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未来を知った武田勝頼は何を思う  作者: Kくぼ


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第一戦闘準備

 お市は怒りながらも冷静に、


「上座はいいとして、なぜ徳さんを出迎え無いのです!いつまでも兄上、信長の威光が通じると思っているなら大間違いです。徳さん、すいません。甥がこんなんで恥ずかしいですが堪えてくださいまし」


「いいだわさ。信忠殿はいつもこうだから。これに実力が追いつけば武田にとってプラスになるしね」


 徳は笑みを浮かべながら話します。お市はホッとします。織田家が存続できている事が嬉しいのですがそれは、織田信忠の実力ではありません。お市は織田家の事も心配なのですが色々あって信忠と会うのが久し振りでした。まさかの態度に驚いたのです。当の信忠はうるさい叔母が来たと思っています。徳はそれを全部わかっての対応をしています。


 徳は改めて、


「信忠殿。この間清州で話してから動きがあっただわさ。三成が自害した」


「自害、それはおかしい」


 信忠は即答だ。織田家でも丹羽長秀や滝川一益と三成について話していたのだろう。


「そう思うなら良し。でも殺すのかしらね。あたいは子供が居ないからそこのところがわかんないだわさ。いっちゃん、どう思う?」


「あの秀吉が子煩悩になるとは思えません。ですが、あれだけしてやっと出来た子ですから喜んだでしょう。その分、疑いとはいえ許せなかったのでは」


「叔母上の言う通り、猿めは子供をずっと欲しがっていた。それが自分の子で無いと言われては、全てを葬り去る事ができる男だからな。今思えば猿は不気味だった。ヘラヘラしつつ絶えず上を目指していた。関白になって世継ぎができれば、疑わしきは殺しても不思議では無い」


 信忠の態度はあいかわらずだ。お市は気が気ではない。徳を怒らせたら織田家は滅んでしまう。こんな事で怒ったりはしない人だがそうはいっても信忠の態度は無礼だ。


「信忠殿。もう少し丁寧に話せないのですか?徳さん、いえ徳様は勝頼公の権限を持っていると言ってもいいお方。わきまえなさい」


 徳はおかしいのか笑っている。





「丹羽殿はどう思うだわさ?意見を聞きたいわ」


 丹羽長秀は徳の正面に座っている。一瞬お市を見てから話し始めた。


「徳様。猿が殺した以外考えにくいですが、強いていえば犬千代の可能性もあるかもしれません」


「前田利家かあ。無くはないわね。孫が関白になるのだから。でも」


 丹羽長秀は頷いた。


「左様、秀吉でしょう。それでこれからどうされますか?」


「そうね。大屋形様は東北だし、秀吉が動くなら今よね。喜兵衛殿、影猫はどうしてるの?」


「大阪へ行っています。与助と交代させましょうか?」


「ううん、石田家がどうなってるか気になっただけ。喜兵衛殿、信豊殿へ連絡して。第一戦闘準備よ。信忠殿、秀吉が攻めてくる事を想定して動いてちょうだい。与助はかなのところへ行って。与助が行くのが合図だから伝言はいらない。そしたらその後で戻ってきて。東北へ文を持って行ってもらいます」


 お市は回転が追いついていない。戦になるのか?私にできる事は?


「徳さん、私は岐阜に残ります。信忠殿、よろしゅうに」


 信忠は無言で立ち上がった。その後を丹羽長秀が続いていく。それにお市も付いて行った。




 武藤喜兵衛は、いつでも開戦できるように準備している。蒲生との戦以来、喜兵衛は戦をしていないので色々と策を練る時間があった。最終決戦、徳は秀吉との戦をそう呼んでいる。武田が天下を取るためには秀吉が邪魔だ。秀吉が天下を取るのにも武田が邪魔だ。以前喜兵衛が勝頼に聞いた事があった。


「お屋形様は戦が嫌いとおっしゃいます。なのにどんどん領地を拡大しておられる。これは矛盾しておりませんか?」


 勝頼はこう答えた。


「俺は民を守りたい、優先するのは自国の民だ。戦は嫌いだが攻めてきたら守らねばならない。負けるのは論外、とはいえ勝てば敵兵にも家族がいよう。戦を無くすには戦の必要がない世の中を作らねばならない。ここのところは織田信長と意見が合う」


「信長?あれは自分勝手なだけに見えますが?」


「噂というのは操作できる。人は会って話してみなければわからんよ。天下を取らねば戦は無くならない。それにはお前の力が必要だ、頼むぞ!」



 喜兵衛は第一戦闘準備のため、岡崎城へ戻った。すでに連絡が来ていたようで続々と兵が集まって来ていた。


「本多殿、兄上、それに信平様まで。助かります」


 本多忠勝は二千の兵を連れて来ていた。


「城の守りは残しておりますのでご安心を。いよいよですかな?」


 喜兵衛の兄、真田昌輝は千名の兵を連れて来ていた。


「信豊軍の軍艦はお主だ。意見は言わせてもらうがお主の指示に従おう。兵は後詰めを残してある」


 そして結城信平は浜松から五百の兵を連れて来ていた。


「武藤殿。申し訳ない、井伊直政めが戻って来ていないのでお役にはあまり立てそうにない」


 結城は元々関東だ。国替で浜松へ来たが統制役の直政が不在ではそうもなろう。


「軍議に入りまする。かな殿は来ておられないのか?」


 真田信輝が答えた。


「かな殿は海にいるよ。竹中半兵衛殿を連れてくる」


 半兵衛殿が?陸でなく船で来るのか。


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