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鑑定使いの冒険者  作者: 空野進
第三章、ミーナの婚約
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地下八階層

 クルードフダンジョン、第八階層――ここは先ほどの狭い通路とはうってかわり辺り一面見渡せるほどの広い空間が広がっていた。

 そして、そこを悠々自適に闊歩するウルフ……の大きいやつ。



「ってなんだあれ!? 普通のウルフじゃないぞ!?」



 見た目は地下一階層で見かけたウルフ。しかし、その大きさが普通ではない。俺たちの身長の倍はあるだろうか? それほど大きなウルフだった。


 もちろん相手に気づかれる前に【詳細鑑定】をする。



『ビッグウルフ、レベル8』

【咆哮、レベル5】



 ウルフをそのまま大きくしただけだが、レベルが高かった。

 まともに戦って勝てるかどうか……。


 しかし、この階層で階段を探そうとするとどうしてもこのビッグウルフと戦わないといけない。

 シャルに強めの魔法を放ってもらえば楽に倒せるけど、実際に戦ってみないとわからないよね。


 そう覚悟を決める。


 まずはニャーにはビッグウルフの足を集中して狙ってもらう。

 ミハエル……は細かい指示なんて聞かないだろうから遊撃でいいだろうな。

 シャルは今回は待機しておいてもらおう。


 俺は自身の剣を抜くとそれぞれに指示を出していく。




 結果から言おう、ビッグウルフは本当にただの大きなウルフだった。見かけ倒しもいいところだ。

 ニャーが足を複数回切りつけただけで、その大きな体を地面につけてしまう。


 そこを狙って俺とミハエルが散々切りかかるとあっさりと魔石へと姿を変えた。


 俺たちが強くなっていることもあるだろうが、それを差し引いてもこのビッグウルフは弱い。何か裏があるのではと倒し終えたあとも警戒していたのだが、本当に何もなかった。


 毎回こんな相手だったらいいのにな。


 そんなことを考えて適当に相手をしながら階段を探す。


 するとビッグウルフの陰に普通のウルフより少し小さめのウルフを見つける。

 もしかして子供のウルフだろうか?


 黄色の毛に人懐こそうな顔、「きゅぅ?」という可愛らしい鳴き声に思わず近づいて抱きたくなってくる。


 ただ、相手は魔物だと首を横に振って気をしっかりと持つ。そして【詳細鑑定】を行う。



『パラライズウルフ、レベル1』

【麻痺攻撃、レベル1】

【魅了、レベル3】



 あれっ?

 俺は目が悪くなったのかと思い、少しこすった後もう一度見直してみる。

 やはりこのウルフはただのウルフではないようだ。


 能力は低いものの麻痺攻撃と魅了……おそらく今さっきの俺みたいについ抱きつきたくなって、触れた瞬間に麻痺にさせられるのだろう。


 そうとわかればなんとでも対策のしようがある。



「ニャー!」

「にゃにゃ!?」



 俺がニャーに呼びかけるとニャーは飛び跳ねそうなくらい驚いて振り向いてくる。しかし、耳は立ったままで、尻尾は激しく揺れている。

 これはニャーは魅了がかかっているな……。

 念のために症状がどの程度か確認する。



「ニャー、あの魔物を倒してこい」



 するとニャーはすごい勢いで首を横に振る。



「嫌にゃ、嫌にゃ、あんな可愛い子を切ることなんてできないにゃ」



 まぁそうなるよね。なら仕方ない。俺が剣を抜いて、そのウルフに切りかかる。

 さすがに戦う力自体はほとんどないようで、俺の剣を受けるとそのまま倒れてしまった。


 もしかするとニャーが庇ってくるかもしれないと思ったが、魅了にはそういった効果はないようだな。


 そして、パラライズウルフを倒したことでニャーの魅力も解け、正気に戻っていた。



「あれっ? ニャーはにゃにしてたにゃ?」



 首を傾げながら周りを見渡すニャー。

 俺はニャーに今あったことを教える。そして、パラライズウルフが落とした魔石を拾いに行くともう一つ、小さな牙が落ちていた。

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