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未来を知った武田勝頼は何を思う  作者: Kくぼ


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信長

 勝頼は明智十兵衛に絡みました。自分たちで火を出しておいてしらばっくれて責任押し付けて。完全にいちゃもんですが、この男はなんか気に入らないのです。その結果、思った通り信長に会うことになりました。


 信長からはお市を連れて来いと言われています。結局お市は信虎のところから居なくなってしまい行方知れず、居ないものは連れてこれないので開き直りです。お市の件については出たとこ勝負ですね。


 勝頼が信長と話をしたいのはお市の件もありますが、信長の真意の確認です。武田家と織田家は盛信の嫁、雪姫が亡くなり縁が切れた状態です。今後どうするつもりなのか、最近天下布武とか言っているそうですが意味がわかりません。三雄に聞きたくてもここは京、そういえば本能寺燃やしたって言ったらどんな顔をするのか考えただけで面白い…………、それはさておき信長はどういう世を目指すのか。例のホトトギスの話では、信長、秀吉、そして家康に天下が移っていきますがすでに家康はこの世にいません。そこに勝頼がどう割り込むのかですが、勝頼は戦が好きではありません。武器の開発は武力を持って平和な世を築くための必要悪と考えています。上杉や北条と同盟を結んだのも戦わずしてすむのならという思いが根源にはあります。ですが、信長は好戦タイプに見えます。


「相容れないのか、問題はそこだ」


「何かおっしゃいましたか」


「いや、何でもない。十兵衛殿、信長殿に会おう。話したいこともあるしな」





 二条御所に出向くと、昨日とは景色が変わっています。あんなに賑わっていたというか人が多かったのが嘘みたいに静かです。


「静かでしょう。昨日までは大名が来ていましたから。商人も多く京へ来ていました。この静かなのが京の普段の姿です。以前、三好一党が支配していた頃は治安が悪くもっとうるさかったのですが、信長様は来てからは本来の姿を取り戻しています」


「それを実行したのがあの秀吉ですか?」


「その通りです。秀吉は織田家を追放になりましたが、実力は確かです」


「なぜ秀吉は追い出されたのです?」


「それがしにはわかりません」


「そうかな?お主はもう織田家の人間であろうに。余はてっきり十兵衛殿の策略で秀吉を追い出したのだと思っていたが」


 十兵衛の顔が強張りました。勝頼、相変わらず鋭いな。侮れん。


「武田様。おっしゃる意味がわかりません」


「まあいい。信長殿に聞くこととしよう。信長殿はいるのか?」


「お待ち下さい。聞いて参ります」


 勝頼は護衛に錠と玉井伊織を連れてきていました。玉井は昨日の火事の後、合流しました。竹中半兵衛の手紙を持ってきたのです。半兵衛の手紙には近況報告と新兵器の状況が書かれていました。


「玉さん。あの男、どう思う?」


「十兵衛という男ですか?あれは腹黒そうですね。表と裏が正反対に見えました。表向きは人当たりの良い頭がよさそうな男に見えますが、実際はどうだか。あれなら上には受けが良いでしょうが下はついてこないのではないでしょうか」


「相変わらず人を見る目が鋭いな、玉さんは」


「お屋形様。その玉さんというのはやめていただきたいのですが?どうもそれがしには似合わない呼び名のように聞こえます」


「それがだな。玉さんと呼べという男がおってな。その男には借りがあるので変えられないんだ」


「誰ですかそれは?そのような事をいうお方は」


「まあいいではないか。今更変えるのも変であろう。玉さんとは長い長い付き合いだしな。俺は大事な仲間だと思っているよ、まあ知らない人の前では言わんよ」


 玉さんというのは三雄がそう呼ぶのがいいと言ったのでそう呼ぶことにしたのです。玉さんとは子供の頃からの付き合いで、気心もしれてます。親しき仲にも礼儀ありですが、腹を割って話せる部下は必要だと強く言われました。仲間を大事にするようにと言われています。玉さんには遠慮せずに言いたい事を言うように申し付けています。


 玉井と話し込んでいると十兵衛が呼びにきました。信長との対面です。


「織田信長である。武田勝頼、大義である」


「織田殿、織田殿に大義と言われる筋合いはない。喧嘩を売っているなら買うぞ」


 十兵衛が青い顔をしながら、


「上様。このお方は…………」


「黙れ十兵衛、そうだお市は連れて来たのか?」


 上様だと?水面下ではそうなっているのか。すでに足利義昭は毛利のところへ動いたようだ。京にいて政治を勝手に仕切ろうというのだな。しかも明智十兵衛はやっぱり足利義昭を見限って信長に付いたようだ。全く双方とも身勝手な。


「まず、京で火を出した事お詫び申す。だがあれは余の事を狙った木下秀吉の配下によるもの。こちらには非はない」


「秀吉だと!確かなのか?」


「蜂須賀小六が大将で攻めて来た。もう焼け死んだがはっきりと顔を見たので間違いはない。それで織田殿が秀吉を使って余を殺そうとしたのではないかと思ってな。確認に来たのだ」


「お主を殺すのに秀吉なんぞは使わんよ。それにあいつはもう毛利の手下だ。恨むのならお門違いだ」


「それだけ聞ければこの件は終いでいい。お市の件はさておき、俺が聞きたいのは信長殿が何を目指しているかだ」







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