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未来を知った武田勝頼は何を思う  作者: Kくぼ


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政宗尋問

 伊達政宗らしき男はしばらく唸っていたが、


「おのれ、風魔め!」


 と小さく独り言を言っている。こいつは本物かもな、と思いつつ勝頼はそれを無視して直江兼続に話しかけた。


「うむ、おかしなことになっておる。そうだ、兼続殿。お主、何やら余の事を探っていたようだが何かわかったか?」


 兼続は関東の事だなと一瞬で理解して、


「滅相もありませぬ。ただ、武田様の戦術を学ぼうと関東各所を回った次第。それと上杉は先代の時代に関東では色々とありましたので景勝様に変わった挨拶回りも兼ねてです」


「元は関東管領だしな。まあ謙信公は養子だから、あっ、景勝殿も養子か。上杉でもなんでもないじゃん。ウォッホン!いやなんでもない、お家を残すというのは大変な事だ。で、お家といえば伊達家なんだが上杉と伊達は敵対しておったな。政宗とはどんな男だ?」


「それがしは会ったことも直接戦でぶつかった事もありませぬ。聞いた話では策略家で人を欺くのが上手いそうですが、人の噂ですので」


 兼続は噂を信じるのはどうか?と言っています。それに踊らされてはいけないということです。


「弟の小次郎はどうだ?」


「小次郎という弟がいると聞いた事があるだけです。それと景勝様が家督を継がれた後に伊達輝宗から和議の申し出がありました。もちろん断りましたが」


「ほう、それは初耳だ。政宗でなく輝宗からか?」


「はい。奥州に攻めてくる敵に協力して立ち向かおうというものでした」


「それは余の事か、秀吉か?」


「両方かと。どうも輝宗と政宗は上手くいってないのではないかと景勝様が言っておられました」


 上杉景勝は伊達親子が一枚岩に感じなかったようだ。だが、それも芝居の可能性もある。


「そうか、伊達家は面白い家だ。武家にも色々ある。生き残るのは並大抵の事では出来ん。そこにいる相馬殿のところも大変な苦労をされておる」


 勝頼が相馬盛胤の顔を見ると、ご存知なのか?と不思議な顔をしていた。勝頼はゼットの面々から奥州の情報を集めていた。家の歴史、関係を含めて。相馬の名前には胤という字が含まれている。これは元は源氏の奥州征伐に加わった千葉常胤の子孫を意味している。千葉家も相馬家も本家筋には胤の字が名前に付いていて、それは現代まで続いている。余談だが、地名に武家の姓や名が残っているところは日本各地に存在するが、県名になったのは千葉姓だけだ。


 相馬家は千葉家から別れた一族で土地柄、伊達家とは縁戚を結んだ事もあったが盛胤の父の代からは敵対している。伊達家から嫁いできた嫁を返してまでだ。領地を守るために女性が犠牲になるのが普通の時代、領地を守る、広げるための争いが絶えないのだ。特に伊達家は好戦的で周辺の家は苦労をしていて今存在する家はなんとか生き残ってきたに過ぎない。




 勝頼は義姫だけでなく小次郎も偽物だった事、政宗もしかり、ここで起きた事を兼続に説明した。兼続は、


「それは例の風魔の手口ですか?でもそんなに似せられる物なのですか?それがしは武田様の偽物も北条氏直の偽物も見ていないので」


「そこの義姫はどうだ?そっくりだぞ。徳に言わせると特殊メイクというらしいのだがかなりの高等技術だそうだ。だが、義姫は声までそっくりだったぞ。おそらく声まで真似できる忍びはそう数はいないと思う。油断はできんがな。で、兼続。お前は何しに来たんだ?」


「………、直接お話ししたい事があって参りました。戦が終わった後にでもお時間を頂きたくお願いいたします」


 兼続はやっぱり勝頼はすごい、と感心しつつまだ終わらない戦を見始めた。いつのまにか勝頼の後ろに信勝が来ている。兼続は信勝を見て、勝頼が家督を早めに譲ると確信した。上杉の二の舞はしないであろうと。



 2時間後、城から出てきた兵は死傷するか逃げ出すかして大方かたがつきました。穴山梅雪が城へ先に入っていきました。そこに馬場信春が周辺の城を落として戻ってきて驚いています。山県昌景が馬場に何があったかを説明した後、勝頼は舌を噛まないよう猿轡をして縛られている伊達政宗の尋問を始めました。横には信勝、本多忠勝、山上道及、それと直江兼続が座っています。馬場と山県は政宗の近くにいて有事に備えています。馬場が政宗の猿轡を外しました。手足には銃弾が残っていて一挙一動が痛そうです。


「さて、伊達政宗殿。お主は本物の政宗殿のようだが何か言いたいことはあるか?」


「早く殺せ!話すことは何もない」


「そうか。余はそれでも構わんのだが、伊達家を残したいとは思わないか?」


「俺のいない伊達家など意味のないもの。だが、気になるのは小次郎だ」


「余が斬った小次郎殿は偽物だった。風魔の忍びだと思うのだが心当たりはあるか?」


「さあな、知らん」


「さっきおのれ風魔め!とか言ってなかったか?義姫は殺さないとか約束でもしてたようだな。だが、あの風魔という連中は義姫を殺した。小次郎殿もどうなった事か?」


「この俺が騙されるとは、焼きが回った。親父殿も死んだ。これで伊達家は終わりだ」


 えっ、輝宗も死んだの?

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