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未来を知った武田勝頼は何を思う  作者: Kくぼ


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敵の正体

 内藤修理は上杉景勝が作っている砦を訪れている。


「上杉様、お会いするのは初めてでございますな。上野をお屋形様よりお預かりしております内藤昌豊でござる」


「修理殿。謙信公よりよくお名前を聞かせていただいていた。武田四天王の修理殿に会えるのを嬉しく思う」


「武田四天王とは懐かしい呼ばれ方でございますな。この世におらぬ者もおりますし生きている者も皆、三途の川に片足浸かってるような物です。この戦国では過去の栄光などなんの価値もありません。謙信公には色々とお世話になりましたが、今はお仲間、心強い限り。で、早速ですが」


 内藤は景勝に武田式築城法を伝授すべく、ああしろこうしろと言いまくって話し続ける。景勝も面白いのか一緒に砦の侵入口に向かい意見を交換する。そして


「上杉様。お屋形様をお願い申し上げます。ここにくる兵は某が命に変えて減らします。上野は嫡男に譲りますので今後ともよしなに。では」


 と、言いたい事だけ言って出陣して行った。そして上杉を見張っている清正の兵を避けて山に入って行った。見張りで残っていた清正の兵はすぐに使いを飛ばしたが指示が届く前に内藤軍は山間に消えて行った。信勝は内藤に丹波の国衆を道案内に付けていたのです。あっという間に目的地へ到着します。


 景勝は砦侵入口の改修に入りました。堀が作ってあったのですが内藤修理が授けた武田式の丸馬出を作り始めました。


「棺桶ではなく三途の川か。過去の栄光などとはいうが、内藤修理が来ているとなれば敵も驚くだろう。武将の名声にはそれだけの価値がある。しかし丸馬出か。話には聞いていたが防御に長けている造りだ」


 景勝はさてどうなるかと砦内に戻りました。読み通りならば出番は回ってきます。





 そして八上城の見張り台で敵の動きを見張っている信平だが、ため息をつきながら下へ降りた。下には朽木、波多野、井伊、凱が待っていた。


「殿、どうされました?」


 信平がため息を吐くのは珍しい。井伊直政はつい聞いてしまった。


「お前はいつも余計なことしか言わんな。朽木殿、どう思う?」


 信平は直政を無視して朽木元綱に聞いた。ここには朽木の兵も五百だが増強されている。


「我らが出てくるのを待っていると思います。前回の戦の情報が漏れていると考えるべきだと」


「ふむ。直政、お前何名か逃したろ。そいつらが敵に合流してこちらの手の内を伝えたのだろう」


 そう言ってお前が悪いとばかりに強めに言うと直政は、


「あの時はあれが最前でござった。過ぎた事を申すよりこれからです。黙って見過ごされるおつもりか?」


「急にまともな事を言うようになったではないか。幸村と行動を共にしていた意味があったな」


「ゆ、幸村!彼奴は関係ござらん」


 顔が赤くなった。まるで赤鬼だ。信平はこいつと遊んでいる暇はないと改めて軍議に入った。見過ごす、それもありだ。


「凱、敵の大将に探りを」


 凱は頷いて城を出ていき一刻後戻ってきた。その間、朽木も波多野も慌ただしく動いていたが直政は目を瞑って動いていない。




「信平様、敵の大将は黒田官兵衛。秀吉の懐刀と言われていた男でした」


 信平は驚いた。そういえば最近名前が聞こえてきていないが秀吉がここまで素早く大きくなった立役者と聞いていた。


「そうか」


 手強いな。こちらがどう動くかも読まれていると思った方がいいし、この城を攻めてくる事はないだろう。といって追いかければ返り討ちに合うのは目に見えている。


「波多野殿。この先はどうなっている?」


 信平は自分で亀山城からここまで来ているから大体の事はわかっているが念のため地侍に聞いた。波多野はそれをわかっていて答える。


「上様ご滞在の亀山までは街道沿いに沢山の城がありますが城とは名ばかりで50名ほどしかいない砦が点在しています。国衆や村主が治めており武器も十分ではありません。今の所防備を強固にして動かないように指示をしております」


「凱、黒田官兵衛はどこまで進んでいる?」


「はい。ゆっくりとこちらの動きを監視しているように井ノ上の辺りを進んでおります」


 凱は地図を見せながら説明した。朽木が、


「こちらから攻めるにはいい場所に見えまする。街道の周囲を我らの城が囲っていて袋の鼠に見えますが、罠でしょうか?」


 と冷静にコメントすると波多野は、


「敵に丹波の者がいればここには留まりません。勢力差があるとはいえこちらを舐めているのでは」


 直政は黙っている。信平は、


「凱、亀山に使者を。波多野殿、各砦にいる連中がこの間のお主達のようにこちらが思うように動けば勝機はある。だが、これだけ点在した場所で俺の事を知らない連中が思い通りに動く事はない。包囲網は一箇所が崩れれば包囲網ではなくなる」


「はっ」


「だがな、黒田官兵衛はこちらが動かなければ砦を攻めるはずだ。お前は自分の兵を見捨てるのか、と俺を精神的に攻めてくる」


 直政は目を開いた。そして、


「兵を見捨てるなどありえん。ここで丹波の民を見捨てるようでは統治はできん」


 と偉そうに言う。


「直政、その通りだ。出るぞ、陽動にもなる」


 この二万をここで食い止めれば亀山の戦が楽になる。兄貴と弟がいれば武田は安泰だ。罠だろうがなんだろうがここは引けない。



 そして現代では諏訪三雄が息を引き取っていた。



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