幕間2 カティアの調書
本編からカットしたエピソードその2
はい、ノウムオーパス学園です。ご存じの通りデケンベルの底辺学校ですよ。
はい、そこの2回生、魔導科のカティアです。
16歳です。
はい、出身はグルースミル。
ナゼあそこに居たかって?
前日の夜、フルークに呼ばれて……。
どう言う場所かは、何となく気づいていました。
フルーク……。はい、知っています。
フルークが、そう言う事をしていたのも分かっていました。
それで……それで! うぁ…………!
……ぁ、だ、だ大丈夫。
……はい、大丈夫です。もう平気です。
フルークの所には、元々はパーカーに連れられて行ったのが最初でした。
パーカーは同郷で……。え? パーカーも手配中? 行方が分かっていないんですか……。そうですか。
ええ、分かってます。パーカーも碌な事はしていませんから……。
学校で……学年で、何人か行方不明になってる女の子が居るんです。
それ全部パーカーが口説いてた子で……。
はい? あたしですか?
付き合ってません。あたし彼女じゃ無いんで。
大体パーカーの好みは大人し目な子なんで、あたしとは真逆です。
カレンにも……同郷の後輩ですけど。ソイツにも気があって手を出そうとしてたけど、レイリーが怖いんで手は出さずじまいでしたね。
……あれ? でもカレンって初めて会った頃は、もっとずっと強気の子だったような……?
あれ? どうしてだろう……?
……え? あ、すいません。
それで、デケンベルに来てからは片っぱしから手を出して、靡かない子は……。ちょっと碌な事にはなってないと思いますよ。
知ってたのかって? いえ、何をやっていたかまでは知りませんよ。
でも、女の子が居なくなったタイミングでアイツ金回りが良くなるんです。フルークと繋がっているのは知っていましたし、アイツの性格も併せれば「ああ、そういう事なんだろうな」と、察する事は出来ました。
多分、調べれば埃は色々出ると思いますよ。
……あたしも何か罪になるんですか?
え? あたしは被害者だから気にする必要は無い?
これは取調べじゃない? 事情聴取? ……そうなんですね。
まあ、そんな事も知った上で、懐が暖かい時のアイツには、散々たかってましたけどね……。
そうですか、パーカーは行方不明……。
……そういう事なんでしょ?
あんな連中の仲間でいて行方不明って、そういう事ですよね?
え? どうなんでしょ……。多少の情はあったのかもですね。今となっては分かりません。
あたしも、碌でも無い人間の自覚はありますから。
端から見れば同類でしょ?
ツルんでいたのは間違いありませんし……。
それよりも、あたしを助けてくれた人って……。
え? わからない? 管轄が違う?
そうですか……。
顔ですか?
いえ、覚えていないです。よく見えませんでしたし。
ただ、光が……。あったかい光と、優しい気配だけは覚えているんです。
地獄みたいな状態から救われた事は確かで……。
だからせめてお礼だけでも言いたかったんです。
そうですか……わからないんですね。
もし、何処のどなたか分かったら、あたしが感謝していたと伝えてほしいです。
はい、お願いします。
これからは、少しはまともに勉強して行こうと思ってるんです。
所詮は底辺校ですけどね……。
せめて魔法技能は取りたいので。
そして、出来れば神殿関係に進みたいので……。
これでも一応『無』の属性持ちなんですよ。
見えませんか? ……そうですよね。
でも、今までやって来た事への、罪滅ぼしってワケでも無いですけど……。
せめて……ですかね?
少しくらいは、誰かの役に立っても良いんじゃ無いか……って、思うようになっちゃって。
……今さらなんですけどね。
はい、ありがとう御座います。
……ええ、頑張ってみます。
お読み頂き、ありがとうございます。
誤字脱字のご指摘、ありがとうございます!
ブクマ、ご評価もありがとうございます!いつも励みになっております!!
如何にパーカーがクズなのかを説明するため、差し込む予定だったお話。
なんか、良い話っぽくなってしまった……かな?
コミカライズ版も好評連載中でございます。
https://gammaplus.takeshobo.co.jp/manga/onna_heiwanasyomin/
コミックス第1巻 5月7日発売予定でございます!
何卒よしなに!





