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未来を知った武田勝頼は何を思う  作者: Kくぼ


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情報収集

 勝頼は本多忠勝に自分の城へ向かうように命令して、きつく命令して、キビーーーーしく命令して岡崎城へ向かった。忠勝はなぜか喧嘩腰なのです。よっぽど昔、気が合わなかったのかハナっから本多正信を斬ってしまいそうな勢いなのです。勝頼は情報からとりあえず会って見ることにしました。なぜかといえば、聞いた情報の裏を本人から聞いてみようと思ったのです。勝頼は人材を欲しています。と、いって誰でも言い訳ではありません。組織が大きくなれば色々な連中が出てきます。それは派閥を産みマイナス面も出るでしょう。信玄の時代でさえ派閥はあったのですから。


 岡崎城へ入るとそこには野田城の菅沼が待っていました。菅沼は室賀の与力だった男です。菅沼は平伏し、


「お屋形様。室賀様を止められなかったのはそれがしの責任でござる。どのような沙汰もお受けいたします。ただ、息子はなんとか取り立てていただきたくお願い申しあげます」


 いきなり来たね。そうか、こいつは自分が責められると思っているのか。


「菅沼、何があったのか申してみよ。沙汰はそれからだ」


 菅沼はホッとしたような顔をしてから、姿勢を直し、話し始めました。


「まず一色という男が武藤様が不在に岡崎に現れたのが始まりでございます。一色は旧今川勢、旧徳川勢の武田様、武藤様を良く思っていない者を集めていました。その一色は室賀様のところへも何度か訪れていました。その噂はそれがしのところにも届いており、室賀様に一色の話をしたところ、待てとの事でした」


「そうか、それで?」


「室賀様が野田城へ現れました。その少し前に一色が兵を集めて岡崎城を攻めているという噂が入り、室賀様に指示を仰ごうかと思っていた時でした。そして一色を倒すため岡崎へ向かうから兵を出せというのです。それがしはすぐに山家三方衆を集め岡崎城へ向かおうとしたのですがすでに長篠城の菅沼殿、奥平殿は室賀様に同行しておりました」


「ふむふむ、先に一色というやつが岡崎を攻めたというのか。そいつは何者だ?」


「名前だけは聞いた事があります。元今川家臣で、駿河に領地があったと思います」


「どこの城を持っていたか知っているか?」


「確か、小川城だったと思います。朝比奈殿や岡部殿にお聞きになるのがいいと思います」


「そうか、朝比奈は生きているのか?」


「………、そういえば姿を見ておりませぬ。まさか」


「お主は知らないという事だな。それで?」


 こいつは朝比奈の死を知らないのか?聞いた話を繋げると知っていてもおかしくはないのだが、続きを聞こうとしよう。


「岡崎に着くと室賀様は急に一色に味方すると言い始めたのです。そしてそれがしや奥平殿、菅沼殿に味方するようにと言って城へ入って行きました。残された我らは相談を始めたのです。正直に申し上げますと、揉めました。菅沼殿は武田を裏切ってもいい事はないといい、奥平殿は室賀様への恩は捨てがたしと言います。山家三方衆と呼ばれる我らは今までも協力して生き残ってきました。奥三河という土地を守るためにです。これは武田内部の争い、どちらについても得はない、何もしないというのがそれがしの意見でした」


「お主らしいな。(ケン)か」


「これも生き残る術でございます。ですが、そこにある男が現れたのです。その男は本多正信と名乗りました」


 出てきた出てきた。忠勝の言う軍師という名の詐欺師。本当に詐欺師なのか策略家なのか?


「その本多は、旅をしていて一色の動きを見ていたと言いました。徳川家康公の家臣だったそうで、徳川の生き残りを集めていたのです。そして我らに一緒に岡崎城を取り返そうと提案してきました」


「ほうほう、それからどうしたのだ?」


「それがしはどこの馬の骨かもわからんやつに乗れないと言いました。室賀様に恩があると強気で言う奥平殿は、室賀様への付くと言って城へ入っていきました。山家三方衆が敵味方に別れてしまったのです。そして田峰城と長篠城の菅沼殿は、武田様への忠誠をと本多正信に味方をすると言い始め、それがしもそれに乗りました。そして、」


「待った!お前は本多正信に会ったのか?」


「はい。我らの軍議に割り込んできましたのでその場で」


「その本多とやらに事前に会った事があるやつはいたか?」


「いなかったと思いまする。皆、本多が退席した後、なんだあいつは、と憤慨しておりましたので」


「そうか、だとするとなぜ田峰や長篠の菅沼は本多へ味方したのだ?初めて会ったのであろう?」


「はい。話しぶりが実に見事でございました。今から考えると不思議でもありますが元々、我らは岡崎をこのままにできないと思ったおりましたので、つい吸い込まれてしまい同意したのです。目的が同じなら兵は多い方がいいので」


 話は一応通っているし聞いている情報とも概ね一致する。菅沼を解放して錠を呼んだ。


「錠、どう思った?」


「嘘をついていると思いました。ただ、どれが嘘なのかはわかりません。ゼットの面々が集めた情報とも差は無いのですが、何というか」


「なんだ?」


「作られた話のような感じを受けました」


 勝頼は錠を信頼している。歌って踊って戦える側室、徳の弟である錠はすでに百戦錬磨と言ってもいいくらいの経験を積んでいる。その感覚は信用してもいい。


「本多正信に会ってみよう」




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