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未来を知った武田勝頼は何を思う  作者: Kくぼ


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諏訪の血筋


「三雄殿。いらっしゃいますか?」


勝頼は城内の諏訪神社に到着すると、横の木に話しかけました。すると、


「おう、勝頼。来たな。今日はな、娘を連れてきた」


「私も徳を連れてきています」


やっぱり、と思いながら勝頼は答えました。甲斐姫を連れてこようかと悩んだのはこの事を予想したからです。



徳には三雄の声は聞こえないし、勝頼が木と会話しているようにしか見えません。傍目には変な人にしか見えないが事情を知っているので、勝頼の動きを凝視しています。三雄の娘は三雄のまわりを歩いて回ったりして何がどうなっているのかを見極めようとしている。現代人の方が物事を科学的に考えるという事ですね。三雄が木の向こう側に向かって話ししているので、そっちに回ってみたりしています。当然ですが何も見えません。


「おい、寧々、気になるだろ。ちょっと動くのやめろよ」


寧々と呼ばれた娘は三雄の視界から見えないように隠れました。勝頼は笑いながら、


「昔、恵子殿も同じような事をしていませんでしたか?」


「娘だからな。行動も多少似るのだろう。ところで、今日来てもらったのは例の件と、本多正信についてだ」


「例の件とは明智十兵衛ですね。父上と相談しました。父上も明智を見たことがあるので」


「どこかでそうなるような気がしている。その時に間違った判断をして欲しくないんだ。この件はこれくらいで後は好きなようにするといい。それと本題の本多正信なんだが、寧々とじっくり話した結果………」





「そうですか。この前も話を聞き、調べさせているのですが松平時代の事はわかってもそれ以降の事がわからないのです。本願寺にいたとしか」


「こっちの記録でもそうなっているよ。根来寺の僧達に鉄砲を仕込んで信長の命を狙った事になっている。秀吉とは違うタイプで人を操ろうとする。家康の軍師で冷血な男だ。こっちの歴史だと、本多正信の子供が上杉の、直江兼続の娘と結婚して婿に入るんだ。徳川のスパイとしてだけど」


「スパイですか。スパイというのは?」


そこで徳が声を上げる。


「スパイですって!本当にいるのね!」


甲高い声で興奮しているのがわかる。勝頼には意味がわからない。


「すいません。徳がスパイと聞いて興奮しています。スパイというのはなんでしたっけ?」


「お前は写すのに追われて意味をわかってないからな。徳さんが知っているって事はお前が写したんだぞ」


「面目無い。写すだけで精一杯で意味までは追いついていないのです」


「だからこそ、軍師が必要なんだ。お屋形様にはやる事が多い。それを補佐する役目の人が居ないと追いつかなくなる。徳さん、竹中半兵衛、武藤喜兵衛。家康のそれに当たるのが本多正信、秀吉には黒田官兵衛、石田三成とな」


そこで寧々が口を挟む。


「三成は少し違うわね、で、お父さん。スパイの説明をしないと」


「そうだ、そうだそうだった。つい話が逸れちゃうんだよな、悪い癖だ」


勝頼はなにかを感じた。


「今、娘さんですか?うっすら声が聞こえたような気がします」


「マジか?おい、寧々。お前もなんか話してみろ!」


「ええっと、そんな事言われても。私は興味本位で付いてきただけだし」


「その割には無茶苦茶協力してくれただろ?」


「そりゃ私の仕事は歴史ですから。こういった話しは得意なのです。それにお母さんの戯言だと思ってたのが本当の事なら、甲斐姫には幸せになってもらいたいじゃん。推しは推せる時に推せ!がオタクの生き様よ」


なんか違う気がする。


「寧々殿、はじめまして。武田勝頼でござる」


寧々は驚いた。


「え、聞こえるぞ、私にも聞こえる」


「それを言うなら私にも見える、だろ。って、なにいいいい!聞こえたのか、勝頼の声が!」


なんか大騒ぎです。そんな中、徳だけがキョトン?としています。


「ねえ、勝っちゃん。何が起きてるの?」


徳は二人っきりの時は勝っちゃんと呼びます。こう呼べるのは徳だけです。


「ああ、三雄殿の娘さんにも俺の声が聞こえたらしい。諏訪の血を引いているのだからだろう」


なんかドヤ顔でもっともらしい事をいう勝頼に対し、徳はバッサリ切り捨てます。


「知ってる?そういう非科学的なのをオカルトって言うんだよ。でも不思議だけど事実だしね。でもさ、そうなると三雄殿ってもうお年でしょ?こんな事言ったらなんだけど何かあったら娘さんが引き継げるんじゃない?」


「……… 」


これはなんかおかしな方向へと話が進んでいます。そういえばスパイの話はどこへ言ってしまったのでしょう?勝頼は徳の爆弾発言を穏やかにして三雄に伝えました。三雄の娘の寧々は、


「それは私には荷が重いわよ。お父さんは勝頼さんが大事なんだろうけど、私は仕事柄興味本位になっちゃう」


「おお、それがしにも寧々殿のお声が聞こえました。寧々殿、寧々殿もそれがしの子孫という事になりますな」


勝頼はいいところを突きました。


「あっ、そうか。武田勝頼は諏訪だからご先祖様なんだ。それじゃあ仕方ないね。お父さんに何かあったら私が引き継ぎます」


三雄はコケた。切り替え早!


「おい、寧々。髄分と軽く受けるけど結構大変だぞ。既に歴史は変わってしまって何がどうなるのか想像もつかない」


「想像はついてるわよ。武田勝頼と豊臣秀吉の東西決戦。それに勝たせればいいのよね。ご先祖様じゃ仕方がないじゃない。この寧々にまっかせなっさい!」


勝手に向こうで盛り上がってるけど徳には話が聞こえないし見えていない。キョトンとしている徳に勝頼は状況を説明した。徳は、


「なあるほど。甲斐姫が好きなのね、勝っちゃんと一緒だね」


「そこかよ!」


勝頼は、ガクッとこけた。



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