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未来を知った武田勝頼は何を思う  作者: Kくぼ


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喜兵衛の新兵器

 源三郎は丹羽長秀が後ろに下がって行くのを見送った後、大砲、中砲をいつでも発射できるように待機させて様子見です。このまま敵が突っ込んできたら引く。留まったら押す。押せば引け、引けば押せ。父、武藤喜兵衛からはその指示しかありません。


 敵は丹羽隊が引っ込みここに別の部隊が待ち構えているのを見て留まりました。そしてそこで陣形を立て直しています。正攻法というか、そのまま突っ込む危険を考えたのかわかりませんがとにかく止まりました。そして鉄砲隊を前に出しています。こちらから進めば鉄砲の餌食、向こうから攻めて来るのは後詰めが来てからでしょうか?源三郎はそんな事を考えながらタイミングを見計らっています。敵の位置は鉄砲の射程距離外ですが、こちらには大砲、中砲があります。どちらも届く距離ですが今撃つのが効果的とは思えません。


「佐久間殿、監視を怠らぬよう。前へ出るか引くかの駆け引きが難しい」


「武藤殿。丹羽様は見事でございました。我らも続かねば」


 まさにその通りだ。武田もいいところを見せなくては。と、その時どこからか佐助が現れました。


「源三郎様、100数えたら大砲を撃ってください。そこが絶好機と思われます」


「佐助、敵陣に残ったとおもっていたぞ。そうか、もう後詰めが来るのか?」


「功を焦っている甲賀衆が突っ込んで来ます。引くのはその時です」


「わかった。だが、我らが引いたらどうなるのだ?後ろの丹羽様の軍はさらに下がっているし、本陣が危ないのではないか?」


「お父上が出迎えましょう。では」


 父上が?何をする気だ?源三郎は喜兵衛が何を企んでいるのかを聞かされていない。指示に従うのみだ。




「98、99、100。撃てー!」


 源三郎は真面目に百を数えてから大砲、中砲をぶっ放しました。砲弾は5発です。砲撃隊は喜兵衛から預かった砲撃専門の部隊です。喜兵衛は勝頼が以前諏訪や高遠で行なっていたように武士と農民を分けました。そして竹中半兵衛を見習って適材適所に人材をあてがっています。武士は徹底的に訓練され、自分が向いている方面に配置されています。砲撃隊は剣術や槍術が苦手でも投擲が上手い人達が集められています。彼らはさらに役割を分割されて、弓矢隊、ボーガン隊、そして手筒隊、砲撃隊とそれぞれ別々に訓練されてきました。

 今こそ砲撃隊の出番です。喜兵衛は口にこそ出しませんが徳にいつかは勝ちたいと思っています。そのために学び、必死に訓練をさせてきたのです。


 砲弾は見事に敵陣の真ん中辺りに落下しました。今回使ったのは拡散弾でした。弾が地面に落ちると同時に爆発して尖った鉄くずを高速で撒き散らす、桜花散撃の大砲版です。敵は爆発で吹っ飛び、飛んできた鉄くずで怪我をして動けなくなってしまいました。


 源三郎はすぐさま撤収指示を出し大砲と中砲を下がらせます。まだ撃てますが十分でしょう。両方とも荷車が付いていて移動がしやすいように改良されています。とはいえ人に比べれば移動に時間がかかるのでさっさと下がらせます。前衛の佐久間隊はまだ動きません。敵の動きを見ています。


 そして砲撃を受けた波多野隊が下がろうとしているのを見て、ここで下がるのか、どうする?と思った時に甲賀衆が後ろから現れました。それを見て佐久間は源三郎を追うように全速力で下がり始めます。


 甲賀衆は勢いよく突っ走ってきましたが地面にばらまかれた鉄くずを踏んでしまい、動きが鈍くなっています。その隙に源三郎、佐久間は後方へ下がる事ができました。


 やっと鉄くずエリアを越えて甲賀衆が源三郎達がいたところまで来た時、正面を逃げていく兵の間から何か箱のような物が進んでくるのが見えました。


「あれは何だ?」




 源三郎は下がる途中でその物体に遭遇しました。初めて見るその物体に驚きます。


「あれは何だ?誰もいないのに勝手に動いている。どういう事だ?」


 止まろうとする源三郎を佐久間が追いつき咎めます。


「武藤殿、早く行かねば」


 源三郎が諦めて進んでいくと正面に六文銭の旗と武藤喜兵衛が見えます。その横には見慣れない女達が何かを動かしています。


「はい、そうよ。まっすぐ進んでね。そうよ、そこ!」


「地面がデコボコだから操作が難しいわね。絶対にひっくり返しちゃダメよ。大変な事になっちゃう」


 源三郎達が到着すると喜兵衛は、


「ご苦労であった。弾を温存したのも見事だ。丹羽殿といいお前といいここまでは完璧だ」


「あの物体はなんでしょう?」


「まあ見ておれ、初公開だ」


 その物体は四つの車輪が付いていました。それが回転して前に進んでいます。車輪の上には箱が乗っかっています。大きさは自動車くらいで人は乗っていません。源三郎は箱もさることながら操作している女達が気になって仕方ありません。


「父上、この者達は一体?」


「質問が多いな。こいつらは特殊部隊ゼットのチーム戊、女だらけの魔神組だ」


 それを聞いた女達5人が源三郎へ挨拶を始めました。


「魔神組一番、あい」


「魔神組二番、ひなた」


「魔神組三番、りか」


「魔神組四番、みれい」


「魔神組五番、りこ」


『5人揃って、魔神ゴー!』


 5人が怪しいポーズを決めているのを喜兵衛が呆れながら5人の頭を小突きます。


「そんなことしとらんでさっさとやらんか!」


 源三郎は固まっています。なんなのこいつら?





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