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キャラデータは女帝の夢を見る~女帝、恋愛も世界も征服する  作者: 百鬼清風
第二部 英雄と姫達
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第61話 王子の敗北

「サンシール様ぁあ!敵が撤退していきます」


 モーギスが、魔法を打ち尽くして、しんがりを務めていた暗黒兵団を壊滅させた後、サンシールがドクロ城の迎撃から戻ってきた。

 異界も元に戻り、日の光が差し込んむ中、アンジェリカが何食わぬ顔で走り寄ってくる。



「サンシール様、誰よりもお慕いしております。どうか私を、あなたの恋人にして下さいませ」


 ここがベストタイミングだと考えた彼女は、サンシールに抱き着いて耳元で囁いた。


「分かった、君の気持ちは分かっている」


 サンシールは、あっさりと告白を受け入れた。


「嬉しい!ありがとうございます!」


 サンシールを抱きしめるアンジェリカの力が強くなる。


「君が、ノドの国の一員である事も、弟の正体がリカルドという黒い鎧の男なのも分かっている。しかし、君の気持ちが本当なのも知っている。だから、それに応えるよ」


 サンシールは、さらっと言った。


「は?まさか、あなたは人の心が読めるの?」


 アンジェリカの目が点になった。


「あーもう細かい事はどうでもいい!!愛してるサンシール!」


 アンジェリカは、目を閉じてサンシールを抱きしめ直した。


「人の心なんて読めなくても、バレバレですけどね。害は無さそうなので、空気読みましたが」


「隠せてると思ってた?」


 モーギスとアヤは、あきれた顔で言った。


「だだし、ノドを抜けてくれなければ、これ以上、君を連れていくわけにはいかない。どうなんだ?アンジェリカ」


「やめる!すぐ、ノド抜けます!」


 アンジェリカは、サンシールの問いかけに即答した。


「ほう、それならもう、お前の言う事を聞いてやる義理もないな」


 その時、サンシール達の前に、黒い軽装鎧の男が遮蔽(ステルス)魔法を解いて現れた。

 黒い仮面をつけた黒い軽装鎧の男は、リカルドだった。


「ふははは!これでもう手加減してやる必要もない、今度こそ真剣勝負だサンシール!」


 リカルドは、黒いオーラを翼の様に発し闇神格転身する。

 同時にSAヘクトールを身に纏い、黒い重装全身鎧の姿になる。


「…」


 サンシールは、何か言おうとするアンジェリカの口を手で塞いだ。

 アンジェリカは、以後何も言わなかった。


「よし、では1対1で決着をつけよう」


 サンシールが、言う。

 SAファルコンを身に付けたサンシールが、再び神格転身を行い、虹色のオーラを発した。


「望むところ!」


 リカルドは、剣を構える。


悪竜斬り(ドラゴンスレイヤー)!」


 サンシールの一撃がリカルドを襲うが、それを片手で弾くリカルド。


「このヘクトールは、全身ミスティックアイテム。どこに当たろうと、決して破壊出来ない。これで防御の上では、互角だぞサンシール!」


 リカルドは、そう言った。


「SAは破壊出来なくても、中身の体に届くダメージをゼロには出来まい!」


 サンシールが、言い返した。


「やってみろ!」


 リカルドが、そう叫ぶと、サンシールの足元から黒く尖った物体が飛び出して攻撃してきた。

 サンシールは、飛びのいてかわす。


「お前は、人の心が読めるそうだな。それが分かれば、どうとでもなる!」


 大釜、長槍、ダガー、大剣。

 リカルドは、次々と武器を形を変え、サンシールを攻撃してくる。


「これだけの力量、ゲーム内のスキルだけではないな!」


 サンシールは、何とかかわしながら言った。


「現実世界での武道の力量も生きるのが、この転移した世界!これは、努力で得た力。貴様の様なチート野郎とは違う!ゲームプレイヤーとしても、俺の方が上だと分からせてやる!不可視(インビジブル)!!」


 そう言うと、リカルドの姿が虚空に消える。


「ふははは、アサシン、トリックスター、シャドウダンサー。3つの盗賊系上級職を全て身に付けた俺を捉える事は誰にも出来ない」


 リカルドの声だけが響く。


心術破り(ブレークマインド)!」


 リカルドが、スキルを発動する。


『奴の心が読めなくなった!?』


 サンシールは、顔をしかめた。


「やはり、このイマジンのスキルで、お前の力を妨害出来るな。これで、貴様に勝ち目はない」


 サンシールの表情を読んだリカルドの声が、響く。


「エリコ!全方位攻撃を仕掛けろ!」


「はい」


 リカルドの命令に、従魔が答える。

 サンシールの周囲の空間から、数十本の黒い突起が現れ、全方向から攻撃してくる。

 大きくジャンプして、その攻撃から逃げるサンシール。


「甘い!ワンパターンだぞサンシール!速攻死(ヘイストデス)!」


 サンシールのジャンプ先で、彼の背後からリカルドが現れて攻撃を仕掛ける。

 背中から刺し貫かれ、血を吐いて地面に倒れた。


「もう、やめて!これ以上やるなら、お姉ちゃんを殺してからにしなさい!」


 アンジェリカは、サンシールの背中に自分の体を重ねて庇った。

 彼女の両目から、沢山の涙が流れる。


「これで死なぬとは、技が浅かったか…。仕方ない、これで縁切りだぞ姉貴。姉弟の最後の義理として、今回だけは見逃してやる。だが、これだけは貰っていくぞ」


 リカルドは、サンシールの握っていた聖剣デュランダルを拾うと、再び虚空に消えていく。


「ふははは!これで、イマジン最強は、この俺だ!ヘクトールシリーズ、全て手に入れた!」


 リカルドは、そう言い残して完全に消えた。


「ごめんなさい、サンシール様。この私が口走った為に…」


 アンジェリカは、泣き続けた。

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