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未来を知った武田勝頼は何を思う  作者: Kくぼ


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弾対小太郎

 岡崎城では、武藤喜兵衛の長男である源三郎信幸が武田信豊と囲碁を打っています。


「もう機嫌は治ったのか、源三郎」


「最初から機嫌を損ねてはおりませぬ」


「そう怒るな。ほれ、ここをこうだ」


「殿。怒ってはいないと申しております。では、ここに」


「おっ、この野郎。その手は怒っているではないか」


「怒っているのではありません。当たり前の手を指しただけです。殿こそここでのんびりしてていいのですか?」


「こう見えて上杉、織田とは連絡を取っている。抜かりはない。お屋形様から秀吉と明智の動きを見張るよう言われているがそっちも抜かりはない。織田が伊賀者を使っていてな、まあお手並み拝見というところだ」


「それがしは何も仕事がありません。源二郎は小田原へ出向いているというのに」


「ほれ、怒っているではないか?」


「違います。頭ではわかっております。わかっていても、なんともし難く」


 武藤喜兵衛には2人の息子がいます。源三郎信幸と源二郎信繁です。喜兵衛は今回の戦に源二郎のみを連れて行きました。源三郎は自分も連れてくように志願しましたが、全員死んだらどうする、跡取りは残れと言われて仕方なく三河に残ったのです。ごもっともなのです。なのですが、なんか気に入らないのです。それを信豊は面白がって可愛がっていたのですが、囲碁で仕返しされていました。


「源二郎、無茶はするなよ」




 その源二郎は逍遙軒とともに甲斐から武蔵に入った後、小山田隊とともに郡内から箱根に入りました。喜兵衛が選んだ選りすぐりの兵20名を連れて行動しています。この小山田隊には勝頼お気に入りの軍監、菅原隆則がいます。源二郎は喜兵衛から何もするな、ただこの戦をよく見るように、と言われていました。勉強しろという事でしょう。現在、この隊は足柄城を囲んでいます。源二郎は菅原の指図をよく見ていました。最初はただ城を囲んでいるのかと思いましたが、その割には忍びらしき者や物見の兵にやたらと指図しています。


 ここで源二郎の悪い癖が出ます。興味津々、こっそり物見の後をつけ始めました。







 風魔小太郎は周りが戦いに集中している隙に、武田の空を飛ぶ道具を奪い取ろうとしていました。


「うーむ、どうやって飛ぶのだ?飛ぶところを見逃したのが痛い」


 本当なら足柄城から風間与太郎がもっと武田を引っ掻き回す予定だったのですが、武田の別働隊に城を囲まれてしまいました。何度か抜け出そうとしたようですが、武田に策士がいるようで出口には罠が仕掛けられていました。小太郎はしびれを切らし北条兵を使ってなんとかここまで来ましたがすでに何人かは空へ飛び立ったようです。


「空から仕掛けて来ることは氏政も知っておったしなんとかするだろう。それよりもこっちだ」


 小太郎は尾張出須(オワリデス)を持ち上げて見て、なんとなく持つところがわかりました。ここをこう持って、こんな感じで飛ぶのか?しかしどうやるのだ?と諦めてそのまま持ち去ろうとした時に気配を感じ跳びのきます。そこに苦無が飛んできていました。


 小太郎は素早く避けて刀を抜きます。そこには武田兵が立っていました。チーム丙のリーダー、弾です。


「北条の忍びか?それは置いていってもらおう」


「やれやれ。ここで見つかるとは恐れ入った。だがな」


 小太郎は手裏剣を投げ、相手が避けた隙に斬りかかります。弾はそれをバク転して避けて苦無を投げました。小太郎は刀で苦無を弾き、今度は刀を投げました。慌てて避けた弾に向かって変わった投げ方で手裏剣を投げる小太郎。


「刀を投げるとは、そこまでだな。な、何!?」


手裏剣を軽く交わし刀を抜いた弾の背中に手裏剣が刺さりました。避けた手裏剣が戻ってきたのです。


「何、避けた筈だ。どういう事だ?」


「風魔の技だ、それには毒が塗ってある。なかなかの腕だが相手が悪かったな。チッ、見つかったか!」


 そこに槍を持った武田兵が駆けつけようとしていました。玉井伊織以下数名です。小太郎は尾張出須(オワリデス)を諦め、崖下に逃げ出しました。


「仕方あるまい。しかし武田め、なかなか手強い。切れる奴がいる。だが悠次郎を殺したのはこいつらではあるまい。さて、向かうは足柄城か小田原城か」





玉井は弾の元へ駆けつけ、用意していた毒消しを飲ませます。北斗は間に合わず命を落としました。今ならまだ間に合うはずです。


「しっかりしろ、もう大丈夫だ」


「た、たまい様。ふ、不思議な技を、つ、使う敵です」


「わかった。もう喋るな!」


「よ、避けたのに後ろから………」


そこまで言って弾は気を失いました。しばらくすると小田原城へ向かっていた兵が千名ほど戻ってきました。竹中半兵衛が残していった物見が報告をし、一部兵を返したのです。武藤喜兵衛は、


「さすがは半兵衛殿だ。これで一息つける。小田原城が見えるところまで移動するぞ。あいつらの活躍を見ようではないか」


喜兵衛は半兵衛に使者を送り無事を知らせました。小田原城撃破作戦A、計画より数は減りましたが実行開始です。

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