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未来を知った武田勝頼は何を思う  作者: Kくぼ


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尋問

 徳は瀬戸内海に入ると船団を二つに分けた。


「あたいは海戦があったところを行く。その先に風魔の村があって小早川の造船所もあるはずだから叩いてくる。馬場殿は四国を一周して敵船を全部やっちゃって。輸送船も一隻ものこさなくていいわ。後からくる伊谷殿もそっちへ」


「ですが、徳様の船団が弱くありませんか?全部で5隻では危のうございます」


「大丈夫よ。この新型空母は色々あるのよ、言えないけど」


「わかり申した。連絡の船はこの位置に残しておきますので何かあれば」


 馬場は後続船への指示用に連絡船を残すという。徳は馬場のちょっとしたそういう手配に感心して素直に頷いた。





 徳は新型空母、戦艦初倉、巡洋艦牧之原、丸子と駆逐艦楓改の5隻で海を進んでいく。高天神城の造船所で作られた最新鋭艦達だ。乗組員は川根の訓練所で徳が鍛え上げた精鋭隊の中から海軍に抜擢した者しかいない。今川水軍でも北条水軍でもない者達で構成されている。海の知識は学校で学んだ、経験は特訓で積んだ。水軍経験が無いことで先入観無しで訓練できるというのが徳の策だった。


 乗組員は他に知り合いも少ない。そのため情報が漏れにくいというのも利点だ。新型空母には徳の他に竹中半兵衛が乗船している。半兵衛は高天神城主でもあり、武田の研究部隊の長でもある。半兵衛が本格的な戦に参戦するのは初めてだ。


「徳様。先行で中駿河、子駿河を出します」


「半兵衛殿。そうしてください。偵察を」


 徳は物見が海に油が浮き、黒い煙が出ているエリアを見つけたと聞き、偵察船を先行させることにした。もう生きている兵は全て伊谷が回収しているので、残っているのは沈んだ船や部品だけのはずだがここは敵地、油断はできない。


 中駿河と子駿河が攻撃を受けるのが見えた。だが上手に回避している。そしてそのまま被害を受けることなく帰還してきた。徳は中駿河の乗組員を呼んだ。


「何があったの?」


「はい。油の辺りで沈んでいるのは楓か櫻だと思いますが、前方に半分以上沈んでいる戦艦らしき船が見えました。その付近に敵の船がいて突然攻撃を仕掛けてきました。敵船は3隻見えました」


 敵の生き残り?武田の船を回収する気ね。


「前進、射程に入ったら砲撃開始よ。スクリュークラッシャー砲発射用意。子駿河は砲撃後発進して敵を捕まえてきて」


「はっ」


 一気に慌ただしくなる。戦艦初倉の主砲がキリキリ動き始めた。





 5分後、あっという間に敵のサルベージ目的と思われる船は沈み、その後現場に現れた子駿河によって泳いで逃げる兵は捕獲網の餌食となった。魚を取る用の網の改良版だが有刺鉄線がついていて、逃げようともがくと更に食い込む痛い奴です。


 徳は情報が欲しかった。伊谷から聞いただけでは何が起きたのかが不明瞭だった。徳は裏切った佐々木という男を知らない。だが裏切ったと聞いて沙沙貴神社が頭には浮かんだ。佐々木源氏だとすると、たしか、黒田官兵衛だけど………。


 網に巻かれた状態で敵兵が3名もがいている。半兵衛が尋問を始めた。


「さて、お主らはどこの者だ?」


「………」


「あそこで何をしていた」


「………」


「素直に答えれば良いものを。仕方ないのう、万兵衛、やってくれ」


 半兵衛の横には嫡男の万兵衛が鞭を持って立っていた。万兵衛は初陣だ。


「すまん、痛いけど我慢してくれ。話したくなったらやめるからいつでも言ってくれ」


 といいながら、


「ウォーーリャーーー!」


 全力で鞭を振り回し始めた。


「ギャー、い、いた、ウワ、い、い」


「ま、待ってくれ、は、話す」


 万兵衛は聞く耳持たずに一心不乱に鞭を振り下ろす。敵の喚き声が響く。話が違う、もうやめてくれと言っているが聞こえないふりだ。そして万兵衛が腕が疲れたので鞭を降ろすと、敵兵は口から泡を吹いていた。


「父上、このくらいやっておけば素直に話すでしょう。嘘もいいますまい」


「嫌な役をやらせてすまんな」


 どうやら最初から親子で仕組んでいたようだ。徳は兵に水をかけるようにいってから、再び後ろに下がった。半兵衛のお手並み拝見、まだでしゃばる時では無い。兵に水がかけられ意識を取り戻したので、半兵衛はまた話し始める。


「お主らはどこの者だ?」


 一人兵は普通に話し始めた。他の二人は震えているが話した男の態度からしてこいつが一番格上のようだ。


「小早川家でござる」


「小早川の水軍だな。あそこで何をしていた?」


「武田の沈んだ船をなんとか引き上げられないか検討していた」


「もう何か回収したのか?」


「砲弾と手筒のような物は集め終わった」


「そうか。集めた物はどこへ?」


「造船所だ。とにかくなんでも拾って集めるように言われている」


「そうか、で、お主は海は長いのか?」


 急に世間話になった。そうしていると他の二人も会話に加わり始める。


「そうか。長宗我部は手強かったのだな」


「長年の宿敵でござった。武田の船を真似て作った鉄の船がなければ勝てなかった。あの大筒はすごかった」


「そうか、小早川家は隆景殿が指揮を取られておるのであろう」


「殿は隠居なされた。今はご養子の中納言様が指揮をされておる」


 中納言?

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