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未来を知った武田勝頼は何を思う  作者: Kくぼ


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お市

 お市、織田信長の妹で現在は武田勝頼の妻となっています。前夫、浅井長政との間に娘、茶々がいます。お市が見た夢の中で最愛の娘、茶々が超超大嫌いな秀吉の側女となる未来を知ってしまい、悩んだ末に秀吉を殺そうと家を飛び出しました。京で秀吉を殺す予定が兄、信長が秀吉を放免してしまい結局秀吉を追って行くことになります。とはいえ女1人では限界があります。武田信虎の元を離れてからは、昔の伝手で匿ってもらいながら機会を待つことになります。


 迂闊には近づけませんし、播磨まで行くのは危険だと引き止められ仕方なく摂津の播磨側にある農村に滞在して機会を待つことになりました。大崩の工場から持ち出した拳銃は一丁、弾は9発入りの弾倉が3つです。すでに試射で弾を使ってしまい残りは5発となっています。街道から離れた村では日々退屈するばかりですが、徳の影響でしょうか?大名の娘が山道で日々身体を鍛えはじめました。髪を短く切り農家の後家ということして、支援者と一緒に町に農産物を行商に行って情報を得る生活が続きます。


 なんでそこまでして秀吉を殺そうとするのか?それは夢の影響でした。


『あなたはお市さんなのですね。私はあなたの遠い子孫です』


 夢の中で中年の女性が語りかけます。何度か夢で話しかけられた後、恐ろしい夢を見たのです。茶々が年老いた秀吉によって無理やりに女にされ、最初は嫌がっていた茶々がだんだんと秀吉に媚をうるようになっていく恐ろしい夢を。


 お市は秀吉が自分を狙っている事を知っています。それが叶わなかったからといってまさか娘を!冗談じゃありません。勝頼がいればそんな未来にはならない、何度もそう思い込もうとしました。ですが、


『秀吉を殺すのです。秀吉が天下を手に入れる前に』


 夢の中で子孫と名乗った中年の女が語りかけてきます。お市は夢の女に洗脳されたかのように秀吉を殺す行動に出たのです。




 秀吉が軍勢を引き連れて摂津に攻め入りました。迎えるは柴田勝家の軍勢で、結局小競り合いのみで秀吉は引き上げます。播磨に戻る途中、お市がいるところから山1つ向こうの村に泊まることになったようです。お市の村にも兵が現れました。どうやら夜伽の相手に若い娘を探しているようです。お市は咄嗟に顔を隠し私は若くないと言って逃れます。チャンスのようですが、秀吉の前に出る前に武器は取り上げられてしまうでしょう。そうなっては目的達成どころかミイラ取りがミイラになってしまいます。戦国時代にミイラはないけどそういう事です。


 ですが、ついにチャンスがやってきました。お市は家を抜け出て山に入ります。普段身体を鍛えている山なので、勝手知ったるなんとかで秀吉のいる村の裏山に潜み様子を伺っています。その背後から突然声をかけられます。


「お市様、やっと見つけました」


 伊奈忍びの吾郎でした。吾郎はずっとお市の行方を追っていてやっと見つける事ができたのです。


「吾郎殿。見逃してください。私はもう戻れません」


「お屋形様に叱られます。秀吉の警戒は緩くはありません。ここは見過ごしになられ、駿河へ戻りましょう。秀吉はお屋形様がいずれ討ちとります」


「お屋形様は私を許さないでしょう。こんな事を言えた義理ではありませんが、茶々を、茶々をよしなに。ごめんなさい」


 お市は飛び出して行きました。


「しまった!このままでは」






 秀吉は村長の家で村娘の酌で酒を呑んで上機嫌です。家の前には護衛が2名、その周囲にもあちこちに兵が酒を呑んで騒いでいます。そこに一際大声で叫んでいる身なりのいい武士がいました。仁科盛信です。


「そもそもだ、わしはこの戦で武田信玄の子としての戦いをだな、天下に知らしめるところだったのだ。それがなんだこの戦は!目の前に織田軍がいるというのに本気で仕掛けようとせん。木下秀吉は腑抜けか?」


「まあまあ仁科様。殿には殿のお考えがあるのですよ。よく変わった事をしますが今までもそれで結果を出してきていますので」


 盛信を周りの武士がたしなめようとしています。


「秀吉はどこへ行ったのだ。話がある」


「飲み過ぎですぞ仁科様。まあまあ落ち着いてくだされ」


「このまま戻ってもわしの手柄はないではないか?わしはだな、勝たねばならんのだ。勝って勝ってもう一度武田を名乗るのだ。ん?あそこの家に護衛がおるな、秀吉はあそこだな?」


「殿は今、お楽しみの最中でござる。邪魔をするのは、ちと、よろしくないのでは?」


「女か?わしも女が欲しいぞ、どれ、どんな女か見てこよう」


 盛信は村長の家に入ろうとして護衛の兵と言い争っています。その声は家の中まで響きます。


「やけにうるさいな」


 秀吉は村娘を押し倒したところで一度起き上がり、玄関から表に出ました。


「何を騒いでおる。ちーと静かにせんか!気が散るであろう。おお、仁科殿ではないか、どうされたのだ?」


「いたか秀吉殿。このまま引き下がっては何も得られる物がないではないか?というわけでわしにも女をくれないか?」


「何がというわけだ、この酔っ払いめ。仁科殿ともあろうお方が、おお、ちょうど向こうから女子が来るぞ。あれでよかろう」


「女子だと?」


 盛信が振り向き女子に気づいた。その女子は懐から銃を取り出した。





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