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キャラデータは女帝の夢を見る~女帝、恋愛も世界も征服する  作者: 百鬼清風
第二部 英雄と姫達
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第53話 トゥールラ攻防戦3~降伏勧告

 サンシール達への激しい砲撃は、30分間に及んだ。

 それが終わったかと思うと、次々と数百人単位で暗黒兵団が突撃してくる。

 そして、また砲撃が始まる。


 この繰り返しが、昼から深夜になるまで続いた。


「これは、まずいですね。相手は分散していて、魔法で一掃は難しい。我々には及ばないとはいえ、それなりの精鋭部隊の連続攻撃。魔法を無駄使いしていては、早々に打ち尽くしてしまいます」


 モーギスは、暗黒兵団を次々と拳とスタッフで倒しながら言った。


「前に出るにしても、相手の本陣の位置は掴めない。ここは耐えるしかないのか?」


 サンシールは、黙々と敵と戦い続ける。




「何か来る…」


 霧に包まれた戦場が明るくなってきた時、アヤが呟いた。


 地響きを立てながら、数十の巨大な影がサンシール達に突進してくる。


角竜トリケラトプスだ!!」


 サンシールは、そう叫ぶと、巨大の影の前に躍り出た。

 実際のトリケラトプスより巨大な、20m近くある巨体を剣で受け止める。

 そのまま押されて数十m後退した。


時限式榴弾ディレイドブラストファイヤーボール!」


 モーギスが、仕掛けていた魔法を発動する。

 1頭のトリケラトプスが転倒し、後続の2頭も巻き込まれて倒れる。


「…」


 アヤの投げたナイフが、1頭のトリケラトプスの眼に命中し、突撃する方向を狂わせた。


「ドラゴンスレイヤー!」


 サンシールが、強力な剣技スキルを繰り出し、怯んだトリケラトプス4体を一度に真っ二つにした。


 残りのトリケラトプスも次々に倒し、なんとか危機ピンチを乗り越える。




「なかなかやるではないか…」


 霧の戦場に、艶めいた女の声が響く。


 また地響きが立ち、先ほどよりも巨大な30m近くあるトリケラトプス6頭に引かれた、10tトラック2台を横に合わせたような大きな戦車がサンシール達の前に現れて、停止した。。


 戦車にはドラゴンの頭の様に見える装飾がいくつかついており、トリケラトプスに引かせているのに機械的な何かを感じさせる金属製。

 黒光りするそれは、ゲーム内でアダマンタイトと呼ばれる貴重で丈夫な金属で出来ていた。


 戦車の上には、何人も座れる豪勢な金箔張りのソファーが設置されている。

 そこに、アールブが不敵な笑みを浮かべながら横たわり、サンシール達を見下ろしている。

 横には、数人の森エルフの女性達が、扇や飲み物の入ったポットを持ち、アールブの世話をしている。


 アールブは、戦車に設えられた階段を、ゆっくりと降りた。

 サンシールの、すぐ前にやってくると、耳元で囁く。


「実は、私はお前達を殺すつもりはないのだ。ここで投降すれば、助けてやってもよい。最高の愉悦を教えてやるぞ。再びノドの下に就く口利きをしてやってもよい」 


 アールブは、あられもない姿で、大きな胸と太ももをサンシールに押し付けながら言った。


「黙れ!!」


 サンシールは、即座にアールブを突き飛ばした。


「ノドに投降などしない!たとえ3人でも、必ず勝つ!俺は、ルイーズ様に、このギルドを託された。悪の軍団などに下るわけにはいかない!」


 サンシールは、アールブに剣を向けて宣言した。


「よいよい、可愛いではないか。さすがは、あの方のお気に入り。存分に楽しませてくれよ」


 アールブが、上気する。

 顔を赤くし、体をくねらせた。


「我がSAサポートアーマーティアマットよ!来い!」


 アールブが、叫んだ!!


「いけません、アールブ様!直接の戦闘は硬く禁じられております」


 世話をしていた部下の森エルフ達が、アールブを止める。


「うるさい!少々、味見をするだけよ!黙っていなさい」


 アールブが、森エルフ達を叱責する。


「本当に、そうですか?まさか、カイン様の仇を本当に討つつもりでは?」


 森エルフ達が、言った。


「ええい、黙れ!黙れ!」


 アールブの怒声が響く。


 巨大な戦車が人型に変形し、部下の森エルフ達を踏み潰していく。

 アールブは、その人型に取り込まれ、一体となる。


「見よ、これが90Lv以上のドラゴン5種を素材に完成させた私の大型SA、ティアマットだ!これを作る為に、可愛い私のドラゴン達を素材にしたのだ。強力なドラゴン成体アダルト5種の力を見るがいい」


 アールブが、叫んだ。


「ぬぬ!!」


 サンシールは剣を構え、ドラゴンの様なSAの頭部にある宝珠の様なキャノピーの中に見えるアールブの姿を睨みつけた。


 ティアマットは、頭と両手がドラゴンの頭部となっており、全高は8m程度。

 足は太いドラゴンの足、背中にはドラゴンの羽根を模した金属製のブースターがあった。

 30m近い長い尻尾には、沢山の金属製の棘が生えている。

 金属部の全ては、アダマンタイト製だ。


「わざと殺すつもりはありませんが、偶然殺してしまったなら仕方ありませんわね!その程度の男なら、あの方も許すでしょう!」


 ティアマットは、その巨体に似合わぬ高速でサンシールに向かってきた。

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