13.悪役・ライバル 2015.6.20追記
以下は、あくまでも個人の見解です。
絶対的にそうだという保証はありませんので悪しからず。
ありのままでも少しも寒くない季節が今年もやってきましたね、第十三回『ラノベあるある辞典』。
今回はSHさんから頂いたお題【主人公より映える悪役・ライバル】です。
さて、いつも通りの質問ですが、バトル系の物語において重要なキャラは誰でしょうか?
もちろん、主人公は言うまでもありません。主人公を中心に、物語は展開していくのですからね。
次に、ヒロイン的ポジション。男であろうと女であろうと、共に戦うキャラであろうと守られるキャラであろうと、物語を展開していく上で非常に大事な立ち位置のキャラです。マリオなんて、ピーチ姫が攫われなかったらゲームが始まりませんからね。
そして、主人公の仲間、脇役……と続いていく中、かなり重要になるのが『悪役・ライバル』の存在。マリオでいうところの、クッパです。
ですが最近の『悪役・ライバル』は、クッパのように見るからに悪いキャラではなく、一見すると普通だったり、それどころか弱そうに見えたり、美形だったりするキャラが多い気がしませんか?
色白の細身で、長い銀髪をたなびかせ、尋常でなく長い刀を使いこなす剣士、とか。そして場合によっては、それが主人公より人気のあるキャラだったり、と。
では何故、最近の作品にはそういった『悪役・ライバル』が多いのか。
今回はその辺りを、少し掘り下げてみたいと思います。
して、『悪役・ライバル』の変化を解説するのに欠かせないのが、時代の変化。
私が勝手に名付けている『力の時代』というものから『意志の時代』というものへと移り変わってきたことが、重要となってきます。
一昔前は、悪役といえば絶対的な悪。
お姫様を攫うドラゴンや、傍若無人なモンスター。世界征服を狙う怪人組織や、地球侵略をしにきた異星人などなど、主人公の敵は力が強くて、とにかく悪いヤツらでした。
そして、それらと戦う主人公は当然、力が強くなくてはならない。
いくら正義の心を持っていても、力がなければ勝てませんから。何度「やめるんだバイキンマン」と訴えかけても、彼が説得に応じてくれたことはありませんからね。
つまり、力に対して力で立ち向かう構図――それが『力の時代』です。
ドラゴンボールや昭和の特撮ヒーローなどが、分かりやすい代表例ですね。
それに対して今は、意志と意志がぶつかり合う『意志の時代』。
主人公の敵は人間であることが多く、何か明確な目的を持って悪事(あるいは、それに近いこと)を行うのが主流となっています。
そして、それに対抗する主人公もまた、強い意志を持って戦う。敵の気持ちが理解できないでもないが、見逃すわけにもいかないと戦うことが、最近の物語の傾向です。
では、どうして力から意志へと変わったのか?
それは、主人公の傾向が変わったから。力が強く、正義感にあふれる肉食系主人公でなく、力は弱くても、どうしても譲れない意志を持っている草食系主人公が、主流になってきたことが、大きな要因の一つだと思います。(草食系主人公については、第七回をご覧ください。そしてPVもください)
そして、主人公と敵対する『悪役・ライバル』も、それに合わせて変化したというわけです。
人間とドラゴンやモンスターでは価値観なども違うだろうから、意志のぶつかり合いになるのは難しいですからね。
また、意志のぶつかり合いの先に共闘するという、熱い展開がある可能性。そして、最近の受け手が「世界を征服して、その後どうするんだ?」と、気付いたことも要因かもしれません(苦笑)
光が強ければ影は濃くなり、濃い影のあるところには強い光があります。
つまり、主人公を魅力的に見せようと思うなら、対する『悪役・ライバル』も魅力的にする必要があるということ。
そして、どんな理由・感情で動く『悪役・ライバル』なのかが明確になれば、それを止める・倒す主人公の心境もはっきりとし、読者はより共感しやすくなる。
ですので、キャラクターを作る際には主人公と同じくらい、あるいはそれ以上に『悪役・ライバル』の設定を練る必要があるかもしれません。
ではまた次回、お会いできれば。
★2015.6.20 追記
アッキさんから頂いたご意見『悪役・ライバルに人型が増えたのは、第二の主人公という役割があるからではないか』。
確かに、その通りですね。
有名なところだと『NARUTO』が良い例で、互いに信念を持って行動し、それゆえにぶつかり合う。最近多いダブル主人公の構図も、こういった理由からかもしれません。
ご意見・ご要望などなど、心よりお待ちしてます。




