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未来を知った武田勝頼は何を思う  作者: Kくぼ


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方針転換

 参った。勝頼は足利義昭を担ぎ上げたくなくなってしまいました。ただ、そうなると何のために上洛するのかということになります。信玄の考えである京の都に武田の旗を掲げる、これは別に足利将軍を支える旗でなくてもいいのです。信玄は武田幕府を作る、と言いました。ならば義昭をどう使うかをもう一度考え直せばいいのです。所詮この男は目的達成のためのステップに過ぎません。


 徳の歌、新曲でしょうか?あなたは守ってくれますか?守ってやろうじゃないの!任せとけ!


 脳内で色々な事が高速回転しています。作戦変更です。あんなに念入りに色々なパターンを考えてきたのに想定外です。ですが、早めにわかったのですから結果オーライでしょう。また徳に助けられました。本当に女神様ですね。



 さてどうするか?浅井長政は出陣中、朝倉義景は越前に居座ってが朝倉の忍びがこの辺りにはうろちょろしいます。織田は浅井と六角攻めの最中、そんなに長引かずに戻ってくることでしょう。浅井長政が無事で戻ってくるかはわかりませんが。勝頼達のいく方向ですが、このまま飛騨から信濃へ抜ければ義昭を連れて帰る事は出来そうです。逆に織田の方向に行くとなると勝頼の手勢だけでは無理だから浅井家の護衛がいります。一番いいのは浅井が義昭を見つけたことにして織田に届ける、かな?今の課題は目の前にいる義昭をどうするかです。対応を間違うと面倒な事になります。勝頼は義昭に向かって話し始めます。


「上様、先程上様は武田の領地が遠くいざという時に頼りにならないとおっしゃいました。武田が上洛した場合、山城、摂津、河内を制圧し代官を置きましょう。それでも頼りにはなりませんか?」


 義昭は考えています。困ったら十兵衛、今まではそうしてきました。世間知らずに義昭に正しい状況判断は難しいのです。それなので暴走が起きていました。


「十兵衛、どう思う?」


 結局また十兵衛に判断を仰ぎます。その明智十兵衛ですが、最初は織田へ行くつもりでした。ところが義昭の横槍で浅井を頼った事で織田に行き難くなってしまいました。浅井はあてにならないことはわかっていました。この隠れ家を用意してくれただけで十分です。そこに現れたのが伊那勝頼です。十兵衛はこういう第三者的な変化を待っていました。次の行動に出るキッカケとして。ただ、この勝頼という男がどれだけ頼りになるのかがわかりません。賢いし魅力的な男なのはわかります。ただ、今回は天下の将軍の生き様を決める大変な決断なのです。明智は腕組みをして悩んでいます。





 明智十兵衛光秀、美濃の国衆の出です。元々は美濃の守護である土岐家に仕えていました。それが斎藤道三によって土岐家が力を失っていき、必然と斎藤家に仕えるようになります。十兵衛は頭の良さを斎藤道三に買われて各地への伝令役を勤めていた関係で、諸大名や公家にも顔が効くようになりました。

 斎藤道三の娘、濃姫が織田信長に嫁ぐ時も付き添いで同行しており、その関係から道三と濃姫の連絡係として、美濃と尾張を行き来するようになりました。


 当然、織田信長に会うこともあり、信長も十兵衛を面白い男と認識しています。家臣でない者の意見は参考になる事が多かったのです。道三が龍興と争いになった時には道三側に付いたのですが敗北し、美濃を追われました。その時に頼ったのが朝倉義景です。朝倉の庇護の元、貧しいながらもなんとか生活をつなぎます。義昭の兄、13代将軍の義輝とも面識があった事から、何度か京へ呼び出される事もあり、諸国の情勢は絶えず掴んでいました。いつか家族にも楽をさせてやりたいと思っていて機会を待っていたのです。


 そして足利義輝が三好三人衆、松永弾正の手にかかり殺される事件が起きます。その後、寺にいた覚慶という者が名を義秋と変えて後を継ごうとしたのです。そうなっては面白くない三好は義秋を殺そうとし、各地転々とした後、十兵衛の活躍で朝倉家に身を置く事になったのです。


 義秋は義昭と改名しました。越前に来てからというもの、義昭は十兵衛を頼っていました。それだけ便利で役に立つ男なのですが、そうは言っても浪人のような十兵衛に出来ることは限られています。



 十兵衛はまだ悩んでいます。十兵衛の情報には武田信玄はあっても伊那勝頼はかろうじて名前だけ聞いた事がある程度でした。ただ、武田信玄の子で跡取り候補です。

 織田信長には、義昭が織田を頼りたいといっているのでよしなに、という連絡をしてあり織田を蹴って武田についていくのにもリスクがあります。武田が織田を滅ぼすだけの力を持っているのなら安心なのですが、十兵衛は信玄にあった事がないのです。話に聞いた武田信玄でしかありません。


「上様、考えがまとまりました。浅井長政が戻り次第、一緒に織田信長の元へ進みましょう」


 そう十兵衛が言い切った時、外が騒がしくなりました。誰かが来て言い争っているようです。


「私は浅井長政の妻、市です。至急、上様にご面談をお願いしたい」


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