14.主人公は一人暮らし
以下は、あくまでも個人の見解です。
絶対的にそうだという保証はありませんので悪しからず。
それで、あのメガネ野郎がさぁ……え、ウソ? もう本番始まってんの!? はい、こちら第十四回『ラノベあるある辞典』。
しばらく間が空いてしまいましたが、まだ続いてましたよ。首の皮一枚でブランブランしてましたよ。
というわけで、今回のお題は【どうして主人公は一人暮らししてるの?】です。
さて、例によって例のごとくの質問ですが、あなたの読んでいる小説の主人公(特に中高生)は一人暮らしをしていませんか?
両親と幼いときに死別していたり、海外に長期の旅行や出張をしていたりしませんか?
そして、それらの作品は、現代ファンタジーやラブコメなどではありませんか?
おそらく、心当たりのある方が多いのではないでしょうか。
事実、私もそういった作品をこれまで多く目にしてきました。
では、それは何故か。どうして一人暮らし――つまり、自宅に家族がいないのか。
今回は、その理由を三つ取り上げたいと思います。
①弱点にならない
どうして昔から、正義のヒーローは正体を隠すのか?
その答えは、素性がバレることが弱点となりかねないからです。
もし、敵に正体がバレて、家族や友人・知人が狙われたり、人質にされてしまった場合、正義のヒーローはいつも通りに戦うことはできません。万人のための正義である以上、彼らのことも守らなければなりませんからね。
ですが、主人公に家族がいない、あるいは遠くにいる場合、その心配が一つなくなるのです。さらに、友人が一人もいないようなボッt――いえ、孤高のクール系主人公だったら、より弱点が減ることになります。
ですので、特に現代ファンタジーにおいて家族がいないというのは、主人公が堂々と顔を出しても、名乗っても問題ないという利点になるのです。
②怒られない
例えば、敵と戦うために数日、連絡もせず家に帰らなかったらどうなるでしょうか?
例えば、深夜に傷だらけで家に帰ったら、両親はどう思うでしょうか?
そして特に、それが中高生の主人公だったら?
ちなみに、我が家だったら確実にもう一撃食らいます。それも致命傷のヤツ。そして説教タイム突入確定の夜間外出禁止令発令確実です。
しかし一人暮らしなら、その心配はいりません。いつ、どんな状態で帰ろうと、または出掛けようと自由です。
また、誰かが突然訪ねてきたり、変な時間に誰かを連れてきたり、しばらく誰かを泊めたとしても、主人公以外に迷惑が掛からないのも、大きな利点となっています。……まあ、主人公には迷惑が掛かるんですけどね(笑)
③恥ずかしくない
あなたは、ラブコメ展開のアニメを両親の前で観れますか? そんなマンガを両親と共に読めますか?
正直、ハートオブチキンを自称する私には、とてもできません。その場でテレビを膝蹴り破壊します。上腕二頭筋の限界を超えてでも、マンガを八つ裂きにします。
では、そんなラブコメ展開が現実に起こる世界の主人公は、どう思うでしょうか?
もちろん『お風呂でバッタリ偶然ヒロインと!?』なイベントを両親に見られても、眉一つ動かさずにいられる主人公も面白いかもしれませんが、大抵のラブコメはそうではないですよね。主人公たちが慌てふためくのをニヤニヤ眺めるのが、このジャンルの醍醐味の一つだと思いますので。
というわけで、ラブコメ展開が起きても家庭崩壊を起こさないために、主人公が一人暮らしをしているパターンが多いのです。
と、以上が、一人暮らしの主人公が多い理由の三つでした。もちろん、他にも理由は色々とあると思います。
ですが、この設定を取り入れる上で注意しなければならない点が一つ。
それは「一人暮らしナメんな!」ということ。
炊事・洗濯・掃除・買い物・光熱費や家賃の支払いなどなど、一人暮らしはやらなければならないことがいっぱいです。自由であると同時に、全て自己責任になります。しかも、学校や勉強・遊びに時間を割く必要のある中高生にとっては、かなりの負担となるでしょう。
なので、そのあたりの描写を適当にしてしまうと、経験者からするとリアリティに欠けた作品に見えてしまう可能性が。
ですが逆に言うと、そこをしっかり押さえておけば、一気にリアリティが増す可能性も大というわけです。
一人暮らしの理想と現実。
そのバランスをよく考えることが、この設定を扱う上で大切なことかと思います。
では次回、ついに最終回。
もう少しだけお付き合いいただければ。
★2017.4.27 追記
七草裕也さんから頂いたご意見『主人公が親などの保護下にあっては、冒険にならないからではないか』。
確かに、ごもっとも。 親と一緒に行く冒険は、それはもう家族旅行ですからね。どれだけすごいものでも、冒険感は半減です。
自分で選び、成し遂げた達成感を演出するには、一人暮らし(=保護下ではない)という設定がベストなのかもしれません。
ご意見・ご要望などなど、心よりお待ちしてます。




