表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
キャラデータは女帝の夢を見る~女帝、恋愛も世界も征服する  作者: 百鬼清風
第二部 英雄と姫達
59/84

第59話 トゥールラ攻防戦5~悪役令嬢の大逆転

 アンジェリカは地上に降りると、膝のあたりをポンポンと叩いて、ほこりを落とした。

 そして、インベントリから1機のSAを取り出す。

 背中に天使の様な翼を持った、あのSAだ。


「サンシール様、こちらのSAをアルビオン王より賜りました。どうぞ、お役立て下さい。SAファルコン、アルビオン最新最強のSAでございます。」


 アンジェリカは、サンシールに軽く会釈して言った。


 その間、敵の攻撃は止んでいる。

 アンジェリカの登場によって、ノド側の統率が乱れつつあった。

 元々彼女の従魔であるアールブの部隊は、アンジェリカを攻撃出来ない。




「ぐぬぬぬ…何故ここにアンジェリカ様が?」


 アールブは、アンジェリカの姿をモニター越しに見て、歯ぎしりした。


「仕方ない。戦いはここまでだ!残りの暗黒兵団を全て突撃させろ!宝眼教の連中にも攻撃の続行を依頼。他の部隊は全て即座に撤退を開始せよ!最後までデータは送信させるのだ!」


 彼女は、部下に命令を出す。


『一応の成果は得た。後は暗黒兵団をしんがりにして撤退するしかない。あいつらは、元々捨て駒よ!』


 アールブは、指を噛んで思った。




「助かる!」


 サンシールは、そう言うとSAファルコンに手を当てた。

 反応したファルコンがサンシールを主人と認識し、彼の体に装着される。

 背中には天使の様な翼、そして2門の砲身が伸びる。

 最低限の装甲が身を包む。


「軽い…」


 サンシールは、呟いた。

 そして、脳内に流れてくる新しいコントロール用のUIを見て、SAの機能を理解する。


「よし、後は、ぶっつけ本番だ!」


 ファルコンを装着したサンシールは凄まじいスピードで、混乱したゴブリン達を薙ぎ払っていく。

 さらに、白象達に突っ込み、次々と背中に積んだ砲と乗員を破壊していった。


「私も少し戦ってまいりまーす」


 アンジェリカは、すたすたと小走りで霧の中に消えていく。


「単独行動は危険だ」


 モーギスが、そう声を掛けたが、構わず去っていった。


「あの娘、どうなっても知らんぞ!」


 彼は、拳を握りしめて怒りを抑えた。


 壊滅したサイの戦車に乗ったゴブリン部隊と白象部隊に代わって、多数の暗黒兵団が突撃してくる。

 その攻撃は、最早統率が取れておらず、密集状態で突っ込んでくる。

 自分の頭を小脇に抱えた騎士デュラハン、骨の兵士(スケルトン)食人鬼(グール)骨の魔法使い(リッチ)怨霊(スペクター)

 多数のモンスターが、攻め寄せてくる。


「ここが、攻め時だ!消耗を考えず全力で行くぞ、モーギス、アヤ!」


 サンシールが、叫ぶ。


神格転身ディバインモード!」


 彼の背中の天使の羽根から、虹色の光が噴き出す。


「これを試してみるか!」


 背中の2門の砲身を敵に向ける。

 砲口から、強力な2線の光が飛び、何体もの敵を吹き飛ばした。


「これが、俺ではなくSAの力!魔法よりもMP消費が少ないのに、この威力か!?」


 サンシールは、驚いた。

 さらに、ファルコンが常時回復フィールドを形成しているのに気がついた。


「HPとMPが、少しづつ回復する。これならディバインモードで戦い続けられるぞ!」


 サンシールは敵に向かって、剣を構え直した。


「エピック呪文!隕石落下(メテオスォーム)!」


 モーギスが、4つの小隕石を呼び寄せて、暗黒兵団にぶつける。

 密集した暗黒兵団は巨大な火球に巻き込まれ、一撃で数万という被害を出した。


「さあ、もう出し惜しみは無しだ!」


 モーギスは、次のエピック呪文の詠唱に入った。

 それを、アヤが守る。




「さて、私の大切なサンシール様に手を出して、どう落とし前つけてくれるのかしら?」


 空中要塞ドクロ城の指令室。

 妖怪大魔王幻魔斎は地面に突っ伏し、アンジェリカのヒールで頭を踏まれていた。

 その場にいる彼の部下達も、全員彼女に土下座している。


「いや、私はアンジェリカ殿との約束通り、あなたと、あなたの従魔の命令を聞く約束を守っただけで…」


 幻魔斎は、情けない声を出す。


「言い訳は聞きたくない!状況を察して行動しなさいよ!」


 アンジェリカは、幻魔斎に無理ゲーを要求している。


「そんな殺生な…」


 幻魔斎の仮面の目の穴から出る黒いオーラが、涙の様に見えた。


「あんたのギルドのギルドコンソールアイテムは、私が持っているのを忘れないでね。なんなら、あんた達を強制解散させて、本拠地も崩壊させてやってもいいんだからね!」


 アンジェリカは、水晶で固められた武将の干し首を取り出して言った。

 ギルドコンソールアイテムは、ギルド同士の戦いでサバゲ―のフラッグの様に勝利条件アイテムにも使われる大切なギルドの魂だ。

 このアイテムを持っている者が、ギルド関連の操作を全て行う事が出来るイマジンの重要アイテム。

 ほとんどの場合、ギルド本拠地の最深部に設置されるか、ギルドリーダーもしくはギルド最強の者が携行する。

 その形状や能力は、ある程度自由に変える事が出来る。

 アンジェリカは、彼等のギルドコンソールアイテムを、盗み出していた。


「とにかく、すぐに退散しなさい!」


「了解した…妲己と晴明に、すぐに撤退せよと伝えろ」


 アンジェリカに言われた幻魔斎は、部下に連絡を命令した。


「ドオオオン!!」


 その時、爆音が響き、司令部が大きく傾いて揺れる。


「幻魔斎様、翼を持った小僧が一撃で要塞の魔法障壁に大ダメージを!多数の損害が出ております!」


 指令室のモニターを確認した部下が、ドクロ城が大ダメージを受けた事を報告する。


「きゃー、さすがサンシール様、素敵!」


 アンジェリカは、歓喜の声を上げた。


「ええい!敵は飛行魔法も転移魔法も使えないはずだ!どういう事だ」


 起き上がった幻魔斎は、状況を部下に確認する。


「奴は、この城と同じく魔法以外の方法で飛んでおります!」


 部下が、言った。


「ええい、全力後退だ!即座に撤退せよ!」


 幻魔斎が、命令する。


「ドオオン!」


 また爆音がして、ドクロ城が揺れる。


「ええい早くしろ!」


 幻魔斎は、よろめきながら叫んだ!


『うふふ、もう大丈夫ね』


 アンジェリカは、大量に送られてくるアールブからの個別チャットメッセージを無視し、床に沈んで消えていった。


 空中要塞ドクロ城は多くの損害を出しながら、何とか戦場から撤退した…。

良ければブックマークや評価を頂けると嬉しいです。

励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ