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未来を知った武田勝頼は何を思う  作者: Kくぼ


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ご懐妊

 駿府城。ここには真・武田三代が揃っている。武田信玄、齢69、未だ健在である。三雄や寧々の世界の歴史では生涯に三度しか戦で負けた事がないと伝わっている。不思議な事に以前三雄がブーブルでネット検索した時に出ていた、武田勝頼が幼少時にアスレチックで身体を鍛えていたという記載は無くなっていました。寧々はそれを見ていませんので三雄に話を聞くまではしりませんでした。一時的に並行世界とリンクしたんだよ、という三雄の説明に寧々が納得したとか。


 どのみちこの現象、寧々が勝頼と諏訪神社で会話できる事が科学的に説明出来ないのですからそんな事はどうでもいいのです。さて、信玄が三度負けた事があると三雄の世界では伝わっている事を勝頼が言うと、


「なんだと!わしは2回しか負けていない。あとは勝ちか引き分け、それも勝ったような物だ!誰がそんな事を言っているのか?」


 なんか怒りはじめた。


「父上、その2回の話を信勝へしていただけませんか?2回とも村上との戦ですよね?」


「そうだ。わしは信濃の攻略に突き進もうとしていた。そこにあの村上義清めが立ち塞がったのだ。一度目は策を誤り大敗した。今から思えば若気の至り、無謀な戦だった。あの戦で多くの忠臣を亡くしてしまった」


「二度目が砥石崩れ」


「そうだ。砥石を崩さねば信濃は取れない。一徳斎が居なければ、いや、居なくてもいずれは取れたであろうが時間がかかった。この二度の敗戦はわしを変えたのだ。信勝、わかるか?」


「徳様から教わった事があります。経験を最大に活かせと。無駄な経験は何一つない、と。祖父様は敗戦から何を学ばれたのですか?」


 信玄は信勝の目を見た。いい目をしている。


「信勝、いくつになった?」


「22歳でございます」


 22か。わしが22歳の時は………、諏訪を攻めた頃か?勝頼も信勝も諏訪の血を引いている。あの時信濃に出たのは正解だったという事か。信玄は勝頼を見て微笑んだ。勝頼は不思議そうな顔をしている。


「信勝。失敗を恐れるな!徳の言うとおり経験は宝だ。難しいのは経験から何を学ぶか、経験を活かすという事をどう捉えるかだ。わしは確かに二度負けた。コテンパンに叩きのめされた。この世から消えて無くなりたいと思った。だが、わしにはわしを信じてくれる勇猛な家臣がいた。慕ってくる民もいた。その事がわしを強くした。風林火山、その真の意味を知ったのだ」


 信勝は、


「風林火山の意味はタイミングだと思います」


「タイミング、機を捉えるという意味だったな。そのとおりだ。だが、その機を見極めるのが難しい。この勝頼は機を逃さない。待つ時は待ち、動く時は素早く動く。そなたの父を見て学ぶ事だ」


 信玄はそう言ってから長々と想い出話を続けた。ここに3人揃って話す機会はもうないかもしれない。勝頼は子孫?の寧々に言われた話をところどころ混ぜながら信玄の話や、信勝の意見を聞きながら過ごした。そして、


「お話があります」


 と言って、勝頼の今後の方針を説明した。関白と将軍、この歪んだ日ノ本の体制をどうするかについてだった。それには勝頼ならではの策が考えられていた。


 長い話が終わり解散をしようとした時、とくが錠を連れて面会を求めてきた。勝頼が部屋に引き入れると信玄の顔を見て2人は跪いた。信玄の前では流石に大人しくもなる。勝頼は、


「ここにはこの3人しかいない。何があった?」


 錠は徳の顔を見てから話し始める。


「関白に子ができました。お摩阿の方が懐妊されたとのことです」


 3人は顔を見合ってから笑い出した。


「勝頼、まさか本当になるとは。これは面白くなるぞ」


「父上、そんなに効くならそれがしにも。ハハハハハ」


「信勝。お前はまだ若い、必要ないだろう。しかしうまくいったようだ」


 徳と錠は顔を見合わせている。徳は、


「なんかしたのね。もしかしてアレを秀吉に?でもなんで?そんな事したら敵が強化され………、待って、待ってよ。ええ!勝っちゃん何考えてんのさ!」


 勝頼はまだ笑いが止まらない。徳は流石に気がついたようだ、勝頼の狙いを。


「ごかいにーん。めでたいめでたい。信勝、関白に祝いの品を贈らねばならぬな」


「はい、父上。祝いの品は天海に選ばせます。三成を通じて贈ったらいかがでしょう?」


「そちも悪よのう」


 3人はまだ笑っている。それを見て徳は怒り出した。


「いい加減笑うのをやめて!全く、焦ったわよ。そういう事なのね。それでわかったわ、京から与助と影猫を引き上げさせたわけも。あたいは忙しかったから気にしていなかったけど錠は理由がわからずヤキモキしてたわよ」


「姉ちゃん、俺、全くわかんないんだけど」


 錠には活動に必要な事以外は伝えていないからわからないのも仕方ない。勝頼は、


「錠、すまんが席を外してくれ。あとで徳から話していい事だけ教えるようにするよ。大義であった。桃への土産を用意してあるから受け取ってくれ」


 錠と桃は夫婦になっている。桃は特殊部隊ゼットを引退して川根にある訓練所の所長を務めている。

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