第84話 メギドの丘
サンシールとウェリオは、アンジェリカの能力を使ってノドの城の地下、最深部にやってきていた。
そこには、ノドの城の偽の大広間とは比べ物にならない巨大な大広間があった。
高さも広さも、数kmに渡る空間だ。
そこに、巨大なメタリックグレーの柱が立ち並び、あずき色のカーテンと絨毯で飾られている。
「亜空間の中に隔離された、ここまで楽々来るとは、さすがだなアンジェリカ。お前の弟と、その部下には最新のSAを与えたが、期待外れだったようだな」
立派な黄金の王座に座るモリガンは、言った。
彼女は、アンジェリカと同じ超高速SAサフロンを身に付けている。
そのSAは、ブースターなどが少し大型化されていた。
「速攻でやっちゃうよー!」
アンジェリカは、モリガン目掛けて突っ込んでいく。
神格転身した彼女は、モリガンからアイテムを盗み取ろうとする。
「オーバードブースト!」
モリガンの全身に取り付けられたコンバーターとブースターが、強力な魔力を放つ。
超高速で、アンジェリカの接近より早く移動して避けた。
「この私のSAサフロンは、改良してある。ブースト機能を使えば、神格転身するまでもなく、お前の盗賊系スキルを回避出来るスピードを生み出せるのだ。盗みのスキルは、通れば最強に見えるが、通らねば何の役にも立たん!」
モリガンが、勝ち誇ったように言う。
「きゃあ!」
アンジェリカが、悲鳴を上げて倒れる。
彼女のSAサフロンが破壊されて爆発したのだ。
避ける寸前、超高速でモリガンが攻撃していたのだった。
「アンジェリカ!」
サンシールが、アンジェリカを抱き上げる。
「ごめんなさい、あいつには勝てないみたい…」
アンジェリカは、呟いた。
ウェリオが、素早く回復魔法で傷を癒す。
「ははははは!絶望の中で死ぬがよい!」
モリガンは、そういうと、黒い大きな爪を取り出した。
「ミスティックアイテム、サタンの爪!真の魔王サタンを召喚せよ!」
モリガンが、そう叫ぶと、サタンの爪が消滅する。
「異界、メギドの丘!」
続けて、モリガンは異界を発動した。
大広間が消え、どこまでも続く荒野へと変っていく。
地面から、巨大な黒い両足が出現する。
「ふははは!イマジン最強のボスモンスターの一匹、真の魔王サタンに潰されるがいい」
モリガンは、そう言うと、遠くに見える丘の方へ飛び去った。
「これは、真の魔王サタン!両腕、両足、頭を同時に倒さないと勝てない特殊ボス!!」
真の魔王サタンの両足が、3人を潰しにかかる。
多数の魔法が、3人を襲う。
両足から逃げ回る3人。
「顕現せよ!現魔、月の吠える者よ!」
地面から突然、黒いイカの足の様な吸盤のついた触手が生えてくる。
その大きさは100mを越え、サタンの両足よりも巨大だった。
「命を助けてもらった借りは返す!ここは任せろ!」
その上には、パンツしか身に付けていないリカルドが座っていた。
現魔、月に吠える者は、さらにイカの足の様な触手を生やし、サタンの両足に絡みつく。
「すまない!」
サンシールは、そう叫び、3人はモリガンの後を追った。
しばらく進むと、今度は両腕が立ちふさがる。
「ここは、私が!」
ウェリオは、そう言った。
「私に宿る赤い竜の力!白い竜の力!今こそ、顕現せよ!」
彼女が叫ぶと、赤竜王ア・ズライグ・ゴーッホ、白竜王グウィバー。
巨大な2体の竜が現れる。
2体は、人間の姿へと変化していく。
「赤い竜の神官アラド、約束通り参りました」
「白い竜の神官グレマ、来たよ」
二人の司教服を着た女性が現れる。
「魔王よ、退散しなさい!」
アラドが、そう言った。
二人は杖を振るい、魔力で出来た竜の首を作り出して両腕に発射する。
両腕は、赤い炎と白い炎に包まれた。
「先に行きましょうサンシール!」
アンジェリカの声に押されてサンシールは、丘へ目掛けて駆け出した。
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