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未来を知った武田勝頼は何を思う  作者: Kくぼ


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本陣移動

 西側では、小早川軍が配下の屋敷にまでたどり着いていた。ここは三つの道の真ん中のルートだ。この先で真ん中の道は右からの道と合流し、その先で全てが合流する。その先が本丸だ。森村の図面によると、この真ん中の道にある屋敷を本丸攻めの拠点にするのが良いとの意見だった。そこを待機場として本丸を交代で攻め続ければ敵は24時間は守り続ける事はできない。すぐに門は滑落するはずだ。


 真ん中のルートで拠点を確保したという連絡が本陣に入った。秀秋は、作戦通りに事が進んでいる事に満足している。多少の犠牲が出たが仕方のない事だと割り切って考えている。


「余も出張るとしよう」


 と突然言い出した。当然、周りが焦る。


「殿、お待ちください。まだ安全と決まったわけではありませぬ。せめて3本の道が確保できてからにしていただきたくお願い申し上げます」


 ここには森村も山口もいない。幹部級は前線に出ているのだ。残っているのは旗本衆だが、ほとんどが小姓上がりの若造だった。本陣に残っているのは万が一に備えての二千名で、残りは昼夜攻めかけるために城へ向かっている。小姓上がりの呉源太右衛門は勇気を出して進言したが、聞き入れては貰えなかった。秀秋は本陣に置いてある荷物ごと移動しようとしたが、山道や階段を荷駄は進めないと言われ、荷物の護衛に三百の兵と呉源太右衛門を残した。自分に意見してきた若造に手柄を与えさせない嫌がらせだ。


 呉源太右衛門は命令に素直に従い、兵が持ちきれなかった鉄砲、弾薬、僅かな食料、そして秀吉に献上する銀を護る為に残った。




 真ん中の屋敷にいた波多野の兵は指示通り被害が出る前に右側の道の合流地点にある番所という砦に移動している。この番所は敵を防ぐ準備がしてあり、ここを越えられるともう次は本丸だ。右側の道にも何箇所か砦があってまだ右側の小早川兵は途中の砦を攻略できていない。左側の道にも同じように何箇所か砦があり、そちらも同様だ。


 信平は三の丸を凱に任せて本丸に戻った。波多野から状況を聞き、ゼットの連中からも敵の動きを確認した。ゼットの面々は山道以外も移動できるので敵の詳細が把握できている。信平は物見台で皆の報告を自分の目でも再確認してから、


「波多野殿。秀秋が動くようだ。おそらく真ん中の道を登り屋敷を拠点とするのだろう。本陣を移すなんて間抜けなやつだ」


「それでは例の銀は?」


「ああ、それは気にせず敵を防いでくれ。もう少し敵兵を減らしたいが、さて」


 東側の敵は三の丸の防備が固いので破られるにしても時間がかかるはずだ。その後も二の丸があるし任せておいても大丈夫だろう。西側からの応援もできないから危険は少ない。問題は東側の真ん中ルートだった。ここは砦が少なく拠点となる屋敷もあるからここから敵は攻めてくる。番所を越えられると左右の砦も挟み討ちになってしまうのでここが破られる時は全員本丸へ逃げなければならない。


「波多野殿。左側と右側に例の物を」


「すでに蒔いてありまする。それと教わったゲリラ戦法とやらも準備万端でござる」


「無理はさせないように。敵も反撃してくるだろうから。波多野殿の兵を減らしたくはない」」


 それを聞いて波多野は感動した。そのような事をいう主人が他にいるだろうか。このお方を死なせてはならない。絶対に。



 左側を進む小早川兵は、階段に油が塗られていないか確認しながら進んでいるので歩みは牛歩の如く遅かった。それは右側に兵も同じで急な階段や坂を転げ落ちる恐怖心が染み付いている。もう何度も先を進む兵が転がり落ちているのだから。だが、命令は進め!のみだ。森村は中央の屋敷を拠点にすべく物資をここに運び込むように指示をし、敵の上からの攻撃にも備えさせた。ここを敵が奪還しにくる可能性もあるのだ。そして森村は一度途中まで降り、左側ルートへ向かった。そこで見たのは中央と比べ半分も進んでいない兵達だった。


「なんでこんなに遅いのだ?」


 兵が答える。


「ところどころにまた油が塗られているのです。拭きながら慎重に進んでいるので遅くなってはいますが、こうしないとまた落下する事になります」


「話はわかるが、これでは本丸まで届くのが遅くなる」


 そうは言っても、と兵は弁明しているその最中、先頭の兵に矢が刺さり転がり落ちた。何名かの兵を道連れに。右側では突然木の上からマキビシが降ってきて踏んでしまった兵が地団駄を踏み転げ落ちた。


 何度かそのような事が起き、兵の数が減ったが数の暴力で坂を登り切った。波多野の兵は本丸へを戻っていった。波多野側の兵は損害0で小早川側は三千の兵が負傷した。


 東側はまだ三の丸を突破できずにいる。チームAの凱は鉄砲や矢の攻撃に加え、桜花散撃を使い敵を食い止めている。



 2日後、屋敷に本陣が移り、小早川秀秋が到着した。


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