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未来を知った武田勝頼は何を思う  作者: Kくぼ


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宇都宮国綱

 時は1582年、三雄の歴史では武田氏が滅び、本能寺の変が起きる年です。この時代?では未だに武田信玄が健在。本能寺は焼失し、信長は秀吉に討たれました。そしてまだ元気な信玄は宇都宮城に入り、当主の宇都宮国綱と会うことになります。この時、宇都宮国綱は14歳です。早くに父を亡くし家を継いだのはいいですが、結城、佐竹、北条、近隣の皆川氏に囲まれて、その間をうまく立ち回ってきて今日に至ります。現在は佐竹、結城と結んで北条と敵対しています。


 信玄は国綱の顔を見て驚いています。まるで勝頼の若い頃をみているかのようでした。この若さで堂々と自信に満ち溢れています。


「宇都宮国綱でございます。武田様に御拝謁でき恐悦至極に存じます」


「武田信玄じゃ。わしも国綱殿に会えて嬉しく思うぞ。その若さで見事な立ち回り。感心しておったのだ。のう三郎兵衞」


「大屋形様のおっしゃる通り。この不安定な土地で家を守るのは大変な事と存ずる。宇都宮殿は武田をどうお思いか?」


 この宇都宮城には信玄達と一緒に道案内として佐野宗綱、壬生周長が同行しています。壬生は北条方として宇都宮氏とは争ってきた間柄です。信玄は、下野を抑えるにはこいつらのわだかまりを解く事が重要と考えたのです。勝頼の方針は出来るだけ戦わずでした。天下に名高い武田信玄の威光はいるだけで圧力になります。


 宇都宮国綱は、後ろに控えている壬生周長をにらみます。佐竹、結城と結んでいる宇都宮は北条と組んでいる壬生は目先の敵でした。それが武田に従ってここに来ている事が面白くもあり、歯がゆくもありました。ただ強者に従うしかできない自分達に。


「宇都宮は武田様と争う意思はございません。そこにいる壬生殿が武田様の下につかれるのであれば争う事はないでしょう」


 国綱は山県昌景の問いをはぐらかした。国綱にも佐竹、結城に対する恩がある。ただ武田が出て来たからといってヘコヘコは出来ない。


 それを聞いて信玄は大きく頷いた。見込みがある、と考えたのです。ここにいる佐野は最初武田と戦おうとした。上杉の攻めを10度も退けたという自信があったのだろう、武田何する者ぞ、と。だが、信玄は勝頼の考えを尊重して、勝頼が寄越した上泉伊勢守を使って交渉を試みた。そうしたところ、時間はかかったが懐柔する事が出来た。武田と上杉が結んだ以上、意地をはっても仕方がない。ただ、意地。武士の意地で抵抗したのです。それに対して、壬生は呆気なく下ってきました。信玄は壬生はまた状況によっては寝返ると見ています。


「宇都宮殿。武田は上杉、北条と同盟を結んでいた。それを北条は一方的に破り戦を仕掛けてきた。これは許される事ではない。そこでだ、佐竹殿、結城殿も北条とは敵対しているであろう。武田は北条包囲網を作りたいのだ。協力して貰いたいのだが」


 信玄の威圧的ではない物言いに宇都宮は共感を持っています。そのまま武田の下に入れと言ってくることを覚悟していたのですが、こちらの立場を考えて話をしてくれています。


「承知仕りました。結城様、佐竹様との繋ぎ、この宇都宮が努めましょう。この城をお使いください」


 これには武田の重臣達が驚いた。自分の城に信玄に居ろと言っているのだ。そんな事をして佐竹、結城はどう思う?


「宇都宮殿。かたじけない。それでは遠慮なく使わせて頂こう」


 信玄は宇都宮の申し出を受けた。この男にはこの男なりの考えがあるのだろう、と。その宇都宮は、武田が下野へ出て来た事を知り、佐竹と結城に相談を持ちかけている。両家とも武田と争う意思はありませんでした。当然、上杉、北条との関係も知っており北条と敵対している両家は対等な関係であれば共存の道を選ぶと。だが領地を取られるようであれば戦にもなり得るとの回答でした。ならば、生き残りをかけて間に入る事にしたのです。命がけで。


 信玄はこの遠征に2万の兵を連れて来ている。城下だけでは収まりきれないので大半が野宿だ。兵の一部は鹿沼城、壬生城にも入っている。佐竹、結城との会見の場は宇都宮城で設定されたが、まだ日があるその時間を使って、北条の館林城、小山城に仕掛けた。北条が大人しいのがかえって不気味なのだ。様子見です。館林城、小山城とも籠城を選択している。攻め落とすには時間がかかりそうだ。


「三郎兵衞、北条の動きは?」


「氏政の嫡男、氏直が武蔵へ入ったそうです。兵は一万」


「ついに動いたか」


「それが、滝山城から動く気配がないと」


 氏政め。一体何を考えている?信玄は氏政と秀吉の関係を調べさせているが上杉の忍び、梟から聞いた以上の事が出てこない。風魔については調べていた草が皆行方不明になっている。


 そして佐竹、結城との会見前日に、やっと勝頼が到着した。なぜか一人で。

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