第133話 独立へ
望月社長から、独立を提案された。
「僕が、新しく会社を設立するっていうことですか?」
今まで考えてもいなかった。
目の前のことだけで精一杯だったのだ。
「四宮くん、君はもう私の手に収まるほどの男では無い。もっと自由に大きく羽ばたいてみてもいいんじゃないか?」
「でも、いいんですか? Whiteと一緒になんて」
Whiteは間違いなく、この事務所の稼ぎ頭である。
他のアイドルたちもコンスタントに売れてはいるが、それでもWhiteは頭ひとつ抜けている。
そんなWhiteが俺の独立と共に抜けたら事務所的には痛手になるだろう。
「確かに、Whiteが抜けるのは痛い。しかし、Whiteは四宮くんが居なければ絶対にここまで伸びては居ないだろう。Whiteがここまで育て上げたのは間違いなく君の功績だ」
「ちょっと、考えてもいいですか?」
俺はすぐに答えを出せなかった。
無論、俺だけで決めていいことは無いだろう。
Whiteのメンバーや付き合いのある取引先にも相談すべきことだろう。
「もちろんだ。四宮くんの独立には私が全面的に支援するつもりだ」
「ありがとうございます」
望月社長は俺のキャリアアップの為にこの提案をしてくれたのだろう。
俺が、一介のアイドルプロデューサーで終わらないように。
その日の夜、俺はWhiteメンバーを招集した。
「すまないな。こんな時間に」
メンバーは俺の対面に座っている。
「いえ、大丈夫ですよ。大切なお話なんですよね」
莉奈は俺の雰囲気を見て何かを察したように言った。
「望月社長から独立をすすめられてな。正直、ありがたい話だと思っているんだが、迷っててな。みんな、俺が独立しても付いてきてくれるか?」
俺の言葉にメンバー3人は顔を見合わせた。
「何、当たり前の事言ってんのよ」
「そうですよ。私たちをここまで育ててくれたのは四宮さんじゃ無いですか」
「ついに四宮さんも社長かぁ」
3人は口を揃えて言った。
「まあ、遅かれ早かれこうなる気がしたね」
「だよね。四宮さんがただのプロデューサーで終わるわけないもんね」
「みんな、ありがとう……」
俺は目頭が熱くなるのを感じた。
「何泣きそうになっているんですか。四宮社長」
「いや、まだ社長じゃないから」
そう言って俺は笑う。
Whiteのみんなからの了承は取れた。
次は取引先たちだろう。
すぐに俺は取引先にメールと電話をした。
回答はみんな同じだった。
『四宮さんがどこに行こうと私たちはあなただから仕事をしたいと思うです』
そして、すべての準備が整った日に俺は社長に言った。
「独立させて頂きたいと思います。社長には本当に感謝しています」
「そうか。四宮くんならそう言ってくれると思ったよ。早速、動こうか」
社長は俺の独立支援に動いてくれた。
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