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未来を知った武田勝頼は何を思う  作者: Kくぼ


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二条御所

毛利はそれだけ伝えて出ていきました。猿が毛利へ、か。懲りない奴め。信長の頭に十兵衛の顔が浮かびました。十兵衛は秀吉を生かしておくといずれ酷い目に合うと言っていたのです。信長はあんな猿の一匹、放って置けばいいと言ったのですがどうやら十兵衛の言う通りになってきました。秀吉は織田軍の事を知り尽くしています。まさか、敵に寝返るとは思ってもいませんでした。


「あのクソ猿め、よりよって毛利に付くとは!」


信長は配下に朝倉の次は西だ、毛利を攻めると話していました。それを聞いていて毛利へ行くとは許せません。これによって毛利を攻めにくくなる、というのが普通の考え方なのですが信長は違いました。猿毎毛利を潰してやる!と考えたのです。ただ、直ぐは無理です。時が来れば、その時はそんなに遠くないと考えています。


朝倉義景が到着しました。信長を通さずに義昭と勝手に面談をしています。十兵衛が慌てて注意するも聞く耳持たずです。信長なんぞに頭は下げんというところでしょうか。


上杉謙信は街中で信玄とばったり会いました。道のど真ん中で睨み合いが始まります。お互い一歩も引かずに眼を飛ばし、赤いオーラと青いオーラがぶつかり合い、連れの者は一歩二歩と下がり誰も近ずけなくなっています。そこに現れたのは、


「何をやってるのですか。父上も謙ちゃんもそんなに睨み合わないで下さい。はいお団子、美味しいですよ!」


徳は2人の口に団子を突っ込みます。


「ホ、うまい。これはこれは徳ではないか。久しいの、元気そうではないか!」


「何がこれはだこれはだ、これはわしの娘だぞ、馴れ馴れしい。離れんかこのたわけが」


「うるさいぞこのハゲ坊主。少し黙っておれ、久しぶりの再会を楽しんでおるというのに全く」


「お前は男色だと聞いたが、女も好きなのか?」


「うるさいぞこのハゲ坊主。徳は特別だ。なんせこの女は面白い」


「ハゲハゲうるさいぞ、この徳は自慢の嫁だ。話をしたいのならなんかよこせ!」


「おう、なんでもくれてやるぞ!だから少し黙ってろ!」


なんだこの口喧嘩。大人気ない。面白いけど止めますね。


「はいはいはいはい、いいですかお二人さん。いい加減にして下さい。天下の武田信玄と上杉謙信が何やってるのですか?いつからそんなに仲良くなったのですか?御所へ行きますよ、ほら、徳も義昭様に会わないと」


見兼ねて勝頼が間に入りました。しかし、徳にはまたまた驚かされました。本当に謙ちゃんて呼んでるし。


「勝頼か。久しぶりだな。三河攻め、見事であった。甚内から聞いておるぞ」


「謙信殿、その甚内ですが徳を見張っていた忍びを始末してくれたようです。ありがとうございました」


「余の指示ではないぞ、甚内は余の指示以外でも勝手に判断して動いている。たまたま見かけたのであろう」


たまたまね。それはないよね。


「だとしても助かりました。ところで北条へは景虎殿が?」


「そうだ。そっちは逍遥軒と穴山だそうだな。北条はこっちへは欠席だろう」


「はい。氏政殿には義昭様に詫び状を送るようお願いをしましたがどうしたか?」


「そんなに気が利く男ではあるまい。氏康公は長く敵ではあったが立派な武将であった」


信玄が口を挟みます。


「北条は家督を事前に譲っていたから揉める事はないであろう。謙信よ、お前のところはどうするのだ?」


「ほう、あの武田信玄が上杉の心配をしてくれるのか?これはありがたいことだ」


謙信は初めて信玄に対し笑みを見せました。信玄は、


「馬鹿を言え、上杉の心配をしているわけではない。つまらん家督争いに巻き込まれたくないだけだ」


勝頼も話に乗っかります。


「謙信殿、父上の言う通りです。早めに跡取りをお決めになるのがよろしいかと」


「勝頼に言われては仕方がないな。考えておく、と言っても答えは決まっているがな。悪いが先に行くぞ。貴様らは御所と逆方向に向かって歩いているがどこへ行くのだ?」


「ちょっと寄るところがありまして。また後でお会いしましょう。それまで徳を貸しておきますよ」


「おお、いいのか!さすがは勝頼だ。徳よ、またあの歌を聞きたいぞ」


「義昭様のところでご披露することになってますから、そのうちに聞けますよ。殿、それでは先に御所へ行ってますね」


徳はゆづ、はな、かな、と他お供を連れて上杉謙信と一緒に御所へ向かいました。信玄は、


「なんであの謙信めが徳をあんなに気に入っておるのだ?」


「そんな事より父上、さっきの睨み合いはなんですか?」


「ここであったは百年目、とはいうが経験したのは初めてだな。お互いに会った事がないのにお互いに誰だかわかった。不思議な事があるものだ。あの睨み合いは自然とそうなった。あやつも同じだろう」


そういえばこの2人は遠目でしか顔を見たことないのです。面白いものですね。


「父上。待ち合わせはあの寺みたいですね。目印の竹がぶら下がっていますし」


「そうだな。わしも会うのは久しぶりだ。お前は初めてだな?」


「はい。話に聞いた事があるだけです。楽しみです」


信玄と勝頼はこの京で、武田信虎と待ち合わせをしていたのです。


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