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【Web版】人脈チートで成り上がる地下アイドルプロデュース〜ビラ配りしていた売れない地下アイドルの人生変えてみた〜【コミカライズ】  作者: 津ヶ谷


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第128話 紹介

 名古屋ライブは大成功に終わった。

ライブが終わってからは名古屋観光を楽しんでいた。


 ちょうど漫画家の倉木そらが名古屋出身ということで、名古屋の観光名所をいろいろと案内してもらっていた。

そして、東京に戻って来て、再び日常が始まろうとしていた。


 俺は今日も事務所で仕事をしている。

その時、俺のスマホが振動した。


 画面には佐藤正義と表示されている。

大手玩具メーカーの社長にして、美穂の実の父親である。


「はい、四宮です」

『久しぶりだな。今、時間あるか?』

「ええ、大丈夫ですよ」


 佐藤さんから直接電話がかかってくるのは珍しい。

急を要することなのだろうと察しが付く。


『急で申し訳ないんだが、今日の夜って空いてたりするか?』

「今日は、ちょうど空いてますよ。何かあるんですか?」

『いや、ちょっとを紹介してほしいという人間がいてな。どうだろう? 食事でも』

「はい、大丈夫ですけど、紹介したい人って?」

『それは、会ってからのお楽しみだ。時間と場所はメールしておくから、確認してくれ』


 そう言って、佐藤さんとの通話を終えた。

佐藤さんが紹介してくれる人ともなれば、相当な大物だろう。


 政財界や金融業界と佐藤さんは顔が広いことで有名なのである。

その佐藤さんから人脈では君には勝てないと言われたことがあるののが四宮渉だ。


 しばらくして、佐藤さんからメールが送られてきた。

時間は20時、場所は銀座の料亭である。


 いかにも、政治の匂いがしそうな場所だ。


 俺は仕事を終えると、そのまま銀座に向かった。

あまり来ない場所である。

なにしろ、ただのアイドルプロデューサーには縁遠い場所なのである。


 時間通りに待ち合わせの料亭に到着する。

料亭に到着した俺の感想は、高そうだなとうものだった。


 まあ、社長たちにはこうした場所が普通なのだと思う。


「佐藤正義の名前で予約されていると思うのですが」

「佐藤様のお連れ様ですね。ご案内致します」


 料亭の中居さんに案内されていく。


「お連れ様が到着されました」

「通してくれ」


 中から佐藤さんの声が飛んでくる。


「失礼します。お待たせしてすみません」

「おお、来たか。時間通りだ気にするな。まあ、座れ」


 佐藤さんの隣に俺の席が用意されていた。


「今日は急に呼び出してしまってすまないね。君の噂は僕の元にも届いているよ」


 俺の対面に座る初老の男性が言った。


「佐藤さん、紹介したい人ってまさか」

「ああ、そうだ」


 佐藤さんは頷いた。


「正義のやつが君と知り合いというんで、紹介してほしいと私から頼んだんだ。初めまして、谷部慎三です」

「四宮渉と申します」


 今、俺の正面にいる人間。

この国に住んでいるなら知らない人間の方が珍しいだろう。


 第98代内閣総理大臣、谷部慶秀を。

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