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未来を知った武田勝頼は何を思う  作者: Kくぼ


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本丸の攻防

 八上城では東側の攻撃部隊が未だに三の丸を突破できずにいた。ここでは兵百名とゼットの7名が必死に防戦している。攻め方も階段の油、マキビシを除去しながら進んでくるのだが突然矢が飛んできたりするので攻め切る事が出来ない。


 ゼットのチームAのリーダー凱はここを配下に任せて西側の三つの攻撃ルートの視察に行った。敵の忍びも出ていたが地の利はこちらにある。時間をかけたくなかったので拳銃を使って2人の忍びを倒した。当然銃声が山をこだまする。


 本陣を山の中腹にある屋敷に移した小早川秀秋は、銃声を聞いて屋敷から飛び出した。海での砲撃の経験から発砲音に敏感になっている。


「あの音がしたところを調べろ。ここが遠くから狙われるかもしれん」


「ここがでございますか?ここは山の中腹にある敵の重臣の屋敷です。自分の家を攻撃はして来ないのでは?」


「いいから調べろ。大砲を持っているかもしれん」


 そんな物持ってたらとっくに攻撃されてるだろ!と思いながらも兵に指示を出した。数は少ないが忍びも投入しているので情報は直ぐに入るだろう。


 ところが放った忍びは誰一人として戻って来ていない。そして兵が運んできたのは銃で撃たれた忍びの遺体だった。


 それまで西側ルートは少しずつだが攻略が進み3本の道が合流するところまで兵を進める事が出来た。ここまで来れば本丸は直ぐそこで兵を交代で24時間攻め続けられる。敵はいずれ疲れて突破できるはずだ。当初の物量作戦にやっととりかかれそうになった時の出来事だ。


 小早川秀秋の指示で本陣周辺の捜索と警備が強化されることになった。森村は納得がいかない。やっとここまで来たのだ。兵の死傷者すでに五千、死者は少ないが怪我人が多く骨折した者もいて戦には参戦できない。だがまだ圧倒的に数で有利なのだ。今こそ物量で攻めるべきではないのか?本陣を襲われるのを気にするのなら何故山の中腹に移動して来たのか?だが指示には従わなければならない。この戦に勝ってこの城を手にするのだ。この数年、それだけを願って生きて来た、この機会を逃すわけにはいかない。


 森村はとにかく急がせた。そして1日で兵を千名使って護衛陣を敷いた。


「中納言様、本陣の護衛完了いたしました。今こそ本丸へ向けて攻撃を!」


「森村、早かったな。ここが安心できなければ兵も十分な活躍ができないだろう。これでよし、兵を三つに分け交代で攻め始めろ。物資もこの本陣に運び込んである。ここを拠点として攻め上がるのだ」


 そう聞くと最もにも聞こえる。ただの阿呆かと思ったが策として良さそうだ。ただ、銃や火薬の量は少ない。元の本陣から運ぶのが困難で兵が担いでこれた分しかない。それでもこの城を攻めるには十分な量だ。


 森村は三千の兵とともに本丸へ向かった。すると昨日までなかった馬防策のようなものが道を塞いでいる。それは一つではなく数十もあった。そしてその柵の裏側には敵兵が見える。道は狭いがここまでくると道以外の斜面もさほど険しくはないので兵を広げる事が出来ると踏んでいたのだが、その斜面にも柵が建っていた。


「いつの間にこのような柵を!ええい、蹴散らせい!」


 森村の掛け声を聞いた兵が柵へと突っ込んでいく。兵もなかなか戦にならずフラストレーションが溜まっていた。やっとまともに戦えるのだ。敵の柵は道を塞いでいてそれを避けて進むとその正面にまた柵があるように作られていた。兵は真っ直ぐに進む事が出来ず柵を避けながら坂道を登らなければならない。まるで障害物競走のようだ。


『グワヲ!』


 進む兵に矢が飛んでくる。空から石も降って来た。斜面を兵が滑り落ちていく。


「鉄砲隊、前へ」


 森村は拉致が開かないので鉄砲隊を前に出して敵の弓兵を撃とうとした。ところが弾は柵に当たってしまい弓兵まで届かない。


「弓隊、前へ」


 仕方がないのでこちらも弓で対抗する。だが、敵の弓隊の前に盾を持った足軽が現れて矢を防いでしまう。そして再び石が降ってくる。石は狙ったように弓兵を直撃する。そして後方の森村のところにも矢が飛んできた。


「ひ、引けい!」





 本丸では信平が指揮を取っていた。横には波多野と凱も来ている。波多野は信平の作戦を聞いて実行はしたものの効果がどうなのかはわかっていなかった。


「結城様、柵ですがこういうふうに使うのですか。感服いたしました」


「この地形に合った柵を作っただけです。凱、投石器は上手くいったな」


「はい。敵が来る前に何度か射程含めて練習が出来たのが大きかったです」


 用意したのは原始的な投石器だった。止めている縄を切ると反動で飛んでいく簡単な機構だ。繰り返し使えるよう工夫はしてはあるが、連射は出来ない。


「敵は柵を撤去しようとするだろう。そこを矢と投石器で攻撃をする」


 波多野は、


「敵も盾を用意するのではありませんか?」


「そうだなあ。あんまり好きな作戦ではないけど、凱、その時はあれを使うぞ」


 凱はあちゃーという顔をして準備に向かいました。信平は本陣の様子を上から見ています。森村が逃げ帰ったのが見えました。兵の円陣も見えます。そんなに本陣急襲が怖いのかね?

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