表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
未来を知った武田勝頼は何を思う  作者: Kくぼ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

100/471

お市の決断

 屋根裏から義昭一行を見送った勝頼はお市のいる隠れ家に向かいました。徳と親衛隊が一緒にいるはずです。さっき城へ向かう時には相当落ち込んでいたのでちょっと会うのが不安というか憂鬱です。ところが、


 家の前でお市が待っていました。あれ?


「勝頼様、この度は大変お世話になりました」


 どうなってる?哀しみにくれているかと…………


「なんか元気になったのかな?それならばよかった。この先どうされるのかゆっくりお考えください。何よりもお腹の子供を無事に出産することです」


「はい。ありがとうございます。それでなんですが、お願いがございます」


「なんでしょうか?」


「秀吉から守っていただきたいのです。ここにいては何をされるかわかったものではありません。武田へ連れて行っていただきたいのです」


 なあにい、なんでそうなる!?


「おい、徳!徳はいるか?」


「あたいのことかい?」


 徳が茶目っ気たっぷりに答えながら家から出てきました。


「お前、お市殿に何を吹き込んだんだ?なんでこうなる?」


「お市さんを慰めろと命令したのはどこのどなた様でしたかしら、オホホホホ」


「それやめんか、慰めるように命じたがなんで武田に来る事になるんだよ、変でしょ、おかしいでしょ」


「あたいの勘がお市さんをこっちに連れ込んだ方がいいって言ってるの。それはともかくお市さんが自分で決めた事よ。あたいは殿の素晴らしさを話ししただけ」


「おい、ゆづ、はな、かな、徳がなんかしなかったか?」


 中からはなが出てきました。


「殿、徳様は普通に泣いているお市様を慰めていらっしゃいました。そのうちに武田の食べ物の話になり、上杉へ行った時の話になり、殿にはたくさん女がいるけどみんな幸せになってるからあげなんとかよ、とか」


「おいおいおいおいおい。そうだ、上杉に行ってたろ!まだ報告聞いてないよ。謙信は中砲使ってどうだった?」


「はい。徳様は謙信公と景虎様に中砲の威力を説明して、上杉家の特別班を作るよう要請しました。砲撃専任部隊を作らないと教えないと」


「おいおいおいおいおい。なんて生意気な、相手を誰だと思ってんだ。で、上杉はなんだって?」


「謙信公はそれだけ凄いのなら尤もだと、自らが選んだ人材で特別班を作り、景虎様の指揮のもと運用するとおっしゃって。で、徳様と私達3人で特訓をして参りました。帰る頃にはそこそこの精度で砲弾が飛ぶようになりました」


 そこに徳が割り込んできて、


「でね、砲弾の注文を受けたから半兵衛殿に伝えといた。鉄球100に拡散弾20、全部で2000両のお買い上げ。熟練してきたら中砲も頼むってよ、謙ちゃんが」


 謙ちゃん?それ誰?


「それと訓練が終わる頃、上杉に応援に行く事になっていた殿の親戚の信豊殿に会ったよ。中砲の事は話には聞いてたみたいで目がキラキラしてた」


 武田信豊。勝頼の従兄弟にあたる。勝頼とは比較的仲がいい。


「信豊かあ、あいつこういうの好きそうだよなあ。で、そんな事は今はいい。注文取ったって言ったな?値決めはどうしたんだ?」


「春日山に行く時、そういう話になるだろうって喜兵衛殿が言うので、半兵衛殿と相談して決めました。半兵衛殿は上杉は金山持ってて金あるからその位でも喜んで買うって」


 鉄球が一発10両、拡散弾が一発50両。塩硝自前だからボロ儲けだけど、あんまり上杉が強くなりすぎるのもなあ。まあ新兵器ができれば大丈夫だけど。そのやり取りを面白そうにお市が見ていました。


「本当に仲がよろしいのですね。徳様から聞いた通りです」


「でしょ、殿は優しいのよ。こんなあたいを拾ってくれたの。でね、私の他に正妻がいて、側女が他に2人いるのよ。あたい以外はみんな子供を産んだの。あたいは戦で役に立つから子供はいらない。これでも黒棒三本なのよ!」


「徳、それ普通の人には意味わからないから」


「あ、そうね」


 黒棒三本。勝頼研究部隊の階級です。黒棒三本は中学三年生の教科書をマスターしている、に相当します。


「それでどうやったらお市さんが幸せになるかをみんなで考えたの。お兄さんが織田信長なんでしょ?お市さんの娘って淀君よね?」


 えーと、誰だっけそれ。あ、教科書知識。


「徳、教科書の通りにはもう進んでないんだ。だから同じようになるとは限らない」


「それがね、お市さんが夢を見たんだって。娘が秀吉の側女になっちゃうから歴史を変えろって」


「なんですとーーーー!!!!!」


 それって俺と同じあれの事?子孫となんかが繋がるってやつ?もう盛りだくさんでお腹一杯だけどそうも言ってられない。


「ゴホン、えーとお市殿。その夢の話を詳しく聞かせていただきたい。実はそれがしも同じような経験があるのだ。どんな夢であった?」


 お市は見たままを話しました。中年の女性が語るように出てきて、歴史を変えないと娘が秀吉の側女になって子を産み、その子は徳川家康に殺されると。


「教科書に書いてあった通りでしょ。あたいそれを聞いてお市さんに武田に来てもらった方がいいと思ったの。殿は歴史を変えてるのよね。お市さんは殿に必要な人なのよ。信長の妹なら正室にいいんじゃない?お市さんが正室で彩が正妻で、あたいは使い捨てカイロ」


徳がおどけてながら舌をペロっと出しながら言いました。だーかーらー、違うって言ってるでしょ。徳は大事な、   ね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 毎日の更新有り難うございます。 本当に楽しみにしています♪ヽ(´▽`)/ 徳さんの『使い捨てカイロ』発言はちょっと…(-ω-;) 次回で勝頼のフォローがあると信じていますo(*`ω´*)o…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ