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未来を知った武田勝頼は何を思う  作者: Kくぼ


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復活の徳

 徳は勝頼を駿府で見送った後、大崩にある造船所と研究所に向かいました。特殊部隊ゼットのチーム甲のメンバー、錠、紅、桃を連れて。ゆづとはなとかなは堺に作る武田商店の準備をするために清水港へ向かいました。しばらくは戦がないはずです。今のうちにやれる事はやっておくというのが勝頼の考えでした。


「半兵衛殿、今帰りました」


「お帰りなさいませ、徳様。あまりうまくいかなかったようですな」


 出迎えたのは竹中半兵衛です。半兵衛は京へは同行せずにひたすら部下を使って開発を続けていました。


「さんざんでした。新兵器の火炎放射器は途中で止まらなくなってしまって、本能寺という寺を燃やしてしまいました。賊に襲われた時は投網に捕らわれてしまい、武器を使えなくされてしまいました。何をやってもうまくいかないのです。今までうまくいっていたのはたまたまなのですね」


「徳様、徳様にはすごい才能がおありです。誰よりも勤勉で発想も素晴らしい、恐らくはこの日ノ本で、いえ、世界で一番時代の最先端をいかれているのは徳様だと思います。ですが、徳様は新兵器の威力に頼りすぎではないでしょうか?」


「頼りすぎだというのですか?」


「はい。徳様の発想で、いえ、教科書の内容から想像して作り上げた武器の数々は素晴らしい物です。ですが使い方というものがあります。どんなに優れた武器でも使いどころを間違えるとその効果を発揮することができないのです。接近戦で弓矢が役に立たないように。徳様は新兵器さえ使えばなんとかなるとお思いではありませんか?」


 徳は思い当たるフシがあるようで、


「そういえば、あたいなんかおかしかったかも?武器に頼りすぎというか、いいところ見せようとして焦っていたみたい」


「お市様の影響ではありませんか?ご無礼を承知で申し上げますが相手が姫であろうと美女であろうと徳様は徳様です。徳様の良いところはその無邪気さと奔放さです。武器は武器、それを適材適所で使い分ければ。軍略、戦略、色々な表現ができますがその良さを最大限に活かしたものが生き残るのです。徳様は徳様ですよ。それに失敗はしたかもしれませんが立派にお屋形様をお護りしたではありませんか?」


「そうよね。ありがとう半兵衛殿。あたいはあたい。村娘にして武田勝頼の側室筆頭!研究所唯一の黒棒三本、そういえば紫乃と黄与の方はどう?」


 徳は話し方まで昔に戻りました。お市が居なくなった責任から自分を見失ってしまい、なんとか失態を取り返そうとしてかえって沼にはまっていたのです。竹中半兵衛はそれを一目見て見破りました。半兵衛のおかげで徳復活です。




 3ヶ月が経過しました。勝頼は高遠に籠って剣の修行をしながら忍びを使って各地に指示を出しています。本多忠勝と上泉伊勢守は領地へ戻っています。忍びから一徳斎が危篤という報告が入りました。一徳斎というのは、真田幸隆の事です。それを聞いた勝頼は三河にいる真田昌輝と武藤喜兵衛にすぐに小県へ戻るように指示を出しました。三河へは念のため山県昌景を向かわせています。昌輝と喜兵衛は小県で父親と話をし、兄信綱と真田兄弟としての話し合いをしてからの帰りに高遠によりました。昌輝が


「お屋形様。父上はもう長くはないと思われます。死ぬ前にお引き合わせいただきこの上なき幸せにございます」


 といえば、喜兵衛が


「お屋形様。もう戻らずに役目に没頭いたします。お屋形様のお心遣い、お役目でお返ししとう存じます」


「わかった。葬儀には出れるよう考慮する。三河は近いうちに戦場になるやもしれん。しっかりと頼む。それと喜兵衛、お前半兵衛に対抗して研究所を作ったそうだが何かできたのか?」


「対抗はしておりません。半兵衛殿は素晴らしいお方、それがしはそれに追いつこうとしているだけです。武器につきましてはまだお見せできる代物ではございません。ですが戦には必ず間に合わせてごらんにいれます」


「そうか。帰りに大崩によって徳の様子を見てきてくれ。京ではだいぶ疲れていたようだったのでな」


「徳様は我が師でございます。承知仕りました。ところでお市様の情報は何か入りましたでしょうか?」


「お市に割ける人材は多くはできないのでな、吾郎と数人で対応させているが西は警戒が厳しく忍びがうまく動けていない。今になって西にも草を置いておくべきだったかと反省している」


「そうですか。私の方でも探ってはいるのですがまだ情報はありません。何かわかりましたらすぐにお知らせ致します」


 お市は秀吉を追って京から姿を消しました。金子はじじ様(武田信虎)から貰っていたそうで十分に持っているそうだが、どこに潜んでいるのか?今の勝頼は武田忍び、伊那忍びがフルに使える立場ですがなんせ世間が騒がしい。北は南部、伊達から西の島津まで、特に織田、朝倉、毛利、長宗我部、同盟を結んでいるとはいえ上杉、北条の動きも見ていなければならず、お市探索に割ける人材がいないのです。


 そうこうしているうちに月日は過ぎていきました。



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