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未来を知った武田勝頼は何を思う  作者: Kくぼ


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政宗踊らされる

 政宗は風魔の太助から、武田がどうやって小田原城を落としたのかを詳しく聞きました。かつて上杉謙信が十万の兵でも落とせなかった堅城をこの短期間で落とした武田の秘密をです。政宗は驚きながらも、


「俺はそもそも間違えてはいない。武田がこんなに早く東北にこれるはずがないのだ」


「伊達様のおっしゃる通りでございます。秀吉様も小田原城が落ちるとは思ってはいませんでした。北条氏政公にも空からの攻撃に備えるよう伝えてもいたそうです」


「空から攻められると知っておって城を燃やされたのか!氏康公は立派な方であったと聞くが氏政は大した事がなかったのだな、というより阿呆だ」


「秀吉様は3年北条が保つと思われておられました。そして3年後には」


「俺と北条と組んで武田を、か。絵面は良さそうだがすでに崩れた。俺も武田に攻められて引かされた。だが、武田はそのようなおかしな武器は使っていない。鉄砲の数は多かったが」


「そうですか。それも秀吉様にお伝えいたします。おかしな武器は数に限りがあるようですし、伊達様が戦われたのは勝頼本隊ではありません。おそらくは本隊には備えがあるのかと」


「そうか。となると本隊に出てこられてはこの城などひとたまりもない。籠城したところで空から燃やされては意味もない。空から来るとわかっていれば備えもできるが、長期戦ではまず勝ち目はあるまい。せっかくおいでいただいたが、この政宗、これまでのようだ」


「そこでご提案がございます」





 風魔の太助。風魔の小太郎に信頼が厚い忍びです。風魔の手練れもだいぶ勝頼に減らされてしまいました。今いる中では最も信用できるのがこの太助でした。小田原を追われた風魔は播磨に拠点を設けた。風魔の小太郎が九州まで秀吉を追いかけて秀吉配下になったのです。小太郎と秀吉には秀吉が小田原在住中に接点がありました。その縁を利用したのです。


 秀吉は北条が呆気なくやられた事に驚きましたが、すぐに勝頼暗殺を風魔に命じました。実際、小太郎は命じられる勝頼を狙っていました。武田にはやられっぱなしなのです。秀吉の敵でもありますが風魔の敵でもあるのですから。ですが、勝頼に近づく事さえできません。風魔の悠次郎が信玄を殺した?事もあり警戒が厳重な上、お付きの人間も皆手練れなのです。なにやら合言葉があり、それもちょくちょく変わるそうで近づいた者は捕まってしまっています。小太郎はこれ以上勢力が削られるのを嫌い、直接の暗殺は諦めました。そして機会が現れます。勝頼の東北遠征です。


 小太郎は自ら出向く事も考えましたが、秀吉に側にいるように言われ九州へ行く事になりました。そして武田の情報を秀吉に集める事に専念します。代わりに太助が派遣されました。太助は古府中から勝頼を追尾している仲間と合流し行動しています。そして伊達政宗を利用する作戦に出たのです。



 太助は最上の使者が帰った後、伊達小次郎の陣に潜り込みます。すでに風魔の者が蘆名の兵と入れ替わっていました。小次郎の兵には元は蘆名の兵もいて知らない顔がいても怪しまれ難いのです。そして夜中に義姫を殺し、小次郎を捉えて担ぎ出します。義姫は手強く捉えるのは難しいという判断でした。小次郎は使い道がありそうです。その上で、伊達政宗に作戦を伝えました。義姫を殺した事は内緒にして。




「武田勝頼を討つのです。それ以外に伊達が生き残る術はありません」


「小次郎が伊達を継ぐ、そして武田の庇護のもと伊達家が続く。それもよかろう」


「それでは政宗様は?」


「本心の訳がなかろう。小次郎では伊達家は続かんよ。あいつは人が良すぎる。この戦国の世ではな」


「ここで勝頼が討てれば勝頼に味方している武将たちも自分の立ち位置を見直すでしょう。秀吉様の声もあちこちにかかっております。佐竹や結城も勝頼に何かあれば中立を保つと言っております」


 嘘だった。そんな話はどこにもない。政宗はそれは嘘だなと気がついたがこのまま何もしないでいても死ぬだけだと話に乗る事にした。


「母上と小次郎は無事なんだろうな!それに変装するそうだがそんなので勝頼を騙せるのか?」


「お母上と小次郎様はあるところに隠れておいでです。我らの説得に乗ってくれました。政宗様のお命を守るにはこれしかないとおっしゃっておられました。変装につきましては、これをご覧ください」


 そこに義姫と小次郎が入ってきた。


「母上、いつお戻りに」


「政宗殿。母に見えますか?」


「な、なんと。これが変装だというのか?声も同じだぞ」


「兄上。これくらいで驚かれては困ります」


「小次郎、お前も偽物なのか。ぅううう、なんという事だ。これなら誰もが気がつくまい。太助、乗った。俺は乗ったぞ。で、どうすればいい?」




 そして芝居の内容を決めた。伊達政宗が城から出る3日前のことだった。


 ところが、なぜか武田勝頼はこの芝居を見破った。それだけでなく隙をついたはずの偽小次郎をも瞬殺したのだ。本来は政宗が、それが無理なら小次郎か義姫に扮した者達が勝頼を殺すはずだった。二の矢、三の矢と用意してあったのだ。なぜか芝居を疑われたので、政宗が大声で周囲の注意を引きその隙に勝頼を殺すパターンに切り替えたのだが失敗してしまった。


「政宗。首を刎ねさせて貰う」


 勝頼がそう言うと政宗は動きを止めた。もうジタバタしても始まらなそうだ。と、その時米沢城の門から大勢の兵が飛び出てきた。





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