第82話「『優先強化エリア』の秘密と、『王名授与』」
「ただいまー」
俺は『魔法陣転移』で、ハザマ村に戻ってきた。
「獣人の人たちは大人しくしてるか? 『グルトラ太守』のことはキトル太守家に任せるとして、彼らの生活の場所を──」
「「「「その前に説明してください。王さま!!」」」」
……え?
リゼット、ハルカ、ユキノ、プリムが魔法陣のまわりにいて、俺をじっと見つめてる。
みんなすごく真面目な顔だ。
俺がシルヴィア姫のところに行ってる間に、なにかあったのか?
「まさか獣人たちが暴れてるのか!? いや、それとも『グルトラ太守』のスパイが!?」
「……そういうことではないんです。兄さま」
リゼットが俺の手を取った。
「と、とにかく、お外に来てください。それから説明を」
「そ、そうだよ兄上さま。とにかく来てよ」
「大事件なんだから。ショーマさん」
「あたくしもこんな事態は初めてです。我が主!!」
なにがあった?
4人に引っ張られるままに、家の外に出てみると──
「…………うわ」
村の中に生えている樹すべてに、木の実が鈴なりになっていた。
真っ赤に熟れた、リンゴそっくりの木の実。ミカンそっくりの実。
それから──リゼットの家のまわりに生えた『トウカの実』も。
俺たちが『義兄妹の誓い』をしたときには葉っぱしかなかったのに、今は数え切れないほどの実が成っている。想像してた通りに、桃そっくりのきれいな実だ。
ひとつ手に取ってみると、手触りは桃そのもの。
『竜種覚醒』して、爪で皮を削り取ってかじると……うまい。
ジューシーで、甘い。
よく見ると、樹そのものが、ほのかに光ってるように見える。
というか、俺が『トウカの実』を取り終わると、枝が高いところに戻っていくんだが。
もしかして、俺が取りやすいように降りてきてくれたのか……?
「ということは、これが『優先強化エリア』の効果か」
「……『優先強化エリア』ですか?」
リゼットは首をかしげてる。
「ああ。シルヴィア姫と話がついて、あっちの城の魔法陣を活性化させることができたんだ。そうしたら、辺境と『キトル太守領』すべての魔法陣が繋がった。その後で『優先強化エリアを決めてください』というメッセージが出たから、ハザマ村……いや、『鬼王城』を指定してみたんだ」
「……そういうことでしたか」
「それならわかります。ショーマさん」
ユキノは納得したようにうなずいてる。
「魔力ポイントを活性化しすぎたせいで、『至高なる扉』が開いてしまった。それは循環することで力を高めた魔力が、行き場をもとめて天に向かって開いたもの。つまり、この『鬼王城』が、膨大な魔力の放出点になったってことね」
「わかりやすいな!?」
さすが現役の中二病。
使ってる単語はちょっとアレだけど、たぶん、核心を突いてる。
「そうだな。ユキノの言う通りだと思う。俺たちは大量の魔法陣を活性化して『竜脈』をつないだからね。そのおかげで、今まで行き場をなくしていた大地の魔力が、一斉に流れ出したんだと思う」
「魔力は水のようなもの。流れ、循環することで、活性化すると言われております」
俺の言葉を、プリムが引き継いだ。
「そうして強まった魔力が、王が指定された『優先強化エリア』を満たしているのでしょう。突然、果実が成りはじめたのはそのためと思われます。おそらく、作物が採れる回数も増え、より多く、健康なものが採れることでしょう」
「……リゼットも、なんだかお肌がつやつやになった気がします」
「……あたしもです。見てみて。ショーマさん」
いや、袖をまくって腕を突き出さなくても……。
「「…………むー」」
「確かめないとだめか?」
「「 (こくこく、こく)」」
「しょうがないな……」
さわさわ、さわ。
うん。たしかにすべすべだね。
そんなしょっちゅうふたりの肌に触れてるわけじゃないから、違いがよくわからないけどさ。
「はおうさまーっ! なんだかよくわからないけど、すり傷が一瞬で治ってるんだけど!?」
「我ら獣人の傷も、あっという間に治癒したのですが!?」
『ヘイ! ヘイヘイヘイヘーィッ!!』
……なんか子どもたちが叫んでる。
獣人のみんなは……黒魔法で操られてる間に負った傷が治ったのか……。
『意思の兵』まで動きが良くなってる。反復横跳びして、バク転して、さらに一瞬で、ぱたぱたぱたっ! と合体して家のかたちになってる。すごいな……。
「はおうさま! 果実おいしいですー!」
「獣人全員で感謝いたします。ありがとうございます!」
「覇王さま! 我らの王『鬼竜王翔魔』さま────っ!!」
……まさかこんな騒ぎになるなんて。
すごすぎだ。『優先強化エリア』。
さらに魔法陣を繋げて、『優先強化エリア』が5か所や10か所になったらどうなるんだろう。
果実も採れて、作物も増えて──
みんな1日3時間くらいの労働だけで生きられるようになるんじゃないか……?
「なるほどー。つまり、兄上さまはすごいってことだね!」
ハルカは、さっきからうなずきっぱなしだ。
「なにが起きてるのか、本当にわかってるんですか? ハルカ」
「もちろん。わかってる。わかってるよー」
「…………」
「なんだよー、リズ姉。ボクだって、ちゃんとわかってるんだからね」
「ハルカはそれでいいよ」
なんとなくハルカが涙目になってたから、俺は頭をなでてみた。
そうすると、ハルカは安心したように笑って、
「えへへー」
「俺だって、この結果は予想してなかったからな。今のところ『すごい』『びっくり』なのは同じだ。『優先強化エリア』の利用法は、一休みしてから考えるよ」
「だよねー。兄上さまは、ボクのことわかってくれるよねー」
「兄妹だからな」
「そんな兄上さまが作ってくれた『優先強化エリア』だもんね。すごいよね」
「ああ、すごいな」
「こんなにすごいんだから、いつもの温泉が金色に光ってるのも当然だよね」
「ああ、いつもの温泉が金色に光──って、ちょっと待った」
「え?」
「いつもの温泉が金色に?」
俺が聞くと、ハルカはぽかん、とした顔で、
「うん。兄上さまと一緒に入るところを想像しながらひとっ風呂浴びようなかなー、って思って行ったら、お湯が金色に光ってたの。びっくりして戻ってきたら、村がすごいことになってて、兄上さまが『優先強化エリア』って言ったから──ああ『優先強化エリア』じゃしょうがないな、って思ったんだよ」
「……すごいな、ハルカ」
大物だった。
器の大きさが、はんぱなかった。
「それじゃ……とりあえず見に行こうか」
そんなわけで、俺とリゼット、ハルカとユキノ、プリムは、いつもの温泉に向かうことにしたのだった。
「ね?」
ハルカは温泉を指さして、笑ってる。
彼女の言う通りだ。温泉のお湯が、金色に光ってる。
ここの温泉は、岩壁からお湯が噴き出すようになってる。
その吹き出し口から、お湯と一緒に金色の粒子のようなものがあふれ出ている。
それで、お湯が光ってるように見えるようだ。
「『優先強化エリア』に集まった大地の魔力が、お湯と一緒に噴き出してるのか」
「あたくしもそう思います。王さま」
プリムがうなずいた。
「温泉は魔力と同じように、地面の下を流れています。それが大地の魔力と混ざり合い、こうして流れ出てくることは充分に考えられます」
「ということは、この温泉は魔力をたっぷり含んでる……ということだよな」
……実験してみよう。
「『異形の覇王の名において──竜種覚醒』。『竜咆』!!」
俺は (誰もいないのを確認してから)真上に向かって、『竜咆』を発射した。
よし。これで『竜』の魔力を消費した。
・残留魔力:竜 (72%)
結構強めに撃ったから、30%くらい減ってる。
「プリム。ここの温泉って、飲んでも大丈夫か?」
「大丈夫だと思います。井戸水と、大元の流れは同じはずなので」
「わかった」
俺は温泉の噴出口に手を入れて、噴き出すお湯を両手ですくい取った。
顔を近づけてみると……やっぱり、金色の粒子が舞ってる。
『結界』を再起動したときに現れる光と似てる。悪いものじゃなさそうだ。
そのまま口に入れて飲むと──
・残留魔力:竜 (100%)
「──魔力が全回復した!?」
「「「「えええええええっ!?」」」」
なるほど。
大地の魔力を充分に含んだお湯だから、魔力回復効果があるのか。
これって……瓶に入れて保存できたりするんだろうか。
もしできれば……結界の外で『意思の兵』を動かすときの魔力補給に使えるかもしれない。
「すごいですね……これが『優先強化エリア』の力なんですか……」
「魔力の保存ができれば、あたしの魔法も使い放題になるかも」
「色々と戦略が広がりそうです」
「ひゃっほーい。魔力のおふろだーっ」
じゃばん。
誰かが問答無用で、お風呂に飛び込む音がした。
「……って、ハルカ!?」
「こら、ハルカ!? はしたないですよ!!」
「わかってるよー! だから下着はつけてるもん!!」
止める間もなくハルカは、魔力にあふれたお風呂に、とぷん、と浸かってしまった。
「……飲んでも大丈夫なんだから、浸かるくらいは大丈夫だろ」
「軍師としての感想ですが……ハルカさまが敵でなくて良かったです」
「行動が予想できないもんな」
「はい」
天然なのか天才肌なのかわかんないよな。ハルカは。
今だって、こっちに向かって手を振りながら、お湯の中で笑ってるし。
「……うん。こうしてると、なんだか強くなったような気がするよ」
「それなら、風呂から上がったら実験してみるか」
「はーい」
「だからって今すぐ出ることはないんだけどな!?」
……下着が透けてるとかは……もう、気にするだけ無駄か。
とりあえず、収納スキル『王の器』から、『強化』した棍棒を取り出して、と。
「まずは必殺の『無尽槌』であの岩を突いてみてくれ」
「はーい」
ハルカは棍棒を受け取ると、岩に向かってそれを構えた。
『無尽槌』は、凝縮した魔力を叩き込む──いわゆる発勁みたいな技だ。
通常だと『城主』特典で攻撃力が上がってるから……威力としては岩に穴が空くくらいけど、今回はどうだろう。
「いくよ! 必殺、『無尽槌』!!」
どごん。
岩が砕け散った。
衝撃波が飛んで、後ろの木に大穴が開いた。
「「「「…………おぉ」」」」
「どう? すごい? すごい? 兄上さま!」
ハルカは下着姿で飛び回ってる。
本当にすごいな。やっぱり魔力の温泉に入ると、パワーアップするみたいだ。
「じゃあ、ごほうびが欲しいな?」
「ごぼうひ?」
「ボクのここに兄上さまの手で『鬼将軍』って書いてほしいんだよ」
ハルカは俺に、お湯で上気した背中を向けた。
湯上がりだからか、汗と、温泉のお湯が肌を伝っている。
「ボクは『鬼将軍』って名乗ってるけど、兄上さまから正式に名付けてもらったわけじゃないからね。この機会に、ちゃんと任命して欲しいんだよ」
「そっか。そのくらいならいいよ」
文字を書くのが背中ってのはどうかと思うけど。
ハルカの下着はお湯で湿って透けて、肌にぴったりと貼り付いてる。
義妹だから、気にしなきゃ気にならない……かな。
「指で書けばいいのか?」
「うん」
「わかった」
俺はハルカの背中に指を当てた。
「……ひゃっ!?」
「……どうした?」
「な、なんでもないよー。くすぐったかっただけだよー」
ハルカは真っ赤顔で、こっちを向いた。
肩がふるふる震えてる。けど、やめて欲しいわけじゃなさそうだ。
「……指で書くのって難しいんだけどな……『鬼』……は、これでいいとして、『将』と『軍』は……」
「…………あれ?」
一瞬、ハルカの背中に金色の『鬼』の字が浮かび上がった。
なんだこれ。
……魔力の、文字か?
「あれ、あれれ? 身体が熱いよ……なにこれ……なに、これ」
「ハルカ、大丈夫か!?」
「だ、大丈夫。痛いとか苦しいとかじゃない……むしろ、安心する感じだけど……すごい、なにこれ!!」
『────「王名授与」が成立しました』
──え?
『────「鬼竜王翔魔」の「鬼」の文字と能力を、ハルカ=カルミリアに授与します』
『────残りの使用可能文字は「竜」「王」「翔」「魔」です』
俺の前にメッセージが現れて、消えた。
「……俺の名前の一部を、ハルカに与える?」
そういえば、聞いたことがある。
歴史上の皇帝や王さま、貴族や諸侯は、自分の名前に使われているのと同じ文字を、配下に使わせることがあった……って。
それは、配下が忠誠を誓うために、自ら望んで改名することもあったらしい。
あるいは逆に、皇帝の名前と同じ文字を使わないようにする、ということもあったって、どこかの本で読んだ記憶がある。
つまり、皇帝や王の名前の文字には、それだけ価値がある、ということだ。
じゃあ、俺がハルカに『鬼竜王翔魔』の『鬼』の文字を与えたということは……?
「ハルカ」
「……う、うん。兄上さま」
「試しに『鬼の怪力、2倍』って言ってみてくれないか?」
「え? あ、うん。『鬼の怪力、2倍』!!」
ぶぉ。
ハルカの身体から、膨大な魔力があふれだす。
「なにこれ!? すごい力だよ!! なにこれ!!」
「ハルカが『鬼種覚醒』と同じスキルを使えるようになったのか……」
「えっと、試してみるね。必殺、『無尽槌』!!」
ぶんっ!
ハルカは再び、棍棒で手近な岩を突いた。
岩が消滅した。
衝撃波が、後ろの岩壁に穴を開けた。
「…………すごっ」
「ハ,ハルカ!?」「す、すごいよ。ハルカさん!」「……だからですね。こういう規格外の方がいると、戦略が立てられないと……」
リゼットもユキノもプリムも、びっくりしてる。
ちなみに、俺の『鬼種覚醒』は今まで通りに使える。
能力が単純に、ハルカにコピーされたようだ。
「これが『優先強化エリア』の力か」
土地に魔力があふれ出して、一部の水源を、魔力で満たす。
その水で配下の身体に文字を書くと、主君の能力がコピーされる。
ただし……名前が使えるのは、1文字につき一人だけらしい。使用可能文字が減ってたから。
「すごいよ兄上さま。じゃあね、じゃあね、次はボクに『竜』を書いてみて!!」
「よくばってはいけません。それより、ハルカは服を着なさい」
はぁ、と、リゼットがため息をついた。
「あなたは『異形の覇王 鬼竜王翔魔』さまの配下にして『鬼将軍』なのでしょう? 正式に将軍として名前をいただいたからには、礼儀を守らなくては」
「えー。家族なんだからいいじゃない」
「いけません。将軍がはしたない姿ではしゃいでは、兄さまの威厳に傷がつきますよ?」
「じゃあリズ姉は、兄さまに文字を書いてもらわないの?」
「……リゼットはまだ正式に任命されていませんもの」
リゼットは真っ赤な顔で横を向いた。
「しょ、将軍として名前をもらったひとは、わきまえるんですー。りぜっとはまだなまえをかいてもらってないからいいんですー」
「ず、ずるいっ」
「策士です。リゼットさん」
「軍師の仕事を取らないでいただきたいです……」
「じゃ、じゃあリズ姉は、将軍になった後は、兄上さまと一緒にお風呂には入らないんだね?」
「……きょうだいのときはいいんですー」
「ずるいよー」
「と、と、というわけで、ショーマ兄さま……お願いします」
リゼットは温泉の近くまで移動してから、俺に背中を向けた。
ゆっくりと、服の帯をほどいて、真っ白な背中をあらわにする。
「……お、お願いします。ショーマ兄さま」
「……わかった」
リゼットもパワーアップできるなら、しておいた方がいい。
「……『竜』でいいのか?」
「……そうですね。別の文字ですと……なんとなく、違和感があります」
「だよな」
リゼットは竜の血を引く、『竜将軍』だ。
他の文字は似合わない。というか、任命できない──そんな気がする。
「……『竜』……っと」
「……く、くすぐったいです、兄さま。まだですか?」
「……もう書いたよ?」
「……え?」
「……もう一回書いてみるか……『竜』……っと」
「……ひゃっ。あ、あれ? なにも起きませんね……?」
「おかしいな……もう1回」
「……に、兄さま……はふ……」
それから10分くらい、俺は『魔力温泉』のお湯でリゼットの背中に『竜』を書き続けたけど、反応なし。
おかしいな……ハルカの時は一回で成功したのに。
「……もしかして、書く場所か?」
「書く場所、ですか?」
「前にリゼットとハルカを『城主認定』したとき、身体の魔力の流れが見えたんだ。それが、それぞれ違ってたような気がする。だから……」
「リゼットは背中じゃなくて、別の場所に魔力で文字を描くべき、ということですか?」
「その可能性はあるかもしれない」
「わかります。ショーマさん」
不意に、ユキノがうなずいた。
「ハルカさんは背中に文字を書いたけど、元の世界のショーマさんは、腕にかっこいい紋章がありましたから」
「いきなり元の世界の黒歴史を語るのはやめない?」
「『有機栽培の竜王』は腕にかっこいい紋章が……」
「その名前はもっとダメだ!」
「我が主とユキノさまの意見に賛成いたします」
プリムも、手を挙げてる。
「個人個人によって魔力の強い場所は違いますから。ハルカさんは手足を使うのが得意なので、それをつかさどる背骨に近い場所で、文字が反応したのかもしれません」
「……そうなると、どうやって探せばいいんだろうな」
「あちこち書いて試してみるしかありませんね」
「あたしもそう思います」
「やったねリズ姉!!」
「ちょっと待ってくださいいいいいっ!!」
俺に背中を向けたまま、リゼットが叫んだ。
さっきまで白かった肌は、全身真っ赤に上気してる。
震えてるのは寒いからじゃない……と、思う。
「どうする? リゼット」
「ど、どうする……って」
リゼットは横目で俺を見て、
「リゼットはずっと、竜の力にあこがれていました。それに、リゼットが『竜種覚醒』の力を得れば、兄さまに近づくことも……もっと、お役に立つこともできますので……」
すーは、すーは、と、リゼットは深呼吸。
それから、覚悟を決めたように、俺の方を見て──
「お願いします。ショーマ兄さま」
きっぱりと宣言した。
──2時間後。
『竜』の文字は、ぐったりしたリゼットのお腹のあたりで、無事、反応したのだった。
そして──
「ショーマさん、あたしは?」
「我が主、あたくしは……?」
「効果時間と能力を、しっかり確認してからね」
念のため、そういうことにした。
いつも「天下無双の嫁軍団とはじめる、ゆるゆる領主ライフ」をお読みいただき、ありがとうございます!
このたび、このお話が書籍化することになりました。
カドカワBOOKSさまから、8月9日発売です。
「なろう版」を読んで下さっている方も楽しんでいただけるように、改稿たっぷり、書き下ろし追加でお送ります!
「なろう版」と合わせて書籍版も、どうぞよろしくお願いします!!




