「そうですか。家業は継ぐのですね」
「ああ」
「それならいいですね。大変な仕事ですが、頑張ってください。あと部活には名前を入れておきましたので、来てください」
「おい、いいのか」
「先日、入りに来たのでは?」
「はは、こいつは一本取られた。お前はいいやつだな。マルク」
「みんなが心配するからですよ」
「ああ」
こうして教室に行く。
「「「「マルク、おはよう」」」」
「マルク、おはようございます」
「マルク、おはよう。いいことがあったのかしら?」
「おはよう、アレス、マーク、ヨークス、レオナ、ルーナ、ルーイ。いいことがあったんだよ。レオナ」
全員何とかAクラスになった。ルーイはギリギリ十番目の最後に滑り込んだ。
このクラスのほとんどが実践戦闘研究会だ。
「そう、何があったの?」
「ああ、カリウス先輩が戻って来たし、サリー先輩も洗脳が解けて、今度会ってくれるって」
「そう」
「良かったです」
「カリウス先輩に何があったの?」
「ああ、後でカリウス先輩から直接話をしてもらうよ」
「そう、じゃあ今日かしら」
「ああ」
「じゃあ、先に試験を頑張らなくっやね」
「ああ」
「はい、席についてください。今日は免除試験です。頑張ってください」
「「「「「はい」」」」
「では出席を取ります・・・」
担任はレア先生ではなくなった。違う先生だ。
「はい、全員いますね。では試験頑張るように」
「「「はい」」」
このクラスは基本できるクラスなので、免除試験を受けることが当たり前だ。
そして、免除試験、2年以降は三科目のため、1日で終わる。この三科目の単位が取れない者は留年となる。3年生はカリウス先輩のみ、2年生は多い。俺はかなり早く終わった。多分、楽勝だ。
こうして放課後になる。
「では、新入生の皆さん、今日から1週間は仮入部です。上手く部活をやっていけるかを見ます。できそうにない人はお帰りいただきます。では部活を始めます」
今日は素振りや基礎をやる。
シグルソン教官は火と土の曜日に変わった。先生の予定に合わせた。そして、母上の講義はなくなり、ルーナと俺が魔法理論を教えるのが水の日で、ロドリス先生の講義は木の日になり、今年は光の日も訓練することになり、模擬戦と基礎練だ。ここに、ゼルが講師に来てくれる。
ただし、今週は新入生がいる時間は、先生方はなし、新入生は決まってからになる。とそんなことを考えながら素振りを教えていると、
「おい、俺のスキルはすごいんだ。お前が近づくな」
「はあ」
ああ、出た。貴族だろうな。毎回こういう子がいるな。
「君、これ以上迷惑をかけるなら入部は許可できないよ」
「そうだろ。こいつを」
「いや、君だ。今話した」
「俺がか?」
「ああ。そうだ」
「お前ごときが偉そうに」
「偉いかは微妙だけど。部長だよ」
「うるさい。俺と勝負しろ。俺が勝てば俺が部長だ。この部の名誉は俺がいただく」
「部長だから、名誉があるんじゃないけど。いいよ。すぐに終わらせて、君は退部だ」
と模擬戦をする。一瞬で終わらせて外に連れて行く。もちろん怪我させてない。
「はい、もう来ないでね。みんなは続けて」
「「「はい」」」
とそんなやり取り後に同様のものが十数人が出て行った。これで100名ちょっとだ。これで今日の活動は終わった。
一年生が帰った後、2、3年生は残った。カリウス先輩を囲んで。
「で、何があった?マルクは色々とあり、国家の機密もあると言っていたからな」
「ああ、マルクありがとうな。実は・・・・」
・・・
・・・
カリウス先輩が説明を終えた。
「そうか。それは大変だったな」
「ああ、悪いな。話がデカすぎて、みんなを巻き込む訳にいかなかった」
「大丈夫だよ。昨日、ルドルフの件で話は父上から聞いたよ。大変だったね」
「ありがとう、ライル」
「いいよ」
「リオル、ミリア先輩に姉貴が謝りたいから時間を取ってくれと伝えてくれ」
「ああ、わかった」
「ルーナ、お前にも謝りたいんだと。頼むな」
「はい。わかりました」
「ありがとう」
「それで、今日から学院に戻れるんだな?」
「ああ、今日から一年間、頼むわ。特に単位を落とせねえ、ライル、リオル、クリス頼む。ジンダとジュライとラックス、ルックスはいいから何もするな。いつも通り楽しくいこうぜ」
「「「「おい」」」」
「「「ああ」」」
カリウス先輩が戻って来た。上の学年のムードメーカーだ。これで部活も面白くなる。そのあとは解散して、家路につく。夕食時に父上とカリウス先輩のことを少し話して、眠りについた。




