表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
未来を知った武田勝頼は何を思う  作者: Kくぼ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

455/471

森田の逆襲

 少し遡ります。


 井伊直政は勝鬨を上げた後、これからどうするか考えました。深く考えず勢いで声を上げていたのです。勝鬨をここで上げれば何かが起きるだろうと上の方で勝鬨が聞こえたのでついなんとなくってやつです。後からそんな話をすればまたあの幸村に笑われてしまいます。


「い、いかん。それはいかん」


「井伊様、どうされました?」


 波多野宗貞が直政が慌てているので何があったのかと聞いた。連れてきた小野紋一も直政を見ている。小野は丹波の国衆でここに三百の兵を連れてきていた。小野は丹波を纏め上げる様に信勝に言われ、波多野の寄木となっている。生き残るための手段ではあるが長い戦国ももうじき終わりを告げる気がしている。武田信勝に会ってそう感じたのだ。その時自分は何処にいるべきか、それが決まったのだ。さて、どうされたかと聞かれたら直政は無言で誤魔化す事にした。今は幸村の事を気にしている場合ではない。大事なのは敵の動きだ。あの勝鬨は殿だろう。どうやって勝ったのかはとりあえず置いといて、となれば敵は下に逃げてくる。


 その後は森田達、死んだ森村の配下達が降りてきて寝返ったのでこちらに味方する兵を集めた。集まったのはなんと三百名もいた。これだけ人が集まると目立ってしまう。万が一を考えて東側へ移動し城への山道が見えないところまで移動して水と食料を与えて小休止させた。


「波多野殿、こちらはこれで九百ほどの兵力となった。森田をどう思う?」


「森村殿とは長年敵対しておりましたゆえ、複雑な気持ちでございます。ですが、上様に直接お会いして丹波を治めるには敵対していた国衆を味方にするか滅ぼすかの二択しかない事、そしてそれを悩む時間は不要な事がわかりました」


「そうか。では森田は任せる。小野もそれでいいな?」


 小野は頷いた。小野もつい先日まで武田に敵対していたのだが、これから丹波を治める国衆は皆、死ぬか味方になるかどちらかだ。波多野は森田を呼んで小野と面通りをさせ、配置を決めた。



 城への山道を監視させていた物見が戻ってきた。敵と思われる二百程の一団が山を降りてくるという。直政は見つからないように隠れた。二百の兵というのはどういう意味なのか?少な過ぎるのだ。


 敵は直政がさっきまでいた敵の荷駄があったところに集合してからこちらへ向かってきた。しかも二百の中に小早川秀秋がいるのではないかという。直政はなんでこういう事になっているのかさっぱりわからなかった。小早川秀秋なら大軍の後ろから真ん中辺りの安全な場所にいるのが普通だと考えた。そしてでた結論は、


「波多野殿、影武者ではないのか?」


「わかりませぬ。ですが可能性はあります。こちらへ向かって来ますが、仕掛けますか?」


「他に敵の姿がない。ならばこちらの方が兵は多い。波多野殿、森田を使い不意を突いて仕掛けさせよ」


 すると指示を聞いた森田が直政のところへ来て、


「井伊様、あれは影武者ではござらん。小早川秀秋、本人です。捕らえますか?」


森田は小早川秀秋がどういう男か、身に沁みてわかっている。自分だけ逃げて来たに決まっているし影武者は軍にはいなかった。絶対に本人だ。ならば俺の存在価値を出す時だ。


 えっと本人なの?なんでそうなるの?直政には理解できない行動であった。だが、さっきまで敵陣営にいた男が言うのだから間違いないであろう。それならば捕らえた方がいいよね。


「そうか、お前は向こうにいたのであったな。詳しく話を聞きたいが時間がない。可能ならば捕らえよ」


 直政は威厳を持って指示した。


「はっ」






 小早川秀秋は護衛兵二百と山道の下でしばらく待機していました。早歩きで先行したとはいえ後続がぼちぼち追いつくであろうと思ったのです。ところが後続は怪我人を運びながらなのと食糧不足で体力が続かず休みながら進んでいたのでなかなか気配がありません。イライラし始めたところに山の上の方から戦闘の音が聞こえて来ました。しんがりの兵が敵と戦っているようです。


「まさか負けるとは思わんが念には念をだ。山口と合流を急ぐ。進め!」


 小早川秀秋は隊に指示をして安全な中央に居るようにした。もっと兵を増やしたいのだ。先に進んだものの二百では不安だったのだ。小姓の太郎はしんがりで敵と戦っているであろう源左衛門が心配になったが今は中納言を護るのが責務だ。


「殿、山口様を探しに少数に兵を前へ出しては如何でしょうか?」


 太郎は提案をしてみた。本陣が消えたのが不安だったのです。ところが秀秋は兵を減らすような策を取るなんてとんでもないと却下しました。太郎は仕方なく秀秋のすぐ前を進みます。そして秀秋隊二百の先頭が見通しの悪いカーブを曲がり進んでいくと左側に広くなっている場所が見えました。そしてそこには敵兵が潜んでいたのです。


「かかれー!」


 森田率いる元小早川軍三百が秀秋のいる二百に突っ込んでいきます。秀秋軍の先頭の兵は不意を突かれたのと攻めて来た兵が顔見知りだったので困惑してそのまま斬り殺されました。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ