表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
未来を知った武田勝頼は何を思う  作者: Kくぼ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

181/471

勝家出撃

 大和では筒井順慶が松永弾正の残党に苦戦していたところに滝川一益が攻めかけてきました。島左近の頑張りもあり、筒井はなんとか持ちこたえています。


 佐々成政は本願寺で籠城を続けています。柴田勝家に出した手紙の返事を待っているのです。念のため何度か物見を出しましたが誰1人として戻ってきませんでした。ですが、戦が始まっている事はわかります。状況がある分からず耐えるしかありませんでした。



 荒木村重は池田城に戦力を集め、先行してきた柴田勝家を出迎える構えです。そこに援軍として木下秀吉が五千の兵を連れてやってきました。


「荒木殿、毛利輝元様の命令により助太刀いたす。毛利軍の後詰は4万だ。安心して戦われよ」


「敵は勝家が出張ってきおった。信長はまだ京にいるようだ」


「信長は直ぐに来る、あのお方は動くと速い事は知っているでしょう。丹羽は越前にいるようだから、明智、佐久間あたりが近江、美濃勢を引き連れて来るというところか。滝川は伊勢から大和を攻めているそうだ。筒井もこれまでかな」


「何を呑気な。本願寺と勝家が合流するとまずい。あそこへ入られると攻めるのは簡単ではない」


「確かに。だがそれはない、本願寺への道は潰してある。織田方は連絡も出来ないはずだ。勝家が大軍を率いて向かえば入られてしまうが、あの親父に限ってそれはない」


「なぜわかる?」


「その為にわしが来た。わしの旗印を見れば、こっちに突っかかってくるよ、あのおっさんは。それにあの信長が籠城する方に回ると思うか?城を武器として使うには今の本願寺はほぼ更地、あり得んよ」


 ここに黒田官兵衛は来ていません。官兵衛は先行して高槻城へ向かっています。目的はそうです、柴田勝家を煽りに行ったのです。


 官兵衛は千名の兵を連れて勝家本陣へ向かいました。勝家の軍は兵1万ですが、周辺の城を落とすために分散していて本陣には二千の兵が残っています。後から佐久間隊が詰めてきていて後方は心配ありません。


 勝家はいつまでたっても出てこない佐々成政に痺れを切らし始めました。


「成政め、なにのんびりしておるのだ。利家、わしがちょっと行ってけしかけてくるわい」


「親父殿。ここは戦場、そのような余裕はないですぞ」


「なーに、荒木本体は動いておらず、周辺の城も囲んでおる。上様がおいでになる前に成政が荒木の首でも取っておかねば格好つくまいて。我が隊は徐々に押し上げていけば良い。成政が合流後、一気に攻める」


「それでは半分の千名をお連れください。万が一がありますゆえ」


「利家は心配性だのう。槍の又左ともあろう者が」


 柴田勝家は決して勢いだけの武将ではありません。カッとなる性格ではありますが、戦では冷静に状況を分析して対応できる男です。そうでなければ実力主義の織田家で重臣は勤まりません。非常に部下思いでもあり、佐々成政をどうにかしたいと考えています。


 先鋒を申し出たのもこの展開を予想していたからで、ここで成政と合流できればと考えていました。ところが、肝心の成政が出てこないのです。勝家は前田利家の言う事を聞いて、千名の兵を連れて本願寺へ向かいました。その状況を物見の報告から理解した黒田官兵衛は、


「絶好機である。殿の旗印を掲げよ。そして例の物を用意しろ!」


 黒田官兵衛の隊は柴田勝家に向かって進み始めます。わざと目立つように音を立てて。




「申し上げます。こちらに向かってくる兵が千人、木下秀吉だと思われます」


「なんだと、猿め、わざわざ殺されにきおったか?だがおかしいな。なんでここに現れる。まるでわしが本願寺へ向かうのを知っていたようではないか?」


 これは怪しい、さてどうするか?このまま本願寺へ行くのも利家のところに戻るのも同じくらいの距離だ。まてよ、こちらも千人。数では負けんしここいら一帯はわしらが抑えている。ここで戦になれば利家も成政も駆けつけるであろう。だが、あの猿が何も考えなしに出てくるのか?やはりおかしい。と、その時、


『柴田勝家は臆病者ぞ!』


『臆病者の根性なしじゃ』


『バーカ、バーカ、バーカ………… 』


 敵兵が一斉に大声で叫び始めます。その声は大きく響きました。よく見ると敵兵が横一線に並んで何かを持って叫んでいます。そう、紙を丸めて作った簡易メガホンです。


「な、なんだあれは。あのクソ猿め、バカにしおって!鉄砲隊、打ち掛けよ!」


 頭にきた柴田勝家は鉄砲隊を前面に出しました。それをみた官兵衛は竹襖を兵に持たせ銃撃に備えます。


「かかったな、この間調子に乗せておいたのが効いたのかはわからんが乗ってきおったわ」


 銃撃を竹襖で防ぎながらそのまま少しずつ交代していきます。


『そんな攻撃しかできんのか、バーカ、バーカ……… 』


 再び声が聞こえてきました。柴田勝家は、槍を掴むと、


「突撃せよ!」


 と叫び旗本に守られながら進軍を始めました。官兵衛はそれをみて引いていきます。少しづつ悟られないように。防戦一方の官兵衛隊に、


「猿の兵なんぞわしにかかればこんなものよ!ガッハッハ」


 勝家は上機嫌です。そしてそこに秀吉本隊が現れたのです。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ