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女神(邪神)様はカプ厨!  作者: ぺんぎん
第四章

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情報を共有しよう


「ロディス先生が元神様か……」

「なんかすごいことになってるわね」

「ギザリア様も元神様でしたか。今の姿も神様だと思いますが」


 訓練場に信頼できる皆を集めて事情を説明したところ、驚きながらも私の言葉を信じてくれたみたいだ。先生も一緒に説明してくれたから信じてくれたんだけどね。それにギザリア様の人の言葉が分かる動きは説得力が段違いだ。


 孤児院に戻ってきてから三日後、エスカリテ様も先生の剣を持って戻ってきたので、色々と相談した。結果、皆に事情を説明することにした。信用できる人達には事情を説明して情報を共有し、色々手伝ってもらうためだ。孤児院の子達も信用しているけど、幼い子が多いので内緒だけど。


 この件に関しては司祭様にも許可を貰っていて、司祭様も知らないようなことを共有することになった。後に教皇様にも情報が届くだろう。


 私が異世界転生者であることは誰にもエスカリテ様にしか言ってないけど、それはどうでもいいことなので言ってない。あくまでもロディス先生やギザリア様、それに勇者エイリスさんや魔王ベルトさんのこと、そして今の神様たちが天使だという内容だ。


 情報を共有したのは、ガズ兄ちゃん、みっちゃん、そのメイドさんのアイレダちゃん、そして私の護衛であるリュートちゃんと見えない護衛さんたちだ。司祭様にもギザリア様や先生のことを話したけど、このあたりはエルド様や執事さんにも伝えてもらうことにした。巻き込む気満々です。


 それとエルド様が先代王妃であるエルドンナ様であることも知っているし、司祭様が第三王子であることも知っていると伝えると、司祭様は申し訳なさそうな顔をしていた。ただ、みっちゃんから聞かされていた可能性を考えていたみたいで絶対に隠そうというつもりはなかったみたいだ。自分の口から言えなかったことがちょっと残念だったみたい。なぜかは知らないけど。


 いずれ冒険者ギルドのルルさんと錬金術師のソナルクさんにも情報を共有して協力を仰ぐつもりだ。それに信頼できそうな人には事情を説明して色々手伝ってもらうつもり。同じ巫女のクフム様やトッカさんにも。ディアナさんは微妙だけど、戦神様と先生の関係を考えるとなんでも手伝ってくれそう。


 色々考えたんだけど、やっぱり私だけじゃエスカリテ様が必要なだけの信仰心は稼げないと思う。いままではただの偶然、それにこのままだとお二人を助けられる前に私の寿命の方が尽きるような気がする。


 それに孤児院の皆が真面目に頑張っているのを見て、これはやらねばと思ったね。皆が頑張っているのに、私はいい暮らしを得てだらけていた気がする。美味しい物を食べていただけのような気がするし。これはいかんと危機感を持ったんだけど、色々考えたら私だけじゃ駄目だと思った。なので、優秀な皆に手を借りるということにした。私よりもはるかにいい考えが出てくるだろう。


「というわけで最強の参謀であるみっちゃんに色々考えて欲しい」

「丸投げにもほどがあると思うんだけど、最強の参謀かぁ……!」


 嫌そうなわりには喜んでいるようにも見えるのはなぜか。女の子たるものおだてには弱いということか。でも、これはお世辞じゃなくて、みっちゃんは元王女と言うこともあって他国の色々な情報に明るいんだよね。どうやって情報を得ていたのかは知らないけど、多くの情報を捌ける能力も高い。我が参謀にうってつけよ……下克上されないように気を付けよう。


「手っ取り早いのは多くの地域が抱えている問題を解決することだと思う」

「地域が抱えている問題?」

「問題が無い場所なんて無いの。小さいものから大きなものまでなんでもあるわけ。個人の問題を解決してもいいんだけど、それだと信仰心を稼げても少ないだろうから、多くの人が困っていることを解決するというのが基本かな」

「それはそうだろうね」

「地域で解決できない問題はお金か、人間関係のしがらみ、もしくは武力的なこと。解決したくてもできないというのがほとんど。そこへエスカリテ様が介入して問答無用で解決する。これが手っ取り早いと思う」

「はた迷惑な感じもするけど、そんなことしていいのかな?」

「手順は踏まないと駄目だけど、そのあたりは私がアイレダとやるから大丈夫」


 え? アイレダちゃんも驚いているけど大丈夫なん?


「司祭様、私とアイレダを教団で雇わない? エスカリテ様の巫女であるマリア姉さんの専属補佐として。なんならアンタもマリア姉さん専属の司祭、もしくは司教になってもいいと思うけど」


 いきなり話を振られた司祭様は驚きの顔になったが、すぐに笑顔で頷いた。


「それはいいですね。私の一存では決められませんが、事情を話せば教皇様からすぐに許可は出ると思います」

「駄目でも死ぬ気で教皇様の許可をもらって。もちろん、無料じゃないから」

「そこまで多くは出せないと思いますが、その辺りはお任せください」


 なんだろう、二人とも笑顔なのに、なんかバチバチ火花が飛んでない? でも、薄ら暗い取引が行われたような気も……?


 そしてアイレダちゃんは蚊帳の外だったのに、なんかやる気に満ちた顔になった。元々中性的な顔立ちだったんだけど、最近、武術に魔法にメイドにと、メキメキと力をつけているみたいで、孤児院の女の子たちからも黄色い歓声が飛ぶほどだとか。色々吹っ切れたんだろうね。


「リュートたちはそのままマリア姉さんの護衛ね」

「そちらはお任せください。それにギザリア様の護衛もお任せください。絶対にお酒は飲ませません」

「にゃあ……」

「ご安心を。猫でも安全に飲めるお酒とやらがあればいくらでも飲ませますので」

「にゃ!」


 ギザリア様が『よし、まかせた!』と言ってリュートちゃんの頭の上で丸くなった。無表情なのになぜかリュートちゃんの顔がドヤ顔っぽく見える。ギザリア様はリュートちゃんに任せた方が良いだろう。お酒を求めてふらふらとどこかに行かれたら困るし、ギザリア様は見えない護衛さん達の間でも人気だからね。


 一応、お酒の件で教皇様と司祭様に酒神イシュラグ様の巫女について聞いたんだけど、なんかドワーフが住んでいる国にいるみたいで連絡が取れていないとか。人間の国以外には大聖堂とかないからね。ドワーフは教団を否定しているわけじゃないけど、人間と違って種族全体で信仰している神様がいるみたいで、イシュラグ様もその一柱なんだとか。まあ、お酒の神だしね。やはりドワーフと言えばお酒。


「俺はどうすればいいんだ?」

「ガズ兄ちゃんはお仕事があるから料理関係で手伝って欲しい時に頼むくらいかな」

「そうか。ならいつでも連絡をくれ。マリアが提案する料理はいつも面白いからな」


 前世の曖昧な記憶から色々再現してくれるガズ兄ちゃんには色々お世話になってます。それにあまり行きたくはないけど、エスカリテ様がカップルウォッチングを嗜む場所として必要な場所だからね。よりカップルが増えそうな料理を思い出さないと。


「ところで、特定の日に女性がチョコを作って男性に渡すってなんなんだ?」

「そんな日があってもいいかなって。あまり評判は良くなさそう?」

「いや、店長やシュノアさん達は乗り気だ。チョコの作り方もマニュアル化できそうだし問題はないと思うが、意味が良く分からなくてな」

「女性から男性に告白するときに使うとか、そういうのだけど……」


 まだチョコが高額だし、バレンタインはあまり定着しないかな? だが、どちらにせよ義理チョコは流行らせんぞ。あれは悪い文化。女は黙って本命一点突破よ……!


「ガズ兄さんもそういうところは駄目だよね」

「ミシェルは分かるのか?」

「告白したくてもできない、そんな女性を後押しをするための日ってことでしょ」

「……いつでもすればいいだろ?」

「だから、告白したくてもできない人だって言ってるでしょ。男性にだってそういう人はいるわけだし。そういう人だって、なにかしら踏ん切りをつける日があるじゃない。女性にだってそういう勇気を出せる日があったっていいと思うけど」

「ああ、なるほどな。ならその路線で店のイベントを企画してみるか。信仰心を稼げるかどうかはわからないが、エスカリテ様の発案だとしておく」


 さすが我が最強の参謀、私が言いたい以上のことを言ってくれた。そしてエスカリテ様もうんうんと頷いている。エスカリテ様曰く、告白したくてもできない女の子は最強とかいう評価をしてた。それを見ながら、いけ、そこだ、ぶったおせ、と煽るのが趣味だったとか。まともな神様なんていないね。


 それはともかく、料理で信仰心を稼ぐためにも前世の記憶をどんどんひっぱりだそう。問題は私にその知識がこれ以上あるかどうかだけど。恋愛的なイベントってなんだ? クリスマス? ハロウィン? いや、ハロウィンは唯のコスプレか。私の知識だとあとそんなものしかないけど。


「俺は神器や魔道具を探せばいいんだな?」


 おっと、先生が私を見てそんな質問をしてきた。ここは私が答えないと。


「はい、先生。場所に関してはエスカリテ様が調べてくれるみたいなので、ありそうな場所を探してもらう感じで」

「分かった。国も孤児院も安定しているし、少し留守にしても問題はないだろう」


 ダンジョンと呼ばれる遺跡とかなら先生一人の方がやりやすい気がする。いままでも先生はふらっといなくなってふらっと戻ってくる感じだったから孤児院も問題ないでしょ。それにこの孤児院にもリュートちゃんとは違う部隊が護衛をしているみたいだし。


 まだ何も始まっていないけど、なんだか行ける気がしてきた。問題は私が一番使えない子になっていそうなところかな……頑張ろう。


『なんだか嬉しいわね』

『エスカリテ様? どうしました?』

『マリアちゃんを通してだけど、皆が私のために色々やってくれるかと思うと嬉しくって』

『エスカリテ様の事情に共感してくれたんですよ』

『マリアちゃんがいなかったらそんなことしてくれないってば。だからありがとうね。マリアちゃんが私の巫女で本当によかったわ』

『……照れるぜ』

『……そこは私もエスカリテ様の巫女でよかったって返すとこじゃない?』

『それは理想の彼氏を見つけてくれた時に言います』

『そっかぁ、それがあったかぁ……』


 面と向かってお礼を言われた照れ隠しで言ったんだけどね。とにかく、勇者さんと魔王さんを助けるのが大事。理想の彼氏の件もあるけど、それが理由で皆に事情を伝えたわけじゃないからね。何の憂いもなく彼氏を見つけてもらうためにも、お二人をしっかり助けないと。


「ところでマリア姉さん」

「ん? 何?」

「マリア姉さんの評判は上げないってどういう意味? それが分からないんだけど」


 彼氏のハードルを上げたくないなんて言えない。さて、なんて言い訳しようかな。


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