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未来を知った武田勝頼は何を思う  作者: Kくぼ


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どう出る?

 2ヶ月後、清洲城に徳、竹中半兵衛、織田信忠、お市、武藤喜兵衛、武藤信之、そして新しく家督を継いだ武田信正が集まっていた。上座は徳だ。


「信正殿。信豊殿は残念だったけど武田を継いだからには天下統一のために働いてもらうわよ」


 信正は平伏している。ぶっちゃけ子供の頃遊んでもらったことがあるおばちゃんがこんなにすごい人と知ったのは最近だった。元々家督は兄が継ぐものと思っていたし、兄がおかしくなってからはもしかしたらとは思ってはいたが父は元気で新しい妾もできたくらいだからすぐに死ぬ様には思えなかったのだ。


「徳様、この信正。精一杯勤める所存」


 それだけ言うのが精一杯だった。戦の経験はあるがここに居る百戦錬磨の人と比べたらないに等しい。徳は信正をどう使うかはまだ考えていない。昨日城まで来て信豊の死を知らされた。そんなに簡単に受け入れできる案件ではないのだ。信豊はただの妾の徳を立てて武田の中で活躍できる様に背後から支えてくれていた。徳だって最初から偉かったわけではないのだ。


「寄木に武藤、真田、本多は今まで通り。真田と本多は今お屋形様のところだけどね。喜兵衛殿、お屋形様の方はどうなってるの?」


「はい。細川家を寝返らせそのまま琵琶の海を治めたそうです。そのまま西へ向かうところとか」


「細川って、ああ、あいつか」


 徳は若い頃の細川幽斎に会った事がある。そういえばあたいを攫おうとしたっけ。それを助けてくれたのが上泉伊勢守だったわね。色々な出会いと縁があった。そうか、縁。


「細川を落としたのは天海?」


「そう聞いておりまする。天海殿と兄上が使者として赴き説得されたとか」


「真田殿も?」


 ふうん、まあなんにせよ味方が増えるのはいい。天海が話したのならもう寝返ることもあるまい。親子の対面もあったのだろうか?


「それで秀吉の動きは?」


「前田利家を失っただけでなく、どうやら黒田官兵衛も死んだとのことで静かにしている様です」


「嘘ね。そう見せかけているだけだわさ。あの男はそんな事では狼狽えない。京は上杉殿が抑えているのよね」


「はい。居座っておられます」


 この間の気持ち悪さ、あれがなんなのかはまだわからないが、秀吉が何かをする準備をしているのは間違いないと思う。とはいえそう簡単に上杉がやられるとは思えないし。


「で大屋形様は?」


「それが情報が入ってきません。錠が穴山様のところに残っていて関東の情報は入るのですが」


「そう。で、錠はなんだって?」


「井伊直政の怪我がだいぶ良くなったそうで、幸村とともに駿河へ向かうと。錠はそのまま残るそうです」


 ん?東北に行かないのか。そう言うことね。徳は話を変えた。


「信忠殿。大変でしたね。織田の領地だけどお屋形様はそのままって言ってた様だけど」


 そうなのだ。丹羽長秀も滝川一益も死んだ。


「丹羽も滝川も跡継ぎがおります。何も問題はありません」


 そこにお市が口を挟んだ。


「信忠殿はそう言いますが、実際のところすぐの戦は無理かと。織田が持ち直すまでご容赦をお願いいたします」


「いっちゃん、あのね。お屋形様が領地をそのままって事はそう言う事だよ。信忠殿、まずは自国をきちんと管理してください。秀吉は弱った織田を狙うかもしれません。あなたが邪魔なのは確かなのですから」


 信忠は不満そうだったが実際、無い袖は振れない。


「あたいからも報告。どこの誰かはわからないけど南蛮船を買ってる奴がいる。おそらくは島津か加藤清正。秀吉の命令だと思う。秀吉はキリシタンを認めて無いから誰かにやらせてるはず。多分だけど武田の真似をしているだけでは勝てないと思ってるからだと思う」


 そこで喜兵衛が申し訳無さそうに、


「真似される件ですが」


 徳はあれっと思った。何したんだこいつ?


「魔人2号が奪われました」


 信忠の火葬に目がいっている間に無くなったという。その間に分解して運んだようだ。徳は、


「半兵衛殿。あれって真似できるの?」


「電池に発信機に操作盤、無理ですな。知識のない者には動く原理すら分かりますまい」


「だそうよ」


 喜兵衛はそれでも申し訳無さそうに、


「ただ、幸村が以前秀吉の子の祝いに持って行ったからくり人形がありましてあれを分析されているとどうかと」


 半兵衛は


「武藤殿、その程度では無理でござる。ただ、ハンググライダーやボーガンはすでに敵も使っているし、桜花惨劇もあれだけ使えば真似されるでしょう。あまり気にしない方がよろしいかと」


「そうよ。それにあれは操縦する方の力量もいる。魔人ゴー位できないとね。まあ敵が片付けてくれたと思えば」


 喜兵衛はそう言ってもらえて肩の荷が降りた感じに見えた。あれが無くなって生き残った特殊部隊ゼットのチーム戊の3人が落ち込んでいたのが気になっていたのだ。もう5人が揃う事はない。生き残った3人には次の任務を与えて入るが立ち直るにはまだまだ時間がかかりそうだ。この事がきっかけになればと思う喜兵衛だった。


 徳は話を戻した。


「お屋形様があっちで活躍している間にこっちも頑張らないとね。菅原殿を呼んでちょうだい。それと内藤、秋山、跡部の御大にも出張ってもらおうかしら」


 喜兵衛は


「どうされるのです?」


「秀吉は京を取り戻そうとするはず、もしくはお屋形様を狙うか?上杉殿もお屋形様もそれを待ってる」


 そこまでは喜兵衛もわかっていた。あの2人が何の考えもなく動くはずがないのだ。だが、それに秀吉が乗るだろうか?









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