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未来を知った武田勝頼は何を思う  作者: Kくぼ


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古府中へ

 勝頼はいつもの場所で三雄に声をかけました。不思議に月に1回、この場所は三雄のいる世界?に繋がります。


「でかくなったな、小僧」


「なんですか?それ?たまに三雄殿は理解できない事を言いますよね。あ、これがここは笑うとこだぞ、というところですか?」


「いや、すまん、悪かった。勘弁してくれ。1回言ってみたかったんだ」


 素直な勝頼に三雄はタジタジです。勝頼はだいぶ三雄に毒されてきていますが、現代人から見たらまだまだ素直に見えるのです。


「で、どうだった川中島は?」




「そうか。だがこちらの歴史をブーブルちゃんで見てみたがそんな出来事は記録に残っていない。善光寺の兵は動いていないし勝頼も高遠にいたことになっている」


「どういう事でしょうか?」


「前に恵子、あ、俺の彼女が言っていたのだが後世に伝わっている歴史は真実ではないそうだ。勝者が都合の悪いところは捏造するらしい」


「そもそもですが、どうやって起きた事を後世に伝えるのですか?」


「僧や記録に長けた武士が書物に残すんだ。それを何百年も後に学者が見て想像した物語が教科書に載るんだ」


「教科書ってこの間話されていた子供が勉強する本の事ですよね」


「ああ、約束通り持ってきたよ。見るだけしかできないのが残念だが」


 三雄は勝頼に依頼された小学校高学年の理科の教科書を見せました。勝頼は必死に書き写しています。


「理科が一番刺激的だろうけど、戦国で再現できるのか?」


「今のところは。手榴弾もうまくできましたし。これからも作り続けますよ、民を守るために。ただ材料が足りません。ここに書いてあるペットボトルというのは何ですか?」


「また説明が難しい事を聞くなあ」


 勝頼は天下取りについてはまだ考えていないと言います。今、自分がしたい事、それは自領の民が平和で笑顔に過ごせるように、それだけを望むと言います。そうは言っても、と三雄は話を続けます。


「勝頼。なんて言うか、世の中はそういった綺麗事だけではすまない事もある。例えばお前と相手の考えは違うし、お前の周囲の期待もお前の考えとは違う。ああ上手く言えない。何が言いたいかというと戦国は甘くないという事だ。これからも誘拐、暗殺のような卑怯な攻撃や、同盟を結んでいるのに裏切ったり裏切られたりするんだ。内乱もな。俺はアドバイスじゃない、助言はできるがいつも一緒にはいてやれない。まずはお前の兄貴だな。武田を継ぐか、伊那の大名で終わるかもうじき分岐点だぞ」


「この間三雄殿が話していた通りに進んでいます。兄上はやはり」


「わからない。勝頼が初陣を済ませたことがどう影響するのか、すでに歴史が変わっている可能性もある。今太郎義信がどうしているか知ってるか?」


「わかりません。兄にはいい感情を持っていませんし、ただ家督を継ぐとなるとそれはそれで。三雄殿、実は父上に呼び出されています。今日はこれにて」


「あっ、そうそう。体調とかどうだ?身体が熱っぽいとかないか?」


「熱っぽいとは熱を感じる事でしょうか?ならばありません。健康そのものです」


「それならばいい。じゃあ、またな」


 そうか、初陣しちゃったか。しかも手榴弾まで使って。恵子になんて言おう。

 さて、三雄が勝頼の体調を心配していたのは、労咳を患い20歳まで静養してたという記録が残っているからです。母の湖衣姫は労咳で亡くなりました。勝頼に移っていても不思議はないのです。三雄が高遠領の食生活を豊かにしたかった理由の1つに勝頼の体質改善がありました。豚肉は栄養満点です。栄養が行き渡れば病気に強くなります。


「上手くいってるようだ。長生きしてもらいたいよ。俺より先には死んで欲しくないし」


 三雄は勝頼より30歳歳上です。普通なら先に死ぬのは三雄ですがさてどうなりますか?






 勝頼は源五郎を連れて古府中へと向かっています。途中、古府中から砥石に戻る真田幸隆に会いました。勝頼は一度見た事があるだけで話をするのは初めてです。


「真田殿。川中島では大活躍されたと聞いております。いつか砥石攻めの事などお聞かせ頂ければと思います」


「四郎様、いや伊那殿。それと源五郎。何をやったのです?お屋形様に鉄の玉を見せられましたぞ」


 真田幸隆は勝頼の事を伊那殿と呼び直しました。これは何を意味するのでしょうか?勝頼は気にせずに、


「その件で呼び出されたようです」


「あのような武器を作っていたとは。うちの忍びが警戒が厳重すぎて忍び込めないと嘆いていましたが」


「父上。ご存知だったのですか!」


「真田は独自の情報網を持っている。そうだ昌幸、お前を養子に出す事になったぞ。武藤家だ。わしの子に変わりはないがな、では伊那殿、次は戦場で会いましょうぞ」



 真田幸隆は行ってしまいました。


「源五郎、養子だってよ。知ってたのか?」


「以前お屋形様から下話はありましたので驚きはしませんが、それよりも父上が勝頼様の工場を調べていた事に驚きました」


「悪気があったわけではあるまいて。ソーセージで注目されているからな。今のところはうちの領地でしか豚は養殖していないし。資金源だから渡す気もないけど」





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