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未来を知った武田勝頼は何を思う  作者: Kくぼ


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例の男 登場

 勝頼達が武田討伐令が出た事を聞いたのにも関わらず仙台へ進んでいた頃、かなは四国沖に武田海軍を配置してのんびりしていた。瀬戸内海は小早川の縄張りだ。突っ込んで滅茶苦茶に暴れてやろうかとも思ったが流石に地の利がないのと、高知に逃げさせた草の情報だと風魔の里が瀬戸内の島にあって小早川水軍に力を貸しているそうなので様子見をしている。


 武田討伐令が出た事は連絡船からの情報で知っていて、徳からは臨機応変に対応するように指示が来ている。勝頼にも伝令が飛んだというから戻って来るだろう、とかなは勝手にそう思っていた。かなは北で何が起こっているかまでは聞かされていない。徳との連絡を繋いでいる連絡船とは小型モーターボート子駿河の改良型でガソリンエンジンで航行距離を稼いだ新型だ。電波がないこの時代、海上との連絡をつける方法は人海戦術しかなかったので、小型の連絡線を使っている。


 かなの船団は戦艦駿河マーク参の他に、戦艦金谷、用宗、巡洋艦由比、掛川他2隻、駆逐艦楓、櫻の他に輸送船、補給艦、そして旧型だが戦闘空母もいる。


 戦艦金谷の船長は伊谷康直が務めていてこの船団の副団長だ。


「かな殿。お久しゅうござる。小田原攻め以来ですかな?」


 伊谷康直は元々は今川水軍の出だ。勝頼が海軍を作る時に伊谷を頼りにした事から徳達とも旧知の仲だ。


「歴戦の水軍の将とご一緒できて心強いです。新型空母は徳様が使うので置いてきたのですよ。さっきから探してません?」


「さすがはかな殿。見たかったのですがそう言うことなのですね」


「徳徳秘密ですからお気をつけて」


「それは!私は何も探してませんので。あの旧型の空母は例の錠殿が飛んだあれを積んでいるのですか?」


「まさか。あれは錠しかできないですよ。空母は名ばかりで違う物を積んでます」


 かなは錠とは幼馴染だ。徳は上司だが弟の錠は呼び捨てにしている。伊谷は海は戦にならないのかな?と思いつつ


「ところで、陸の連中はどうするのですか?」


「どこかでぶつかる、徳様は関ヶ原だけはダメと言ってました。なんでかはわかりません。向こうから攻めて来るのを待つのではと思っています」


 関ヶ原だけはダメ?徳様はなんでそんな事を?会話を聞いていたのは伊谷配下の佐々木道誉です。佐々木は小田原攻めの後に伊谷の軍に入り非凡な才能を見せたので今では伊谷の側近になっています。元は北条水軍の出ということになっています。




 しばらくして伊谷と佐々木は戦艦金谷へ戻って行きました。二日後、船団が近づいて来たのに見張りが気づきます。武田海軍は徳が開発した望遠鏡、見えるんですを使っているため、敵よりも先に気づく事ができます。


「船長、監視役が敵船団を見つけました。敵船は見えるだけで5隻、他にもいると思われます」


「見えるんですを使っていても水平線の上に出てるちょっとのところしか優位性はないからね。直ぐに敵もこっちに気づくでしょう。様子見で第二戦闘配置」


 かなは大砲の射程はこっちが長いはずだからとりあえず遠距離攻撃態勢を敷いた。戦艦駿河マーク参を中央に横に距離を置いて戦艦を配置。空母は後方へ、他の船は半円状に散会させた。機動力の高い楓と櫻は側面からいつでも突っ込めるように配置させている。鶴翼の陣の海上版だ。




 敵船団は小早川水軍で大阪からの帰りだった。小早川水軍は小早川隆景が毛利水軍から名を改めた部隊で、秀吉から五郎盛信が乗って来た武田の戦艦富士を分析して強化した水軍だ。小田原海戦を目撃した風魔忍軍の情報もあり、瀬戸内海を使って改良を加えて来ていた。

 武田の忍びは何度か情報を取ろうと小早川の施設を調査しようとしていたが、風魔に邪魔をされて情報を持ち帰る事ができなかった。なので、かなは様子見と言いながら実は戦力の様子見をしたかったのだ。


 この船団は、まだ武田に情報が伝わっていないある人物が指揮していた。小早川隆景は隠居することになりこの船には乗っていない。養子となり家督を継いだ小早川秀秋だ。船に乗ったことのない秀秋は強いと聞こえてきていた小早川の船で国へ行く事を選んだ。隆景は船を譲り、今まで尽くしてくれた家臣と共に隠居地へ向かっている。


 船の指揮は家臣の中から秀秋に付くことになった清水景治が行なっている。その清水に情報が入る。


「清水様、船です。こんなところに味方の船はいません」


「わかった。全船停止しろ」


 清水は船長室でくつろいでいる秀秋の元へ報告に行った。


「殿、敵船団と思われる船と遭遇しました。まだ射程外ですがこのままご予定の四国一周船巡りをしますとぶつかります。如何いたしましょうか?」


 秀秋は驚いた。まだ戦の経験はない。初陣は海上というのは如何なものであろうか?敵の首を斬るのが通常だと聞くが。家臣達は無言だ。俺が決めなければいけないのか?そこに沈黙に耐えかねたのか、秀吉から与えられた家老職の山口宗永が話始める。


「小早川水軍は強いと聞きますが?」


 えっ!


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