表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
未来を知った武田勝頼は何を思う  作者: Kくぼ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

83/471

諏訪原城

 永禄11年になりました。勝頼は諏訪原城へ来ています。途中、大崩に完成した造船所に寄って様子を見てきましたが順調に量産体制に入れそうです。諏訪湖で実験した数々の模型達、世に出るのも遠くないでしょう。


 諏訪原城へ来たのは実験です。今日は三雄との定例会です。いつもは諏訪大社で行なっていたのですが、三雄の家は諏訪原城跡の近くだそうでそこにも小さいながら諏訪神社があるそうなのです。勝頼が諏訪原城に諏訪神社を建てたのはそういう事です。ここで話ができれば三雄の負担にはなりません。勝頼が駿河にくる口実にもなります。


「勝頼?いるか?」


「ここでも繋がりましたね。一体どういう原理なのでしょうか?」


「わからないけど、こういうオカルト的なやつは信じると意外と叶うんだよ」


「??、よくわかりませんが繋がって良かったです」


「俺ももう50過ぎたしな、そっちの時代だと死んでもいい歳だろう?まだまだ元気現役だけど毎月諏訪まで行くのが段々とキツくなってきてな。もしかしたらと思ってやってみたかったんだが上手くいってホッとしたよ。この諏訪原城跡、あっ、そっちは城があるんだよな。新府城に作りが似てる気がする、新府城の方が大きいけど」


「新府城というのは例のあれですね。作りませんよ、そこに城を作るようでは武田がダメになるのはわかります」


「作るなら駿府城、武田幕府として恥じない立派な城だな。で、上杉へは行ったのか?」


「はい。謙信に会ってきました」


「じゃあいよいよだな。ちょっと気になることがあるんだが」


「なんです?」


「盛信はどうしてる?」


 仁科五郎盛信は織田信長の養女、雪を娶りましたが雪は現在妊娠中です。盛信は側室も持たず、雪を溺愛しています。雪のせいか織田びいきなのです。


「特に変わった事はありませんが」


「そうか、取り越し苦労ならいいんだけどな?こっちとは歴史が所々違うし、一応気にかけておいてくれ」


「わかりました。そういえば恵子さんとはどうですか?」


 三雄は恵子と別れた後も連絡は取っている。最近は静岡社会調査大学の教授にまでなっています。相変わらずの真田信之大好き人間だそうです。


「まあ、元カノってところかな?なんか最近怪しいんだよ、こっそり何か企んでるような」


「真田信之って源三郎ですよね。すくすくと育っていますよ。そのうちに人質に出されるでしょうけど、目が届くようにしますので安心してください」


「そういえば俺の時代でもなんで長男が源三郎で次男が源二郎なのかは解決していないんだけど、あの話はマジなの?」


「父親の喜兵衛本人から聞きましたので。でもそちらの歴史では徳は出てこないのでしょう?豚を探しに行って出会った田舎娘がなんでって今でも思いますが、あれは役に立ちます。なんて言いますか、そちらの言葉で言えばムードメーカーですかね?」


「横文字も使うようになったのか、大したもんだ」


「徳がよく使うのですよ。本当にあれはいい拾い物です」


「大事にしてやれよ、徳さんとは子供は?」


「それが不思議と出来なくて。あ、彩と華名が男子を出産しました。彩の方が先だったので格好がつきました」


 長男は信勝、次男は信平と名をつけました。長男は戦に勝ち、次男はそれを平和にするという意味で勝頼が信玄と相談して決めた名前です。


「源三郎がなんで長男の名前かで言われているのが、今の勝頼と同じようにほぼ同時に産まれた説がある。源二郎の方が先に産まれたんじゃないかってな?」


「それはありません。源三郎の後に源二郎が産まれたのには間違いありません」


「そうか。恵子に教えてやろうっと。絶対、ちがーーーーーうって言うけどな」




 話は弾み、勝頼が越後へ行った時の話になりました。


「で、謙信とはどうだったんだ。うまくいったのか?」


「はい。上杉、北条、武田の三国同盟を結ぶことになりました。これにより東北へ兵を出す事になりますが、上杉と組んで織田を攻める事ができます」


 勝頼が考えていたのは信玄を上洛させ、幕府を開くのに誰が邪魔か、でした。結論は織田です。織田信長、豊臣秀吉、徳川家康、この3人が三雄の時代では天下人でした。成り代わるのにはこの3人がいなければいいのです。この3人は武田から見て西にいます。西を攻めるには東からの恐怖をなくさなければいけません。しかも、その西へ出るのに最大敵とも言える上杉と北条は同盟を結んでしまいました。北条氏康の子供を養子に出して上杉を乗っ取る気満々の北条氏康と、そんな事は百も承知で北条をいいようにあしらってから別の養子に跡をつがせる気の上杉謙信、両方とも手強い相手です。


 勝頼は西へ出るためにこの両者と同盟を結ぶことを信玄に提案しました。武田幕府を開くためにです。当然、その野望は先日勝頼の部屋にいたものしか知りません。その情報は今は漏らすわけにはいかないのです。


 北条とはすでに氏政に勝頼の姉が嫁いでいて、この間も贈り物を届けてきたのでお礼にソーセージを贈ったらもっと寄越せと大騒ぎです。氏政に食べさせたらしく、急に夫婦仲が良くなったとか。


 問題は上杉です。信玄の宿敵とも言える相手、勝頼は敵地へ乗り込んだのです。武藤喜兵衛を連れて。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ