表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
婚約破棄は決定事項です  作者: Na20


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

10/43

10

 

「お久しぶりです、叔父様」



 私は今、ルーシェント公爵領に来ていた。普段は王都にあるタウンハウスで生活をしているので、ここに来るのは本当に久しぶりだ。


 なぜわざわざ公爵領に来たのかというと、皇宮文官に応募するにあたり保証人が必要だったから。叔父にその保証人になってもらいたく、お願いをしにここまで来たのだ。

 現在、商会の仕事で各地を飛び回っている父に代わり、公爵領の領地経営を行っているのは父の弟である叔父だ。私はシェザート殿下と婚約するまでは公爵領で過ごしており、叔父は私を本当に娘のように可愛がってくれていた。私にとって叔父は唯一信頼できる人物だ。だから保証人が必要とわかった時、真っ先に思い浮かんだのは叔父であった。

 叔父は領地経営に力を入れており、社交界にはあまりに顔を出していない。本来なら顔を出すべき父もまったく社交界には出ていないので、私がシェザート殿下と王妃の仕事を押し付けられていることなど知らないだろう。もしかしたらシェザート殿下に恋人がいることすら知らないかもしれない。だから今回そういった事情をすべて話し、叔父に保証人になってもらうつもりだ。



「久しぶりだな。元気だったかい?」


「はい。叔父様もお元気そうで何よりです」


「見ない間に大人になったなぁ」


「ふふっ。私ももうすぐ十八歳になりますからね」


「もう十八か!ちょっと前まではこんなに小さな子どもだったのに、時間が経つのは早いな」



 叔父はそう言って笑いながら私の頭を撫でた。



「はっ!すまん!今や立派な淑女なのに、つい昔のように接してしまったな」


「いえ、嬉しいので気にしないでください」


「そうか?」


「ええ」


「それならよかった。ああ、立ち話ですまないな。何か大切な話があるんだろう?こっちで座って話そうか」



 叔父には事前に話があるから訪問したいと伝えはしたが、二日前と急であったにも関わらず、こうして時間を取ってくれたのだ。


 早速私はこれまでの出来事を順を追って話した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ